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第2章 第6話 「再始動」
実にいい勝負だった(千葉ライアン)
「やったな。」
「ああ。」
「日本一だ。」
「監督、やりましたね。」
背番号1を見て、投手を見て、二年生のチームリーダー小川は思った。
これなら、次の春には、恋の相手も見つかるし、二年連続の全国大会も夢じゃない。
俺の肩と二年生ピッチャーサウスポー、剛田もいる。俺達の時代はもう始まったばかりだ。
眼鏡のレンズが光ったころ、オレンジジュースが運ばれてきた。
彼女、できないかなー。
先輩の話を聞き小川はそう思っていた。
東京ラビットズの本拠地、ラビットズドームには多くの高校のスカウトが来ており、大会終了後、関係者を交えての選手以外の、食事会が行われた。
「いやー、ライアンはすごかったな。」
「うちにこの選手が欲しいなー。」
「いいや、まだ、選手が決めることですから。」
千葉ライアンの監督はそう言って笑った。
この興奮もいつか去る。いつか誰かが教えてくれるだろう。
野球の本を読みながら、電車で通学する。
小川の父親は千葉ライアンのコーチだった。




