表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/176

日本海軍を正式に設置し、犯罪者に対しての対応も決めていこう

 さて、俺が天下を統一したことで日本国内での大きな合戦はほぼなくなってしまったが、それでも合戦での手柄を上げて出世を望むものは引き続いて南海やセイロンの戦いに従事している。


 そしてフィリピンやマラッカ、セイロンの土地を得てその開拓に従事して小規模ながら領主という地位についているものも多い。


 また、蝦夷地や樺太などでこれまた地主となって、農業と牧畜を行うものもいる。


 だがこれ以上は土地の積極的な拡大政策を取るつもりはない。


 だがまったくやらねばそれはそれで発展が阻害されるだろうから難しいものではある。


「いずれにしても軍事組織に関しては中央で集中管理すべきであろうな」


 日本では奈良時代の律令制の時期には軍団という徴兵制度があったが、名目は新羅の侵攻に備えるものであったものの、これはどちらかというと治安維持や土木作業員、要するに警察や土木作業者的な要素のほうが強かったらしい。


 集団を集めて見回りをさせたり、主要な街道の整備や維持、国衙倉庫などの補修、関の守衛、罪人の護送などを行っていたのだな。


 この頃は朝廷に服属しないまつろわぬ民も多く、それを武力で服属させていったようだが、やがてそういった集団が減り街道も整備が整うと、その人数維持のためのコストに耐えられなくなって、まずは数を半減させ軍事は豪族に丸投げするようになるのだが。


 平将門や藤原純友の承平天慶の乱の頃には完全に軍団は消滅しており、討伐任務の成功に対して官位をちらつかせることで、豪族である藤原秀郷、平貞盛らにより平将門は討伐されている。


 しかし、鎌倉幕府が成立しその支配が日本全国へほぼ浸透したところで元寇が起こり、防衛には成功したもののその恩賞としての土地を与えることが出来なかったことが鎌倉幕府の崩壊の一因となった。


 しかし、防衛のため要するに外国に攻め込まれないように軍事力と言うのは必要なのだ。


 そしてその時与える褒章はもちろん土地という訳にはいかない。


 だから生活を維持するための給金というものを浸透させていかなければならないな。


 なので加治木銭の信用を得させるためにその品質の均質化と共に破損した銭などは破損状況によって相応の正規な金額の銭へと交換し流通量の増大を行っている。


 もっとも永楽銭や宋銭などでも良質なものはまだ併用しているけどな。


「そして陸の防備は今はまだともかく海の防備はやはり国で管理すべきであろうな」


 もともと律令制で存在していた兵部省を天下大将軍麾下の省庁として統治機構に組み込むことする。


 江戸幕府にも一応は水軍が設置されていたが、実戦への参加は大坂の陣までしかなくそれ以降は西洋列強の外国船が頻繁に来航するまでは実質的に海軍と言える存在は日本にないに等しかった。


 また陸軍は旗本御家人の直轄部隊以外は諸藩の石高に応じた賦役があったし、大名行列は江戸の普請を手伝わせると共に、何かあった場合に江戸に参上するための行軍訓練でもあった。


 だが、これも平和な時代が長く続くと米の生産量の増加に対して人口の増加が停滞することで米の値段は下がるが物価が上がり諸藩は財政が窮乏し、一度参勤交代は廃止されたりもしている。


 しかし、江戸幕府と違い高山国やフィリピンのルソンなども支配下に入れてる俺には当面はスペイン・ポルトガル、しばらくしたらオランダ・イングランドに対しての海上の防備を固めるのは大事なことだ。


 もちろん海賊や私掠船に対しての航路の安全確保や密貿易の取締も大事だ。


「まずは海上航路の防衛を優先するが、そのための水兵学校と船長学校の設置が必要だな。

 生徒はすべて学校宿舎にて寝泊まりするようにさせようか」


 要するに海兵育成学校と海軍士官学校を作るというわけだ。


 武家でも部屋すみのものや家が潰れた浪人などのすべてが南海に向かったわけではないしな。


 また枡や俵など内容量などを中心に度量衡の統一を行わせてもいる。


「量るための升目の大きさがまったくちがっては不公平だからな」


 直轄地の検地や戸籍の作成、刀などの武具を回収しての農具への転換なども行わせている。


 それにより住所不定の無宿者が野盗雲助になったりしないようにもしてそういった者は蝦夷や高山国などの開拓に従事させている。


 また犯罪に対しての対処だが江戸時代の罪状は窃盗や横領・詐欺でも10両以上は即刻死罪など死罪がかなり多いが、これは社会的生産性を落とすものは切り捨てるしかないという閉鎖型社会であったからだと思う。


 しかし、北方の僻地の開発という重労働のほうがおそらく死ぬより大変であろうから、大名家のお家乗っ取り・外患誘致など国に影響がある範囲は流石に死刑にするとして、辻斬りなどの無差別殺人・強盗殺人犯・放火犯・追はぎ・傷害強盗・親、主人、師匠への傷害、官名詐称、公文書・貨幣・印章偽造、不正を行うための秤・枡の偽造、100両以上の窃盗や金額的な詐欺・公金横領・既婚者の女を強姦などは無期労役で極寒のアラスカ、シベリア・カナダ・樺太での木こりや鉱夫として働かせるようにしようか。


 10両未満の窃盗や詐欺を3回繰り返した者・空巣・強姦・誘拐・関所抜けなどは高山国や蝦夷地で木こりや鉱夫として働かせる。


 そのかわりに貧しいからと犯罪に手を染めざるを得ないという者を出さぬように、衣食住付きの公共事業、例えば街道整備や港湾整備などの労働現場はきちっと確保するようにしておこう。


 働き口さえあれば犯罪など犯さないというものも多いしな。


 海兵も貧しいものの働き口の一つとして機能するようになってほしいものだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ