34話:小泉外交の勝利とフセイン拘束、銀行に資本注入
ある新聞が「日本が北に5人を返さなければ、北はミサイルを日本に撃つかもしれない」 と書いていて、ずいぶんひどいなと思った。
例えば1994年の米朝枠組み合意による北朝鮮への軽水炉提供は、失敗だっただけでなく北の核開発を助けてしまった。あるいは最近のトランプ・金正恩会談でも北は一向に核廃棄をしない。米国は常に北朝鮮にだまされている。それに比べ、この時の小泉外交は見事。最初は外務省の田中均・アジア大洋州局長が、北朝鮮のミスターXと極秘に交渉を進めた。
田中氏は拉致被害者を取り戻すため、 現実的な交渉をしたので、 後に「北寄り」と批判される。 日本が1兆円払うとか5人をいったん北に戻すとか全て田中氏がミスターXに約束したことだと言われている。しかし訪朝した時に、その流れを変えたのが 官房副長官だった安倍さん。 1兆円の経済協力にしても 金正日は5人を返せばもらえると思っていた。
しかし日本は、8人死亡の報告がでたらめであるとして1円も払わなかった。小泉さんのすごいところは、前半の田中均さんの「北寄り」の交渉について細かく報告を受け承認していた。 だから田中均批判というのは的外れ。 彼は上司の許可を得ていた。しかし小泉さんは、訪朝後は強硬派の安倍さんの意見を聞いて、北に言わせれば、約束を破った。
だました。相手の弱みを見透かした、この外交は見事。 当時米国ブッシュ政権は北朝鮮をテロ支援国に指定し 経済制裁など対決色を強めた。その状況で金正日は経済援助をちらつかせた日本の誘いに乗った。それまで軍事力をバックに持たない外交には力はないと信じていたので 経済力だけでも外交をできるのかと驚いた。
小泉さんは安倍晋三と田中均という2人をうまく操って5人の拉致被害者を取り返した。これは小泉さんにしかできない芸当。また安倍さんも北への強硬姿勢で国民の高い支持を得て、小泉さんの後継者になることが事実上確定。日本は、外交に頼るしかないが、小泉元首相の実績を見る限り、不可能ではないと考えている。
2003年、米英軍は3月20日、国際社会が求めていた大量破壊兵器の査察、廃棄に応じないとして、イラクに対する軍事作戦を開始した。圧倒的な軍事力を背景に戦闘は早期に終結。フセイン政権は崩壊し、ブッシュ米大統領は5月1日、事実上の戦闘終結宣言を行った。米英主導の占領が続く中、イラク人による統治評議会も発足し、12月13日には逃亡を続けていたフセイン元大統領が拘束された。
小泉純一郎首相は2004年5月に北朝鮮を再訪問し金正日総書記と会談。拉致被害者の蓮池薫、祐木子さん夫妻の子供2人と地村保志さん富貴恵さん夫妻の子供3人と一緒に帰国。曽我ひとみさんと家族3人は7月インドネシアのジャカルタで再会。米兵だった夫ジェンキンスさんは脱走罪などに問われ軍法会議で有罪判決を受け収監された。釈放後の12月7日、一家は新潟県佐渡市に移り新たな生活を開始。
政府は5月と11月に預金保険法に基づく金融危機対応会議を開き、りそなHDと足利銀行への公的資金による資本注入を決めた。注入規模はりそな銀行が2兆円前後、足利銀も1兆円前後とみられる。りそな銀は過小資本改善のための増強策だったのに対し債務超過が判明した足利銀は破たん処理を余儀なくされて株主責任が問われるなど、明暗を分けた。
その後、りそな銀行への公的資金注入の決定で金融不安が後退したのに伴い株価は急反発。実体経済も輸出拡大を背景とした設備投資をリード役に「景気底離れ」を示す指標が相次ぎ、内閣府は9月の景気動向指数の基調判断を半年ぶりに上方修正。これと共に、里見レストランでも小型で格安店へのお客さんが戻ってきた。その後、徐々に、日経平均が上がるとともにが景気が良くなってきた。




