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義弘のセイロン島攻撃そのニ ジャフナ王国滅亡

 北畠義弘はセイロン島の東部を抑える、獅子(ライオン)を意味するシンハラ系のキャンデイ王国及び西部内陸部のシータワカ王国と盟約を結んで、海路を封鎖した。


 そしてシータワカのマヤ・ドゥンナイは陸路よりコロンボを攻撃してそれを陥落させて、ポルトガル総督とコーッテ王国の王ドン・ジュアン・ダルマパーラとその家族はマヤ・ドゥンナイによって要塞の壁の中に生きたまま埋め込まれ、コーッテ王国と西部海岸線のポルトガル軍は壊滅した。


「これで西側は一応片付いたか。

 となると今度は北だな」


 西のコロンボ、マータラ、ゴア、ネゴンボなどと言った都市はシータワカの軍勢のみで攻撃したが、北部のジャフナ半島のタミル系であるジャフナ王国の首都ナルアを攻撃するとなると、シータワカとキャンデイの双方に歩調を合わせさせるか、それとも日本軍のみで攻めるかそれが義弘にとっては問題であった。


 もともと北部のタミル人と南部のシンハラ人は異民族であることもあって仲は良くない。


 更に1544年にゴアからイエズス会がやってきてスリランカ北部マンナルの多数の人々がキリスト教を受け入れてしまっていた。


 ジャフナの王は熱心なヒンドゥ教徒であり、キリスト教がジャフナ王国に広まることを恐れた。


 そのためにマンナルのキリスト教徒を見せしめとして600人を串刺しの刑に処し、キリスト教宣教師の入国を禁止した。


 しかし、王の長男が王宮と取引をするポルトガル商人を通じてキリスト教に改宗してしまい、更に王の姉妹がキリスト教に改宗し姉妹の息子や王の他の息子たちにも広められた。


 ジャフナ王国におけるキリスト教徒に対する弾圧は激しくなったが、イエズス会はポルトガル国王にキリスト改宗者の救済を求め、ポルトガルはゴアより軍を送り込み、ジャフナ王はキリスト教徒へ改宗せざるをえなかった。


 イエズス会の宣教師がゴアへ戻るとき、ジャフナ王は、ポルトガル提督に対して自らポルトガル王の臣下となれるよう願い立てをした。


 それによりジャフナ王国は事実上ポルトガルの勢力圏となっていた。


 しかし、ポルトガルが東アジアから追い出されマラッカが陥落し、欧州においてプロテスタントとカトリックでの大規模な騒乱が起こると、ポルトガルからの干渉が弱まっていた。


 鉄砲や大砲などの火器や刀剣槍などの技術で勝ってるとはいえ兵数ではジャフナ王国が有利であるが……ジャフナはマラッカやコロンボのようにまだ要塞化はされていなかった。


「まあ俺たちだけでも大丈夫であろうな」


 セイロン島は比較的平野は少ないがジャフナ半島のあたりは平野も多い。


 そうなれば野戦も行いやすいということになる。


 義弘は一度東海岸に戻りトリンコマリーで兵を下ろし北上して、パランタンの平原付近にてジャフナ王国の軍と対峙した。


「向こうは2万、こちらは1万。

 さて普通なら困り果てるところではあるがな」


 一見するとこちら側は山から降りてきたところを大軍に包囲されているように見える。


「敵を山道に引きずり込んで伏兵で殲滅するとしようか」


 義弘は兵をわけ山道に鉄砲隊や弓矢隊を伏せて、自らは槍隊を率いて敵軍の前へ進み攻撃を仕掛けるも返り討ちにあって逃げ出したかのように見せかけた。


「よし、かかったな」


 ジャフナ軍はこれぞ好機と義弘を追いかけ、山道に入り込んだ。


「さてそろそろ反撃と行くか」


 大軍であろうと山道では横へ展開することは出来ず長く戦列が伸びたところで先頭集団が反撃を受け、それと共に横合いから散々に鉄砲を撃たれ、矢を射掛けられてはたまらない。


 後方は訳がわからず進もうとし、前方ではこれはたまらんと退却しようとしたことで兵は押し合いへし合いとなって余計に犠牲が増えることとなった。


 そして野戦で大敗北したジャフナ軍は首都ナルアへ逃げ出したが、要塞化されているわけでもないため、あっさり陥落、王は降伏した。


「ふむまず伴天連はすべて追放とするかの」


 王族でイエズス会によりカソリックに改宗した者はセイロン島より追放させ、ヒンズー教徒であるものを新たな王座に座らせた。


 宣教師は追放するが船大工などの技術者は残し活用することにする。


「まあ、しばらく大人しくしていてくれれば構わんか」


 あとはキャンディ王国とシータワカ王国での決戦を残すのみとなった。

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