13話
「なんだと…」
ルドムを指していた剣が抜かれルドムは力が抜けたように倒れ込んだ。
ルドムが肩を貸していた。コッキーレは腰を抜かしているようだ。
ルドムが倒れ見えた相手の顔は見覚えがある。
あの試合の時レックスチームの副将をしていたやつだ。
戦っているところを見たわけではないが、試合前に顔を合わせている。
ルドムは仮にも俺の師と言ってもいい存在だ。
俺は全速力で仇を取りに殴りかかる。
俺の顔面を目掛けて放った拳は軽く顔をずらして避けられた。
そのまま俺の腹を殴り返した。
「じゃあな」
副将はだるそうにそう言った。
「まて!」
俺がそういう頃にはもう姿は見えなかった。
ラナはルドムに回復魔法をかけ続けているみたいだ。
「おやめくださいお嬢様もう間に合いません」
「すぐに医者に診てもらえばまだ…」
ルドムは首を横に振りそこで息絶えた。
帰り道は悠久にも感じるほど長く感じた。
単に車が壊れて歩いて帰ることになったからではないルドムが亡くなったからだ。
帰り道誰も口を開かなかった。
屋敷に着いた。
一応魔獣の大量発生の原因解明という任務は達成したのだ。
本来この報告はいい顔をしているべきだろう。
仲間についてもらえる。
少しは喜んだ方がいいのかもだが損失が損失だ。素直に喜べない。
「あら?ルドムは?」
依頼主のお嬢様が聞いてきた。
俺たちの重い雰囲気を感じ取り察したかのように
「そう…」
と少し悲しそうな顔で頷いた。
「約束は果たすわ。このレジーナ•ノビーレあなたの陣営につくわ」
「ええ、よろしくねレジーナ」
「ひとつ聞いていいかしら?もちろん答えたくなければ答えなくていいわ」
「何かしら?」
「禍々しい渦が魔獣を大量に生み出していたと言ったわね。でも、それじゃルドムはやられない。そうでしょう?何があったか詳しく聞かせてもらえるかしら」
「あの渦を用意したのはおそらくレックス、うちの兄よ。昨日私と兄が試合したのは耳に入っているでしょう?その時の先鋒と副将が現れたの」
「ありがとう話してくれて」
「なあレジーナさん、あなたは最初からこっちにつくつもりだっだんじゃないか」
「えーっと、ヴィンス君だっけ。そうよ。最初からあなたたちにつくつもりだった。本当は料理を作って私を満足させなさいとか、そういう楽なことをさせようと思ってたんだけどね。急に魔獣が大量発生してね。あなたたちなら楽勝かなって思ってお願いしたんだけど。まさかレックスの差し金だったとはね。ごめんなさい」
レジーナさんは頭を下げた。
「あなたが悪いわけではないわ。気に病まないでほしい」
「ええ」
ラナに「失礼よ」と注意されたが、レジーナさんは気にしないでいいと言ってくれた。
レジーナさんは俺たちに車を用意してくれた。
ラナは遠慮したが「せめてこのくらいはね。」というレジーナさんに押されて結局車で帰ることになった。
借りなかったら歩いて帰っていたのだろうと思うと恐ろしくなる。
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