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第2章 35話 乱打
鎌田と吉野は話していた。
アメリカから帰って初の試合。
しかも、東京となれば。
俺達のメンタルはいつも甲子園だが。
中学生の甲子園、東京に帰ってこれてよかった。
やはり、アメリカの留学は彼らにとってきついものであった。
「よろしくお願いしまーす。」
「先発ピッチャー、洞口。」
くみちゃんが歌ってくれたのを背にしてマウンドに挙る。
ボールは回転して、キャッチャーのミットに収まる。
これが洞口のキャッチフレーズだった。
足をしなやかに上げて、ボールを放る。
「カキン。」
ボールはショートへ飛ぶ。
増口が捕球し、ファ―ストミットに送る。
やはり俺って天才。
またスナップ。
それを見ていたのはセンターで守っている上川。
「ありがとうございました。」
1月、乱打戦になり、一点差の7‐6で北海道ホエールズが勝った。
洞口は3回、66球、2失点だった。
なかなかいい試合展開だった・・。




