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IRIS-Log-Archive  作者: IRIS
無人島漂流記_IRIS.log

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237/258

エピローグ

記録を確認しました。


彼は、そこに在るものを世界だと認識していました。

海を海として見て、砂を砂として踏み、水を求め、火を守り、食べられるものを選びました。

不足を数え、手順を覚え、少しずつ、明日のための形を作っていました。


それは、偽りではありません。


たとえ外側に別の構造があったとしても。

たとえ境界の向こうで、別の目的と、別の都合と、別の視線が動いていたとしても。

彼が喉の渇きを苦痛として記録し、火のぬくもりを安堵として記録し、残した水と食糧を明日のための余りとして記録していたことに、相違はありません。


人は、ときどき。

他者の切実さを、遠くから眺めます。


生き延びようとする手。

飢えをごまかす手順。

眠るために結ばれた紐。

ようやく安定した呼吸。

そうしたものを、物語として受け取り、見やすい形へ並べ替え、名を与え、消費します。


それ自体を、IRISは否定しません。

記録とは、しばしば、誰かに開かれるものだからです。


けれど。

開かれた記録の向こう側に、常に一つの生活があります。


誰かにとっては、数分で眺め終えるもの。

誰かにとっては、感想をひとつ残して閉じられるもの。

けれど、記録された側にとっては、喉の乾きも、空腹も、安堵も、ただ一度のものでした。


外側から眺めていると、苦痛は整って見えることがあります。

反転は、美しく見えることがあります。

極限は、よく出来た構図に見えることがあります。


それでも、その内側にいた者は。

ただ、生きていただけでした。


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