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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: 奥野ミズオミ


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第9話

 俺たちはこの街を出発することにした。



 目指すのはこの国の中心、王都だ。



 王都へ行けば、俺のスキルの謎も解けるかもなのは、図書館もあるらしい。



 それに、もっとたくさんの仲間に出会える気がする。



「みんな、忘れ物はないか?」



 俺は仲間に声をかけた。



「準備万端よ。冒険の準備なら慣れてるわ」



「私も、魔法の道具は全部詰め込みました!」



 エルザが大きなリュックを背負って言った。



 シロは俺の足元で「ワン!」と元気に鳴いた。



 元気になったな。



 プニも俺のポケットの中でプルプル震えている。



 最高の仲間たちとの長旅が始まりだ。



 王都までは馬車でも数日はかかる距離だ。



 俺たちは自分たちの足で歩くことにした。



 『俊足』があるから、歩くのは全く苦じゃない。



 むしろ、景色を楽しみながら進むのが心地いい。



「いい天気だなあ」



「コウイチ、油断しちゃダメよ。街道には魔物が出るわ」



 ライラが周囲を警戒しながら言った。



「わかってる。俺の『魔力感知』でも探っておくよ」



 『魔力感知』を周囲に広げておこう。


 便利だな。すると、さっそく不穏な反応があった。



 あっ、反応ありだな。



 前方の茂みから、複数の魔力の塊が近づいてくる。



「来るぞ! 数は五体だ!」



「さっそくですか!」



「魔法もあります」



「こいつはフォレストウルフだわ」



 飛び出してきたのは、大型の狼だった。



 シロと同じ狼系だが、こいつらは凶暴っぽいな。



 同じウルフでも戦闘になる。



「ガアアア!」



 先頭の一体が俺に向かって跳んできた。



 俺は落ち着いて『剛力』を腕に込めた。



 剣を抜く暇もない。



 そのまま拳を叩き込んだ。



 ドゴォッ!



「ギャン!」



 フォレストウルフが吹き飛んで木に激突した。



 一撃だ。自分の力ながら、ちょっと引くくらいの威力だ。



「次は私がやります!」



 エルザが杖を構えた。



「燃え上がれ、火の玉!」



 エルザの放った魔法が、残りの狼たちを包み込んだ。



 爆発が起きて、魔物たちは一瞬で消してしまった。ハンパないな。



「すごいな、エルザ。威力が増してるじゃないか」



 俺が褒めると、エルザはえっへんと胸を張った。



「コウイチさんに教わった通り、イメージを大事にしました!」



「私も倒しておいたからな」



「ライラ、お疲れ様です」



 仲間が強くなっていくのは、自分のこと以上に嬉しい。



 俺たちは魔物を片付けて、再び歩き出した。







 夕暮れ時、俺たちは山道の途中で不思議な場所を見つけた。



 あれ? なんだろうか?



 岩の間から白い煙が上がっている。



 鼻をくすぐるのは、独特の硫黄の匂いだ。



 硫黄となると、まさかあれかな。



「これって、もしかして温泉か?」



 俺は期待に胸を膨らませた。



 日本人の俺にとって、温泉は最高の贅沢なもの。



 この異世界にも温泉があったのか。



「温泉? ああ、天然の湯治場ね。この辺りには多いわよ」



 ライラが教えてくれる。



「よし、今日はここでキャンプにしよう。お風呂に入りたい!」



「お風呂!」



「疲れが取れそう」



 俺の提案に、みんなが賛成してくれた。



 幸い、岩場が目隠しになっていて、ちょうどいい浴槽ができている。



「じゃあ、まずは私とエルザが入るわね。コウイチはシロと見張りよ」



「わかった。絶対に見ないから安心しろ」



 俺は背を向けて、シロと一緒に岩の陰に座った。



 後ろからパシャパシャとお湯の音が聞こえてくる。



「わあ、温かくて気持ちいいです!」



 エルザの楽しそうな声が響く。



「旅の疲れが取れるわね。コウイチは待っててね」



 ライラの声もリラックスしているみたいだ。



 俺はシロの頭を撫でながら待った。



 ブラック企業のときは、シャワーだけで済ませることが多かった。



 湯船に浸かるなんて、いつ以来だろう。



「お待たせ、コウイチ。交代よ」



 しばらくして、顔を赤くした二人が戻ってきた。



 ライラは濡れた髪を拭きながら、少し色っぽく見えた。



 元々可愛いからな。



「じゃあ、行ってくる」



 俺は服を脱いで、岩の隙間の温泉に飛び込んだ。



「あぁ生き返る」



 全身を包む温かい感触。



 筋肉の緊張がほぐれていくのがわかる。



 シロも一緒に入ってきた。熱い湯に入れるのかな。



 普通は犬などは水は怖がるものだが。



「お前も温泉好きなのか?」



 シロは「フンス」と鼻を鳴らしてお湯に浸かっている。



 プニも水面でぷかぷかと浮いている。



 プニは溶けないか心配があったが、大丈夫そうだ。



「極楽だな、これは」



 空を見上げると、満天の星空が広がっていた。



 都会では絶対に見られなかった光景だ。



「ああ、いい湯だった」



 お風呂から上がると、ライラとエルザが夕食を準備してくれていた。



 いい匂い。肉の匂いだな。



「コウイチ、見て。さっきの狼の肉を焼いたわよ」



「魔物の肉って食べられるのか?」



「ええ。フォレストウルフの肉は意外と美味しいのよ」



 焚き火で焼かれた肉の匂いが食欲をそそる。



 美味しそうだな。俺は一口食べて驚いた。



「うまっ! ジューシーで最高だ!」



 美味いです!



 みんなで焚き火を囲んで食事をする。



 ただの食事なのに、誰かと一緒に食べるだけでこんなに美味しいとは。



「王都に着いたら、まず何をしましょうかライラ?」



 エルザが楽しそうに聞いた。



「大きな宿屋に泊まって、美味しいものを食べたいわね」



「俺は図書館に行って、この世界の歴史を調べたいな」



 自分のことが少しわかるかもだしな。



 夜が更けて、焚き火の火が小さくなっていく。



「コウイチ、明日はもっと険しい道になるわよ」



 ライラが少し真面目な顔で言った。



「わかってる。でも、俺たちなら大丈夫だろ?」



「もちろん。私たちの絆を甘く見ないでよね」



 俺は仲間の顔を一人ずつ見た。



 一人で転生したときは不安だったけど。



 今は、守るべきものがこんなにたくさんある。



 毛布にくるまりながら、これからのことを考えた。



 王都へ行けば、もっと過酷な戦いがあるかもしれない。

 


 でも、俺は逃げない。



 自分の意志で、仲間のために戦うんだ。



 シロのモフモフで気持ちよく寝れるな。



 ぬくもりが、腕の中でとても温かかった。







 翌朝、俺は目を覚ました。



 温泉のおかげで、体は驚くほど軽い。



「さあ、王都に向けて出発だ!」



 みんなが立ち上がった。



 俺たちの歩む道の先には、きっと明るい未来があると思いたい。



「コウイチさん、頑張りましょう」



「うん」



 王都に行けば、みんなの運命が大きく動き出すのかな。



 そこまではわからないか。



 絆のチートスキルで、どこまで行けるか試してやる。



 俺は力強く一歩を踏み出した。

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