11話
「何か変化はないのかよ」
俺は思わず叫んでしまう。
確かに少しは削れているのかもしれない。
でも、見た目に変化がないんじゃ心に来るものがある。
「もっと魔力感知と魔力操作の精度が良くなればわかるようになるわよ。まあそんなすぐそこまで良くなるわけではないけど」
「ヴィンス君、魔獣の湧く数が減ったと思いませんか」
ルドム言う通りだ。
確かに数は減ってる。
減っているおかげで渦に車の破片を投げる時間の猶予は増えている。
まあ、渦にぶつかったら破片消えてしまうから、拾いに行く分大変さは変わらないが。
『アイスストーム』
さっきの赤の魔法陣ではなく、淡い水色の魔法陣が浮かび上がる。
それに嵐も炎の真っ赤なものではなく氷と雪の涼しい色をした嵐だ。
「ファイヤもアイスもどっちも弱点じゃないか。いや、どっちも弱点?」
『ファイヤ』『アイス』
今度は嵐を起こさず、駄々の炎と氷の弾丸だ。
やっぱ、こいつ余裕あるよな。
俺はそう思いつつも攻撃の手を緩めない。
あんだけいっぱいあった車の破片もこれでラスト1個だ。
全力で投げる。
相変わらず効いてる様子はない。
それに俺にはもう攻撃手段がない。
そこらへんに落ちてる木の枝を投げるか?
いや、車の破片ほど威力には期待できない。
『ファイヤストーム』
「やっぱ無難にこれで行くのが早いわね」
「なぁ、さっきから見てて思ったんだがお前余裕だろ」
「ええ、もちろんよ。初めて見たとはいえ少し見ればこれの性質はある程度わかる。」
「俺、結構絶望感あったんだがな」
「まぁ、しょうがないわ。あなた弱いもの」
「ひどっ!」
『ファイヤストーム』
渦が消え核が剥き出しになる。
追い討ちのようにラナはファイヤストームをもう一度打ち込んだ。
核に亀裂が入り大破した。
「これで終わりなのか」
魔獣の放出も止みこれで依頼も達成だ。
そう安堵した瞬間のことだった。
パチパチと手を叩く音が聞こえる。
徐々に足音も大きく聞こえ来るようになった。
「素晴らしい。おめでとうございます」
何か癪に障る。
俺を魔法でコテンパンにしてきたあの時の先鋒だ。
「やっぱりあなただったのね。いやあなたというよりレックスと言った方がいいかしら」
「いやはや、、誰も死なないというのは予想外ですねー。足手まといのヴィンス君ぐらいは殺せると思ったのですが」
「そう簡単に死なねえよ」
ずっと突っ伏していたコッキーレも立ち上がる。
まだ何が起こっているのかはわかってないみたいだ
「こんなことして何になるの?レックスの名声にもかかわるわ」
「ここの領主はレックス様の仲間につかないと言った。」
「その報復ってことね。直接手を下さないのは気に食わないけど」
『ファイヤボール』
相手が戦いの火蓋を切った。
『アイスストーム』
ラナは相手の魔法を打ち消し、戦闘が本格的に始まる。
読んで頂きありがとうございます。
ブクマや評価、感想を下さると幸いです。
この作品は小説家になろうとカクヨムにて投稿しております。
Twitter(現X)
https://x.com/NiaN_kami




