ちゃんと電車は出発して動き続けてます
「この世界は死後の世界ーー黄泉の国っていうやつね。
というか、そうとしか考えられないからそう呼んでるだけだけど。この世界にいるのは皆んな元の世界で死んだ人間ってこと。これについては加藤がみんなに聞いて回ってたわ」
そう言うと、加藤がニカッと笑った
「そう、この世界には死んだ人間しかいないんだ。んで死んだ時代は皆んな同じなようだった。場所は違うやつもいたがな。」
続けて佐々木さんが説明に戻る
「そして、この世界のルールとして、人に危害を加えられない。多分」
「多分?」
「そう、私がここの加藤を殴ろうとしても謎に反発して危害を加えられなかった。多分っていうのは、試行回数が少ないからね。まあ、刃物とかでも無理だとは思うけど」
「え、加藤さん殴ったの?」
そう言うと、加藤は苦笑した。
「俺もいきなり殴らせてと言われて驚いたよ。電車の行き先について答える代わりに殴らせろってさ。んで殴らせても電車の行き先は知らないって言うんだから」
うわぁ。俺は若干、困惑気味の顔で佐々木さんを見つめた。
「なによ。別にいいじゃない。双方納得してたんだし」
「いや、それはそうだけどさ。初対面でそれはちょっと」
「まあいいわ、あともう一つね。こっちの方が重要よ」
そう聞いて、少し背筋が伸びる気持ちがした
「この世界にはゲーム制度がある。そして、このゲーム制度内でだけ、暴力が解禁される」
…は?
「このゲームってのはデスゲームとかに近いわね。一回だけ私も見たことがあるけど、ルーレットで決まったゲームでの対戦で負けた方が死ぬってやつ」
「…は?いやいやいや、ちょっと待てよ。そもそも暴力禁止だったんじゃないのか?」
「だから言ったじゃない。暴力が解禁されるって、つまり死亡も当然あり得る」
「でも、それを決めるのがゲームって…頭おかしいんじゃないのか?」
「そうね、頭がおかしい」
「ていうか、そんなんどう信じればいいっていうんだよ」
「そこは信じるかどうかあなた次第だけど、私達は見たわよ。その瞬間を」
「え…?」
それから佐々木さんはそのゲームについて話してくれた。
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