008 図書館なう
僕の友人に、一限で「先生トイレ行ってきます」と言って、
六限までサボり通した奴がいました
これをクラスメイト達はSLTと呼んでいました
※六限終了後、先生にバレました
みなさんは授業無断欠席した事ありますか?
おっさんに厨二な二つ名がついている理由は後で聞こう
そんなことより、今のこの逮捕されてるシチュをどうにかしなければ
「おっさん、俺本屋行きたいんだけど」
「この局長から逃げたらな」
おっさんが不穏なことを口にする
「まだ質問は終わっていません」
ですよね
「通報によるとカリエームさんが自らを神の使いだと宣言したそうですが」
おっさんが俺を睨む
「先ほどの憲兵にも申したはずですが、私は宣言と言うほど大声で言っていませんし、神の使いじゃなくて、神の力を拝借気がしたと言っただけです」
「つまり少しは盛られている箇所があるが、おおまかな説明は合っていると」
それはそうだけどさぁ!
俺が知る狂神がそんな威厳あったとは思わないじゃん!?
俺は押し黙る
「まあ、エアさんの親族なら、不問にするしかないでしょう。これからは軽率な行動を慎むように」
なぜ!?
「それでは、失礼します」
おっさんがスタスタ扉に向かう
なんで?なんで納得しちゃうの?え?
「それでは、私も業務があるので」
局長、お前もか
俺は部屋に1人取り残されてしまった
早足でおっさんを追いかけると、おっさんはもう憲兵局庁の外だった
俺はおっさんのケツを叩く
ベチッ
「いてっ!おいカリィ!何すんだよ!」
やっとおっさんが振り向く
「なぁにが『平民風情の俺がどうこうできる相手じゃない』だ!どうにでもなったじゃねぇか!嘘つき!」
「まあ、そんな日もあるさ」
そんな日は無くしてくれ
「で、カリィは本屋がどうのとか言ってなかったか?」
「あ、行きます」
俺は目の前の餌に釣られるのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大通りを20分程歩くと、でかい屋敷があった
屋敷をよく見ると、『マギー・ビブリオテーク』と書かれていた看板が立っていた
「おっさん、このお化け屋敷なんだ?」
「お化け屋敷とは失礼だね!ここはれっきとした図書館だよ!」
お化け屋敷の中から中年のおばさんが出てくる
髪も目も淡い翠で、身長は160くらいかな
「失礼しました。ですが、思わず聞いてしまうくらいにはお化け屋敷ですよ」
俺は塀の方を指差す
でかい木造の屋敷。周りを塀で囲ってる。ここまではわかる。問題は、その塀の中に槍が立っていた。そして、その槍の先端に赤黒い液体が滴っていた
ホラーじゃん!?図書館に本読みに来る人失神するよ!?
「ああ、あれかい?昨日泥棒が入ってきてね。まあ、ウチの番犬が追い返しちまったけどね。ちなみにウチの番犬の名前はヴァッハフントだよ。かわいいだろう」
「そんなこと言ってる場合ですか!?片付けしてください!腐りますよ!?臭くなりますよ!?」
俺がおばさんを前にあたふたしていると、おっさんが俺の肩に手を乗せた
「安心しろ。トラップの槍には『クルオール・エデーレ』が付いてるはずだ」
なんじゃそりゃ
「よく知ってるね、坊主。ウチは税金で成り立ってるからね。金はあるのさ」
「俺は坊主じゃない。長髪だ」
「おっさん、クルオールなんとかってなんだ」
おっさんの阿呆度合いは放置しても大丈夫だが、流石に意味不明の語彙は放置できない
「血を吸収する能力のことだ。トラップの槍につけておけば、掃除しなくて済むだろ?」
「ふーん。クルオールなんとかはわかった。で、まずなんでトラップがあんの?このお化け屋敷って金銀財宝が地下室にあったりするのか?」
「ぶっ!」
おばさんが吹いた
「もしそうだったらいいねぇ、ウチに金銀財宝!」
「カリィ、前も言ったが本は高いんだ」
「こんなにえげつないトラップ仕掛ける程とは誰も思わないだろ!?」
あと、金銀財宝はジョークだからな!?
言葉にするとおっさんがあまりにも哀れなので、やめておいた
「他にも図書館内部にトラップってあったりしますか?」
「流石にそれだと図書館にきたお客さんがかわいそうだねぇ」
おばさんとちょっとした談笑をしながら俺はえげつないトラップ付きの図書館に入った
中には、広々とした空間があった。
2方向が本で埋まっており、1方向は入り口、もう1方向はカウンターと椅子だった
中央には黒い魔法陣があった
「さて、少年。今日は本を借りにきたのかい?」
「はい。本当は買うつもりだったんですけど、エアが金欠らしいので」
「そうかい、少年。名前は?」
唐突に問われる
「カリエーム・エスワールと言います。エアからはカリィと呼ばれています」
「いい名前だね。ツィーエンを継がなくて良かったな」
おばさんが呆れた目でおっさんの方を向く。肝心のおっさんは寝ている
「それじゃあ、少年。本借りたいなら、そこの魔法陣の真ん中に立ちな」
俺は大人しく魔法陣の上に立った
「今読みたい本を思い浮かべな。大体のジャンルでいいよ」
魔法を思い浮かべると、魔法陣が淡く光った
「あー少し抽象的すぎるね。もう少し具体的に」
「はい」
今度は重力魔法を思い浮かべた
パッ
魔法陣が消えた
「え?」
おばさんが口を半開きにする
「あんた4人目かい」
おばさんがそう呟きながら本棚の横にある梯子を上り、本を順番に5つほど押していった
ガコッ
目の前の本棚の一部が90度回転した
隠し部屋らしい
「少年、ここからはあんたしか入れないよ」
「え?僕だけで入っていいんですか?」
正直ビビった。だって隠し部屋にするくらい大切なものがあるんだろ?
「違うよ。あんたしか入れないんだ」
俺は意味がわからないまま、中に入った
隠し部屋は地下室だった。防犯を考えてのことだろうな
中央には魔法陣があった。真ん中に立ち、さっきと同じように重力魔法について考えると、魔法陣が光った
光ったとは言っても、さっきとは違う
ヴォン ヴォン ヴォン
魔法陣が層になるように俺の周りを取り囲んだ
すると、目の前を黒い魔力が霧のように現れた
パァッ
やがて魔力が4冊の本の形を成し、霧状の魔力が離散した
古びた本が4冊召喚?された
とりあえずこの本はおっさんのところまで持ってこう
俺は隠し部屋を後にした
「おばさん、この4冊借りていい?」
「あたしゃおねぇさんだよ!あと、その本は持ち主が少年だ。持って帰りな」
「いいのか!?」
図書館だから静かにしていたおっさんだが、流石に高価なものを貰うとなると声を荒げた
「その本は持ち主しか読めないし、持ち主以外は触れない。そういう本」
早くも本をゲットしてしまった
にしてもおばさん、俺が知らないことも知ってるな。城下町に通うようになったら問い詰めよう
他にもまだ本は欲しい
「一応他の本も借りていいですか?」
「あんたが魔法陣消しちまったから少し時間がかかるけどいいよ」
「普通消えるものじゃないんですか?」
なんせ5歳が欲しいもの思い浮かべただけで消えたんだ。消耗品だと思うじゃんか
「普通は消えないよ。あんたが異常なだけさ」
「なぜ僕だけ魔法陣が消えたんですか?」
「それはさっきの本を読み終わってから聞きな」
俺は頬を膨らませて不服そうにしてやった
「それと」
おばさんは真剣な目つきで俺を見る
「もし聞かれても本の事とあたしのことは喋っちゃダメだよ」
「は、はぁ」
「あたしは魔法陣描き直してくるから30分くらい待ってな」
そう言っておばさんは部屋の中央で作業を始めた
「本でも読んでるか」
俺は椅子があるスペースでさっきの本を読むことにした
この作品が面白かった!
続き読みたい!
いいから作品の続き書け!
休むな!考えるな!いいから書け!
と思った人は、レビューやいいね、応援お願いします!




