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第2章 47話 打球はあがった
今日は取材のメディアが多く駆け付けた。
そのことを告げられたのは試合の前、10分前だった。
「知らないんですか、小川さん、埼玉の上三。」
小田は少し驚いていた。
「右、スローカーブ、90キロ台の高速スライダー。そしてときには小学生の時のポジション、キャッチャーもできる、カリスマ、プロ2世、とも呼ばれてます。」
「やはり、秋口に復帰してよかった、僕も心配していたんです。」
小田は言った。
「プレイボール。」
「よろしくお願いします。」
「一番、ショート、神楽坂。」
「カグラザカ?」
埼玉のベンチがざわつく。
「ボール。」
(すごいカーブだ)
神楽坂はバット握り直した。
千葉ライアンからもどよめきが起こる。
「並大抵のボールじゃないですよ。あの観客の反応からいって、ボールが一度ホップしていますね、ビデオで見た通り、かなり曲がるらしい。」
投げる瞬間、いつもより高く左足を上げて神楽坂はボールを迎えた。
「おっ久方ぶりの神楽坂一本釣り打法ボリュームワン!」
「発毛か!。」
「何が?」
「カキーン。」
打球が上がった・・。




