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最終話:そしてその後

 その後、鷹司義久の嫡男である虎寿丸が元服すると、ほぼ同じ時期に祖父である島津日新斎は見届けるべきことは全て見たとばかりに高齢と病によりこの世を去った。


「お祖父様、今までお疲れ様でした。

 あの世ではゆっくりなさってください」


 そして虎寿丸は鷹司仁久(たかつかさよしひさ)と名乗り名目上従三位権大納言左馬頭として武家の次期頭領であることを明確にさせて、その後天下大将軍の座を引き継ぐことになる。


 そして上杉謙信を説得し陸軍トップに据えて東西の大名の融和を図りつつ、大名に対しての天下普請などの負担により徐々に軍役よりも納税を選ぶ大名を増やしつつ、天下普請で見せる能力で軍の階級を昇格もしくは降格させたり改易を行ったりすることで、日本国内では封建的制度を徐々に弱めていくことになる。


 仙台は東方大陸と呼ばれることになる北アメリカの玄関口の港となり初期の航路はアリューシャン列島からアラスカへ出て南下するというものであったが後に仙台~ハワイ~北米という航路も開発され往復の時間もだいぶ短縮されることになった。


 そして農地開発は北アメリカ西海岸でも気候が温暖で水資源にも恵まれ、稲作が可能なカリフォルニア一帯が優先され開墾が開始され、その周辺から稲作は上流や周囲の河川にも広がっていくことになる。


 ネイティブアメリカンとも毛皮や羽などの物々交換で交易をしつつ、日本ではあまり使われなくなった火縄銃をネイティブアメリカンへ与えることで狩猟を楽にすることに加えて、白人集団の西進に対する対処方法として彼等を使うことにしたのであった。


 なお北米では氷河期に馬は一旦絶滅しているが、白人のみならず日本からも馬が運びこまれたことによって、移動や物資の輸送が大きく発展していくことになるが、逃げ出し野生化した野生馬(むすたんぐ)も増えてそれが問題になっていくことになる。


 一方、オセアニア方面においても義久はオーストラリア大陸の発見と領有を世界へ宣言し、それにより入植も進んだが、まずは北部ティモール海近くから始まり、ニューギニア、ソロモン諸島やニュージーランド島、タスマニア島なども領有化された。


 こういった地域では食糧不足を補うために山羊や羊の飼育が勧められ、北米などよりは薩摩的な気質の人間を輩出することになる。


 インド方面ではムガル帝国の南下に対しては、ビルマのタウングー王国へポルトガルに代わり鉄砲傭兵を送り込むことで牽制に使いつつ、東ベンガルを制圧させ、ムガル帝国の勢力拡大を阻止し、インド南部のヴィジャヤナガル王国やタンジャーヴール・ナーヤカなどのセイロンへの干渉に対しては、それらを武力で打ち払いセイロンへの大陸からの独立を維持し続けた。


 白人の主に戦災孤児などの買い付けについては最初期はオスマンの都市の奴隷市にて行っていたが、後にオスマン帝国の許可と協力を取り付け、エジプトの砂に埋まっていた古代に掘られた運河の砂を除去することで地中海と紅海の水路をつなげキプロス島を租借しそこでまとめて行うことになり、西欧中欧方面のユダヤ商人と、東欧ロシア方面のムスリム商人の奴隷売買の集積地として、西亜細亜會社を設立させオスマンやヴェネチア、デンマークなどにも株式10%ほど与えつつ残りは日ノ本が保持するという大家とした。


 そして高山国(台湾)、呂宋国(ルソン島)などのようにそれぞれは国として独立して差配させる一方で、それらの国は日ノ本の天皇の主権の下に結合して形成する連邦国家としての宣言を行ったのである。


 そして、法整備などは時代によって少しずつ改定されたりするが、日ノ本連邦は長きに渡り太平洋・南シナ海・インド洋などの広大な地域で繁栄したのである。


 なお大陸の明は中華の歴代王朝の中でも役人の俸給が最低という根本的な腐敗原因の除去が行われなかったこともあり、内乱が起こり北方はモンゴル系民族に制圧されたしまったが、南方は維持して後元と南明に分かれてその後も長く争うことになる。


 そして朝鮮半島は諸国が鼎立して内部分裂したまましばらくは大陸からも日ノ本連邦からも放置されることとなったのである。

アメリカやオーストラリアへの入植は他の有名作品でもやってるので、ダイジェスト化してしまいました。

そして長い間ご愛読いただき感想をつけてくださった皆様、本当にありがとうございました。


どうしても歴史戦記物は話の構造が似てしまうので、これと董卓の話の連載終了後はしばらくは他のジャンルを試してみようと思います。

もっともこれを書く前にすでにちょっと書いていた平将門の話を唐突に連載開始するかもしれませんけど。

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