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リボンが黒く染まるまで 〜救うほど闇に近づく魔法少女になってしまいました…!〜  作者: ぽころっと
Chapter 4 心に値段はつけられない

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第53話 前編 約束

「私たちの心は。」


リノは胸元の灰色リボンを握りしめる。


「誰にも。」


代表たちが頷く。


「売らせない。」


その言葉が神殿いっぱいに響いた。


次の瞬間だった。


ピピピピッ──!!


鋭い警報音が神殿中へ鳴り響く。


代表たちが一斉に顔を上げる。


天井いっぱいに赤い光が走り、無数の文字が浮かび上がった。



⚠ 警告


神殿結界 侵食中


結界出力 低下


危険度:最大



「っ!」


ラピスの表情が変わる。


「まだ終わっていません!」


神殿全体が大きく揺れた。


床へ黒いひびのような模様が広がっていく。


メイは口元へ手を当て、小さく笑う。


「もちろんですよぉ♪」


「せっかく皆さんの素敵な感情が育ったんですから。」


「ここで終わるわけありません。」


リゼは何も言わず、黒いケースを静かに開く。


中には、黒いキャンディがぎっしりと並んでいた。


ユキノが優雅に微笑む。


「それでは。」


「本日の追加商品です。」


リゼは一粒、キャンディをつまむ。


そして。


神殿の床へ投げた。


パリン。


乾いた音が響く。


割れたキャンディから黒い煙が噴き上がる。


煙は渦を巻き、一体の巨大なノイズへ姿を変えた。


「またキャンディ!」


ひまりが炎を構える。


しかし。


リゼの手は止まらない。


パリン。


パリン。


パリン。


次々と神殿中へ黒いキャンディが投げ込まれていく。


割れるたび。


黒い煙。


そして。


新たなノイズ。


一体。


二体。


五体。


十体。


あっという間に神殿はノイズで埋め尽くされた。


「数が多すぎる!」


るりが水の結界を展開する。


ポルルも一緒に魔法を重ねた。


「るり!」


「任せて!」


水の壁が星兎たちを包み込む。


こはねは神殿の柱へ手を添えた。


「これ以上、壊させません!」


植物が床を這い、崩れかけた柱を支えていく。


まひるは怯える星兎たちを抱き寄せた。


「大丈夫。」


「私たちが守るから。」


桃色の光が優しく広がる。


しおんは静かに影を伸ばした。


「右側は任せて。」


影が何体ものノイズを拘束する。


「ひまり!」


「うん!」


炎が一直線に駆け抜ける。


拘束されたノイズが次々と消えていく。


その横を。


雷が走る。


「邪魔。」


こはくだった。


琥珀色の雷が神殿中を駆け巡り、ノイズを一瞬で吹き飛ばす。


「後ろ!」


パチルが叫ぶ。


「分かってる!」


こはくは振り返りもせず雷を放つ。


ノイズは空中で砕け散った。


リノも灰色リボンを構える。


「ミミル!」


「いくよ!」


灰色リボンが何体ものノイズを縛り上げる。


ひまりの炎。


るりの水。


しおんの影。


代表たちの連携は、さっきまでとは比べものにならないほど息が合っていた。


その戦いを見ながら、メイは満足そうに拍手をする。


「素敵ですねぇ。」


「友情。」


「信頼。」


「絆。」


「全部、とっても価値があります。」


ユキノは静かに微笑んだ。


「感情エネルギー。」


「順調に上昇しています。」


リゼは端末へ視線を落とす。


「回収準備。」


「完了。」


リノの胸がざわつく。


「みんな!」


「何か来る!」


リゼが静かに右手を掲げる。


その指先へ。


黒い一枚の値札が現れた──。

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