16話
昨日ろくに寝れなかったせいで俺は寝不足だ。
なのになんであいつは、団長はいつも通り元気なんだよ!
「いい食欲だな」
「ああ昨日は任務で夜は携帯飯だったからな。出来立てがやっぱり一番だ」
俺はひきつった顔で言ったのに対し団長はとても良い笑顔で答えた。
「眠くはないのかよ」
「任務が長引くと交代で夜の警備をすることがあるからな。睡眠時間は短くても大丈夫だ」
「ラナ、おまえこいつらのこと働かせすぎじゃないか」
「別に騎士団に任務させてるのは私だけじゃないわよ」
「だとしてもだろ」
朝食を食べ終え団長と共に修行に向かう。
昨日と同じ外の訓練所についたら早速始まる。
「魔力操作もだいぶできるようになったみたいだな」
道中団長に言われて気がつく。
そう言えば、朝食の最中一回も注意されなかった。
まだまだかもしれないが着実に成長している。
戦闘中となると話は変わるだろうがそれでも成長は成長だ。
俺と団長は拳を交える。
やっぱり戦闘中は平常時よりも魔力操作は荒くなる。
「ふんっ!」
「やあぁ!」
もちろん、前よりは安定している。
でもそれじゃ足りない。
少なくともこのままじゃルドムをやったあいつには敵わない。
「なあ、もっと本気で頼む」
団長が俺の実力に合わせて手加減しているのは見ていればわかる。
強くなりたいなら手加減のない本気の方がいい。
「ああ」
俺の言葉に驚いたようなそして喜んだような顔をした。
団長の速度が上がる。
俺の腹に拳が食い込む。
「ぐぉッ」
とんでもねえ威力だ。
「ふんッ」
俺も負けじと団長に拳をふるう。
だが、俺の拳は空を切った。
団長の速度についていけてない。
さらに言えばこいつは本来剣を使って戦うやつだ。
「ハァーッ」
それでも俺は諦めずに拳をふるい続ける。
それも虚しく、一撃も当たらない。
魔力操作の練度を上げる。
わずかに団長の動きについて行けるようになった。
今気づいたが団長は魔力操作をほとんどしていない。
つまり、素の身体能力であれだけの速度とパワーを出していたのだ。
その刹那俺は団長の蹴りをくらい気絶した。
俺は昼過ぎに目覚めた。
魔力操作に脳みそをフル回転させ、団長との戦いで体を激しく動かしたため、とてつもなく腹が減っていた。
勢いよく食べているときに言われたのだが俺が気絶してる最中も魔力操作を続けられていたみたいだ。
だいぶできるようになった。
そう判断していいだろう。
ルドムのカタキを取るのはまだ難しいだろうが少しは近づけた今はこれでいいだろう。
「今頃、優雅に昼飯か」
レックスチームの中堅だったやつだ。
相変わらず嫌味なやつだ。
「悪いか?」
「いやいやバカは気楽でいいなと思っただけさ」
「お前ほどじゃない」
「は?」
中堅は俺の胸ぐらを掴んできた。
「負け犬が何いってやがる。あさって俺と決闘しろ」
「明後日か…」
明日はルドムの葬儀だが明後日は行けるだろう。
「いいぜ。戦おう」
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