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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: 奥野ミズオミ


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第7話


 俺たちのパーティーに、新しい仲間、エルザが加わった。



 ハイリザードを倒した後、俺とライラはエルザを連れて街へと戻ることに。


 エルザはまだ少し緊張しているみたいかな。



 俺が隣を歩いていると、少しだけ安心した顔を見せてくれる。



 杖をギュッと抱きしめながら、小さな声で色々話してくれた。



 俺の胸ポケットでは、プニが「ぴゅい」と鳴いて、エルザに挨拶しているみたいで、プニと仲良くして欲しい。



「あの……コウイチさんって、本当にすごい人なんですね。私、まさかあんな大きな魔物を一撃で倒しちゃうなんて、想像もしてなくて。私には、あんな力、全然ないから」



 エルザは、自分を見下すような言い方をした。



 俺は、その言葉を聞いて、胸がチクッと。



 彼女は、俺が前世で味わった無力感とは違う、『力の持ちすぎ』による苦しさを感じているんだ。



「そんなことないよ、エルザ。さっきの君の魔法だって、すごかったじゃないか。ハイリザードの鱗を焦がすなんて、普通の見習いじゃ絶対にできない。君は、規格外の魔力を持っているんだ」



 俺の『魔力感知』は、嘘をつかない。



 エルザから溢れている魔力の光は、本当に眩しいくらいだよな。



 その力が、彼女にとっては怖いものになっているのが、すごくもったいないと思った。



「でも、怖かったんです。私が力を制御できなくて、変な方向に暴発させちゃったり、コウイチさんたちまで巻き込んじゃったらって思うと、体が動かなくなっちゃって。小さい頃から、いつもそうだったから。力が強すぎて、周りの人たちから遠ざけられて」



 エルザは顔を上げないで話す。その心情は、すごく理解できるかな。



 俺は自分の力がないせいで苦しんだけど、エルザは持っている力のせいで孤独なんだ。



 どちらも、同じ苦しみかもな。



「大丈夫だよ、エルザ。もう、怖がらなくていい」



 俺は、立ち止まって、エルザとまっすぐ向き合った。



「君の魔力は、誰かを怖がらせるためのものじゃない。誰かを守るために、俺たちが一緒に使う力だ。俺には『魔力感知』っていうスキルがある。君の魔力が暴走しそうになったら、俺がその魔力を全部見て、ちゃんとコントロールする手伝いをしてやるから」



 俺は強く言った。俺自身、この新しいスキルが何のためにあるのか、ぼんやり考えていた。



 今、ハッキリとわかった。それは、エルザを救うためのスキルなんだ、と。



 ライラも、俺の隣で優しく微笑んでくれた。



「そうよ、エルザ。コウイチは、あなたの力を否定しないわ。彼は、私やプニ、シロとの絆で、どんどん強くなっている。あなたの魔力も、きっとコウイチとの絆で、最高の力に変わっていくわ」



 ライラの言葉は、いつも俺の背中を押してくれる。



 彼女の信頼が、俺の自信になっているんだ。



 俺は、孤独だった前世とはもう違う。



「ありがとうございますコウイチさん、ライラさん」



 エルザは力強く頷いてくれた。わかってくれるといいな。



「私、コウイチさんとライラさんについていきます。私、頑張って、この力を使いこなせるようになります!」



 その瞳に、もう恐怖の色はなかった。


 小さな確かな決意の炎だな。



 「よし、じゃあ、改めてよろしくな、エルザ! これで俺たちのパーティーは、剣士、スライム、ウルフ、そして魔法使いだ!」



 俺たちは、新しい仲間を迎えた喜びを胸に、街の中心部にある冒険者ギルドへと向かった。



 現在は街の治癒院にシロを預けてある。



 エルザをギルドに連れていく途中、俺はまた違和感を感じ始めた。



 何かな?



 街は、朝の賑わいを取り戻しつつあったけど、俺の『嗅覚強化』が警告を出してくるんだよな。



「ライラ、なんか、嫌な匂いがする」



「また? 今度はどんな匂い?」



 ライラは警戒しつつも、まだ信じきれない様子だった。



 獣人である彼女の嗅覚を上回るのぐ俺のスキルだからかな。



「匂いが、濃すぎるんだ。森の奥の獣臭が、ここまで強く流れ込んできている。それに、土埃と汗、そして強い魔力の匂いも混じってる」



 俺の『魔力感知』は、さらに明確な情報を教えてくれる。


 ヤバそうな魔力だな。



「それに、街の東側から、尋常じゃない量の魔力が、波のように押し寄せてきている。さっきのエルザの魔力よりずっと散漫で、数の多さからくる魔力の塊だ。たぶん、大規模な魔物の群れが、街に向かっているぞ」



 俺の言葉に、ライラとエルザの顔色が変わった。



「魔物群!? この街に、そんな大規模な魔物が来たことなんてないわよ!」



 ライラは信じられないといった様子だった。



 エルザは顔面が真っ青になり、杖を握る手が震えだす。



「そ、そんなまさか、私の魔力が、また何かを引き寄せちゃったんじゃ」



 不安で泣きそうな声を出した。



 「違う! エルザのせいじゃないよ。気にしなくていいよ」



 俺はエルザを安心させるように、強く否定しておく。



 その時、俺たちの予感を裏付けるように、街の鐘から、けたたましい警報の音が鳴り響いた。



 ゴォン! ゴォン! ゴォン!



 この音は、危険を伝える音なのかな。



 魔物襲来を告げる、緊急の合図にも聞こえるな。



 街は一瞬にしてパニックになって、人々は悲鳴を上げ、我先にと逃げ惑う。



 冒険者たちがギルドから飛び出してくる。



 武器を手に、鐘の音がする東門へと殺到していく。



 俺達もこうしてはいられないよな。



 俺たちは、迷うことなく東門へと走り出した。



 東門に着いたとき、思わず息を飲んだ。



 視界いっぱいに広がる、黒い波。



 数えきれないほどの魔物たちが、文字通り津波のように押し寄せてきている。



「うそ!、冗談でしょ!」



 俺の隣で、エルザは完全に戦意を喪失している。



 エルザは膝から崩れ落ち、震えながら絶望的な光景を見つめている。



 彼女の表情は、「また自分の魔力が暴走して、この全てを破壊してしまうのではないか」という、強い恐怖に支配されている風でもある。



「コウイチ! 見て! あの数じゃ、門前の冒険者たちだけじゃ、すぐに押し切られるわ!」



「ライラはあの魔物がわかるかい?」



「ゴブリンやコボルトといった雑魚魔物だけでなく、巨大なトロールや、屈強なオークといった、厄介な大型魔物も混ざっている」



「オークもか!」



 オークって言ったらあの日本でも有名な魔物と思っていいか。



 しかも凶悪な魔物として有名な。



 今までとは圧倒的に違うレベルの魔物だろうな。



 ライラは焦っているのは初めてかな。



 他の冒険者たちも、必死に戦っているが、魔物の数は多すぎる。



 前線は既に押され始めていて、このままでは門が破られ、街の中に魔物が流れ込んでしまうのは確実だ。



 くそ! こんな時に、俺が持っている『剛力』や『俊足』は、一対一や少数戦では最強だ。



 この物量相手じゃ意味がない! 一体どうする!?



 俺は頭の中が真っ白になりそうだった。



 ブラック企業で残業続きだった頃の、どうにもならない絶望感が、再び俺を襲ってくる気がした。



「エルザ! 頼む! 君の魔法が必要だ! 広範囲に焼き払う魔法なら、この魔物群を一気に片付けられる!」



 俺は、地面にへたり込んでいるエルザに呼びかけてみた。



 エルザは、顔を覆いながら泣きそうな声で答える。


「で、できません! 怖いです、コウイチさん! 私が魔法を暴走させたら、街まで燃やしちゃう! 私は、みんなを助けるどころか、逆に街を滅ぼすかもしれない!」



「そんなことない!」



 俺は、エルザの肩を掴んだ。



「俺を信じてくれな。エルザの魔力は暴走なんかしない。俺が『魔力感知』で魔力の流れを全部見てるんだ。エルザの魔力を暴走しないようにする。 だから、思い切りやってくれ!」



 エルザの恐怖は根深いのかな。長年のトラウマは、俺の一言では解消されなかったっぽい。



 「わ、わからない私は、どうしたら」



「ダメだ。このままじゃ、エルザの魔法は使えない。でも、他に、この物量を一気に吹き飛ばせる手立てなんて」



 俺は、必死で頭の中のスキルリストを再確認してみる。



 『剛力』、『俊足』、『火魔法』、そうだ、『火魔法』。



 俺は、エルザとの絆で、初級の火魔法を獲得している。



 この魔法は、せいぜい手のひらサイズの火の玉を出すくらいしかできない。


 だけど、もし、俺が持っている『剛力』と、この『火魔法』を、組み合わせたらどうなる?



 物理的なパワーと、魔法のエネルギーの融合とかありかな。



 そして、その魔法のエネルギーの源泉には、俺と絆を結んでいるエルザの規格外の魔力があるよな。



「閃いた!」



 俺は興奮した。これだと。



 これこそが、俺の『絆結び』が目指すべき、複合スキルの力なのではと。



 俺は、剣を握りしめた。



「ライラ、エルザ聞いてくれ! 俺には、複合スキルがある! これで一気に打開する!」



 ライラは、必死に魔物を斬り払いながら、俺の言葉を聞き返した。



「複合スキル!?」



「エルザもう一度頼む。俺の剣を、火の塊に変えるイメージで、魔力を込めてくれ。俺は『剛力』を、君の魔法として使う。怖がらなくていい。 プニもいる」



 胸ポケットのプニに語りかける。



「プニは、俺の体内で、魔力と『剛力』が衝突しないように、『液体化』のスキルで優しく循環させるのを手伝ってくれ。プニの繊細な力が、今、必要だ」



 プニは、俺の胸ポケットの中で、力強く「ぴゅいっ!」と鳴いた。



 おおお、何とか伝わったっぽいな。



 その振動が、俺の不安を和らげてくれた。



 エルザは、俺の真剣な瞳を見る。



 ライラも見て決めてくれたようだ。



 恐怖に震えながらも、彼女は杖を前に突き出した。



「わ、わかりました。 コウイチさんを、信じます!」





6. 剛力と炎の複合チート



 俺は、門前の大群に向かって、深く息を吸い込んだ。



「来い! 絆の力! 俺の『剛力』とエルザの『火魔法』! そしてプニの『液体化』によるサポートだ!」



 俺は、自分の体内の魔力と、エルザから溢れ出る規格外の魔力を、『魔力感知』で一気に引き寄せた。



 エルザの魔力は、ダムが決壊した水流のように、俺の剣へと流れ込んでくる。



 剣が一瞬で真っ赤な光を放った。



 そして、巨大な炎のオーラで包まれる。



 エルザの膨大な魔力と、俺が獲得した『火魔法』が、俺の肉体と一体化し、剣に宿ったのだ。



 『剛炎一閃ごうえんいっせん』とスキルはあった。



「剛炎一閃だあああ!」 



 この炎の剣を、俺は『剛力』を最大限に発揮して、目の前の魔物群に向かって、水平に、渾身の力で薙ぎ払った。



 ゴオオオォォォッ!!!



 ただの剣ではないぞ。俺の『剛力』によって超高速で振り抜かれた剣になった。



 炎の魔力を圧縮し、巨大な火炎の波動として解き放った感じだ。



 凄いぞ!



 炎の波は、轟音と共に、門前の平野を横一線に焼き尽くした。



 ゴブリンも、コボルトも、そして皮膚が硬そうなトロールやオークさえも。



 炎の波動に触れた瞬間、抵抗する間もなく、一瞬で炭と化し、地面に崩れ落ちた。



 炎の流れは、数十メートル先まで広がり、押し寄せていた魔物の群れの先頭集団を完全に壊滅させた。



「ギャアアアアアア!」



 魔物たちの絶叫と、肉が焼ける凄まじい匂い。



 その後に訪れたのは、信じられないほどの静けさ。



 これが俺のスキルなのか?



 門の前には、まるで巨大な竜が火を噴いた後のよう。



 黒く焦げ付いた大地と、山積みになった魔物の死骸だけだぞ。



「嘘だろ」



 俺は、炎が消え去った剣を握りしめる。荒い息を整える。



 体は疲れていないのに、達成感があるな。



 自分の中に、想像を超える力が生まれたんだ。



 マジかよ、信じられないけど、俺の『剛炎一閃』なのだよな。



 ライラが、他の冒険者たちと共に、絶叫のような歓声を上げながら駆け寄ってきた。



「コウイチやったわね! 規格外すぎる。今の新しいスキル教えてよ?」



 「剛炎一閃てスキルだな。みんなから獲得したスキルを合わせて想像したスキルなんだ。俺の力だけじゃなくて、エルザの規格外の魔力があったからこそだ」



 エルザの方を振り返った。エルザは、まだ座り込んだままだった。



 その瞳にはもう恐怖はなく見えるな。



「私、私、暴走しなかった。ちゃんと、コウイチさんが、私の魔力を、剣を通じて、正しい方向に導いてくれたんだ」



 エルザは感謝の涙を流している。



 エルザにとって、それは単に魔物を倒したこと以上の意味があったのだろう。



 自分の力を、初めて目的のために使えたのだとと思う。




「そうだよ、エルザ。君はすごい魔法使いだ。君の力は、たくさんの命を救ったんだよ」



 エルザの頭を優しく撫でた。



 俺たちの間の絆は、この戦闘と、この複合スキルによって、さらに強固なものになった感覚がある。



 みんなが一つに繋がったみたいな。



 門を守っていた他の冒険者たちも、俺たちの元へ集まってきた。



「あれは、一体何だ!?」



「若造! お前、何者だ!?」



「あんな魔法、見たことがない! Dランクだと今聞いたが、嘘だろう?」



 歓声と驚きの声が入り乱れる。



 俺たちのパーティーの名声は、この一撃で、街中に広がる。



「コウイチ、あなたは本当に、規格外ね」



 ライラが、誇らしげに俺を見つめてくる。可愛いからあまり見つめないでくれよ。



 俺は胸ポケットのプニが「ぴゅいぴゅい!」と喜んでいるのを感じながら、少し照れくさい。



「俺はみんなと、平和に、楽しく暮らしたいだけなんだけどな。でも、そのためには、スキルを手に入れて、大切なものを守るしかない。俺は『絆結び』のチートしかないもんな」



 新たな力を得て興奮している。


 仲間との絆を再確認した温かい気持ちを胸にあるな。


 この異世界での冒険が、ますます面白くなってきたな。この先どうなるんだろうな。

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