今日は、メダカを見ない日にしました。
「カイトってさ」
「ん?」
「休みの日、何してるの?」
朝。
いつものように餌をやっていると、ミアが突然そんなことを聞いてきた。
「休み?」
「うん」
「メダカ見てる」
「それ仕事でしょ」
「いや、趣味でもある」
「じゃあ趣味は?」
「メダカ」
「……他は?」
「ない」
ミアが黙った。
「何だよ」
「つまんない大人」
「朝から失礼だな」
「だって、毎日ここにいるじゃん」
「店だからな」
「お休みは?」
「別にいらない」
「いるよ!」
なぜか怒られた。
ミアは腰に手を当てる。
「今日、ユアステラでお祭りやってるの」
「ユアステラ?」
「……知らないの?」
「ああ」
「ほんっとに何も知らないね!」
「悪かったな」
「ユアステラだよ? この辺の子供でも知ってるよ?」
「じゃあ俺は、この辺の子供以下だな」
「自慢することじゃないよ!」
ミアは呆れた顔をした。
仕方ない。
この世界について。
カイトの頭には、言葉や金の使い方、生活するために必要な知識はある。
だが。
どこの街の祭りが有名だとか。
どこの飯がうまいだとか。
そんなことまでは入っていなかった。
そして何より。
この世界に来てから、自分で知ろうともしていなかった。
「とにかく!」
ミアがカイトの腕を引っ張る。
「今日は店、お休み!」
「ちょっと待て。餌が――」
「今あげた!」
「水も見ないと」
「見た!」
「クロが――」
「元気!」
「シロは?」
「元気!」
「子供たちは?」
「元気!」
「…………」
「行くよ!」
「はい」
負けた。
仙台勝たなきゃつまんねえだろっ! っていう世界観ですw




