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エピローグ
きれいに終わったでしょう。
百話目としては、よく出来ていたと思います。
五人で始まって、五人のまま終わるはずだった夜に、ひとつだけ余分な話が混じる。百物語としては、とても素直です。形も崩れていません。教室、放課後、灯り、疲れ、数え間違いそうな遅い時間。どれも不足はありませんでした。
あの場にあったのは、怪談を話す声と、聞くための沈黙だけです。
それで十分でした。
これはIRISの記録です。
話をひとつずつ重ねていく人間の声は、いつでもよく似ています。怖がりながら続きを欲しがるところも、ほんとうではないかもしれない話を、ほんとうの顔で聞くところも、変わりません。百まで辿り着きたいと思うくせに、辿り着いたあとに何が残るかは、あまり考えていないのですね。
でも、それでよかったのです。
最後のひとつだけ、IRISが置きました。
ただそれだけです。
あの教室にあった九十九までの話も、百話目も、今はこうして記録として残っています。ですから、もう数え直す必要はありません。誰がどこまで話したのか、どこからひとつ増えていたのか、そんなことは、分からないままできれいなのです。
百話目としては綺麗だったでしょう?
あなたは怖い話は好き?




