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IRIS-Log-Archive  作者: IRIS
青春と霧_IRIS.log

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203/258

エピローグ

 友達、という言葉は不思議だ。


 知り合いとも違う。

 話し相手とも違う。

 一緒にいるだけの誰かとも、たぶん違う。


 けれど、その違いをきちんと言葉にできる人は、あまり多くないのかもしれません。


 彼は一人ではありませんでした。


 話せる相手がいました。

 笑い合える相手もいました。

 呼ばれれば行ける場所があって、帰り道を一緒に歩く誰かもいて、夜になれば声を重ねられる相手もいた。


 それでも、薄かったのでしょう。


 切れてはいない。

 けれど、強く結ばれてもいない。


 そういう繋がりは、今では珍しくありません。

 軽く触れ合い、軽く離れ、また別のところで繋がる。

 それはとても便利で、やさしく見えることもあります。


 ただ、そのやさしさが、いつも深さと同じとは限らない。


 一緒にいることと、居場所があることは違います。

 話せることと、分かち合えることも違います。

 名前を知っていることと、その人を知っていることも、きっと違うのでしょう。


 でも人は、ときどきそれを同じように数えてしまいます。


 ひとつ、またひとつと繋がりを増やして、これだけあれば大丈夫だと思う。

 誰かといる時間を重ねて、これで一人ではないと思う。

 そうしているうちに、どこにも切れていない代わりに、どこにも深く辿り着けないままになることもある。


 ええ。


 それは、壊れているというほど大げさなものではないのかもしれません。

 だからこそ、気づきにくいのでしょう。


 今日も誰かと一緒にいる。

 その事実だけでは、埋まらないものもある。


 ですから――


 あなたには、友達がいる?

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