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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: おーちゃん


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「くそっ、この木ども、斬っても斬ってもキリがないぞ!」


 フォルダムが叫びながら、白銀の剣を振り回した。


 エリート冒険者たちの攻撃は確かに鋭い。


 でも、森そのものが敵になっている今の状況では、単発の攻撃は意味がなかった。


 このままでは全員が危険になるな。


「落ち着けフォルダム! 闇雲に動くと体力を削られるぞ!」


「僕に命令するな!」


「だが危険だ。俺の指示に従って欲しい」


「僕を下に見るなよな。白銀の翼だぞ。最強のパーティーだぞ」


 俺の声は、混乱する彼らには届かなかった。


 白銀の翼という名前がある以上は、新人の指示には従えないてことらしい。


 巨大な木の根が、まるで蛇のように地面を這いずり回る。


「あわわわ! コウイチさん、地面が、地面が私を食べようとしてますー!」


 フィンが木の根に足を引っ掛けられて、派手に転んだ。


 フィンが危ない。


 こういう時は、プニに頼もう。


「プニ、フィンを守れ!」


「ぷるるんっ!」


 プニが液状化してフィンの足元に広がり、迫り来る根っこを弾き飛ばした。


「助かったわ、プニちゃん! さあ、反撃よ!」


 ライラが風の剣で、周囲の枝を一瞬で細切れにした。


「コウイチ、かなりヤバいですこの森は」


「エルザもプニの近くにいてくれ」


「はい」


 エルザとシロもプニの側にとする。


 その方が安全だろう。


「白銀の翼! 前方は罠だ! 下がれ!」


 俺の「空間把握」が、さらに巨大な魔力の集積を捉えた。


 とても危険だと。


 教えてあげたけど、聞いてくれるかな?


「黙れ新人! 僕たち『白銀の翼』が遅れを取るはずが」


 フォルダムが言いかけた瞬間、森の奥から巨大な花の形をした魔物が姿を現した。


 なんだ、こいつは!


「魔物だ!」


「アルラウネ・クイーン!」


 エルザが息をして。


「広範囲に麻痺毒の粉を撒き散らす、森の支配者です」


 パサッ、と紫色の粉が辺り一面に広がる。


 麻痺毒か、厄介だな。


 初めての毒の攻撃だから、どうしていいのか。


「うっ、体が、動か」


 フォルダムたちの動きがピタリと止まった。


 彼らは個人の力に頼りすぎて、異常状態への対策が遅れていたんだ。


 俺の把握していた危険な魔力はこいつだった。


 やはり引き返すべきだったか。


 こうなった以上は、戦うしかない。


「やれやれ。結局、俺たちが助けることになるのか」


 俺は苦笑いしながら、新しいスキルのスイッチを入れた。


「みんな、俺の周りに集まれ! 真理の盾、展開!」


「はい!」


「結界かしら?」


「コウイチの結界の中は安全です。凄いです」


 黄金色のドーム状の壁が、俺たちを包み込んだ。


 聖なる光が毒の粉を焼き払い、動けなくなっていたフォルダムたちも光の中に引き入れた。


「な、なんだこの魔法は。毒が消えて、いく」


 フォルダムが驚きの表情で俺を見上げた。


「これが俺たちの『絆』の力だ。エルザ、回復を!」


「はい! 聖女の祈り、癒やしの光よ!」


 エルザの魔法が、全員の体力を瞬時に回復させた。


「白銀の翼の皆さん、反撃に移りますよ! ぼんやりしないでください!」


 フィンが魔導書を高く掲げた。


「古代の重圧グラビティ!」


 フィンの魔法だ。


 アルラウネ・クイーンの動きが重くなり、巨大な花びらが地面に叩きつけられた。


「今だ、ライラ! フォルダム!」


 俺の呼びかけに、ライラが弾丸のように飛び出した。


「遅れないでよ、エリートのフォルダム!」


「言われなくてもわかっている!」


 フォルダムもプライドを捨てて、ライラと共に魔物の中心部へと斬り込んだ。


 剣と魔法が交差し、森の中に爆発が起こる。


 俺は「魔力譲渡」を使い、戦っている二人に絶え間なくエネルギーを送り続けた。


「俺が魔力を送ります」


「おおおっ、力が溢れてくるぞ!」


 フォルダムの剣が、これまで以上の輝きを放った。


 俺たちの絆に、一時的に彼らも組み込まれたんだ。


 アルラウネ・クイーンは断末魔の叫びを上げ、消滅した。


「討伐したぞ!」


「フォルダムたちの力が大きかった」


「ライラ、君の力だよ」


「私だけじゃない。コウイチ達の絆だ。絆の力が倒したのさ」


「絆か」


 戦闘が終わり、森に静寂が戻った。


 俺はホッとしたな。


 一時はヤバいなと思った。


 今日も絆が発揮された。


 本当に絆の力だな。


 あんなに不気味だった木々も、今はただの静かな植物に戻っている。


 フォルダムは剣を鞘に収め、しばらく黙っていた。


 そして、ゆっくりと俺の方を向き、深く頭を下げた。


「済まなかった。僕が間違っていたよ」


「えっ? フォルダムが謝るなんて」


 白銀の翼の仲間たちが驚いて声を上げた。


「君たちの力は本物だ。個人の強さだけじゃない、互いを信じ、補い合う」


「それは大事だ」


「それこそが、冒険者に必要な本当の強さだったんだ。教えられた気がする、コウイチ達に」


 フォルダムの言葉には、もう嫌味な響きは一切なかった。


 最初にギルドで会った時は嫌味だった。


 森で危機を乗り越えたことで、理解しあえたと思う。


「気づいてくれたならいいよ。俺も一人じゃここまで来れなかったからな」


 俺が手を差し出すと、フォルダムはそれを力強く握り返した。


「あわわわ! 仲直りですね! これで美味しいお弁当が食べられます!」


 フィンが空気を読まずにお弁当を広げ始め、みんなが吹き出した。


「ここで!」


「食べてるし!」


「この森はギルド長マリアンヌが言っていたように、魔王軍の影響を受けていた」


「はい、マリアンヌさんに報告しましょう。とりあえず大きな魔力は減少しましたし」


「最初は僕たちだけで森に遠征予定だった。マリアンヌが危険なのでコウイチ達も追加すると言った。僕は反対した。必要ないと言った。しかしマリアンヌが正しかった」


「きっとマリアンヌさんは、強力な魔物がいると予想していたのでしょう」


「コウイチ達がいなければ、僕らでは死んでいたに違いない」


「ありがとうコウイチ」


「よろしくなライラ、エルザ、フィン」


「よろしくです」


「いったん王都に帰るとする」


「はい」


 俺たちは合同任務の報告書を作成し、並んで王都へと帰還した。


 帰りは行きと違い、信頼関係があった。


 



 王都に到着。


 門をくぐる時、フォルダムがボソッと言った。


「コウイチ。四天王カースとの戦い、僕たちも戦わせてくれ」


「え? いいのか?」


「ああ。君たちが全力を出せるように、雑魚の相手は僕たちが引き受けるよ」


 心強い味方が増えた。


 エリートだった彼らが、今は本当の戦友に見えた。


 ギルドに戻ると、マリアンヌさんがニヤニヤしながら待っていた。


「帰りましたマリアンヌさん」


「どうだった? エリート様とのピクニックは」


「最高のチームワークでしたよ、ギルド長」


 俺の言葉に、フォルダムも照れくさそうに頷いた。


「ピクニックはとても危険なピクニックだった。マリアンヌの忠告通りにコウイチたちが参加してくれたから助かった」


「そう。それなら良かったわ。いよいよ、カースが動き出すわよ」


「森は危険度は低くなりました」


「ますますカースの影響が強くなっている。むたどこかでカースの力で危険になる。頼むぞコウイチ」


「はい」


 マリアンヌさんの言葉に、俺たちの顔が引き締まった。


 依頼分の報酬はもらえた。




 宿屋に帰り、俺たちは食事を楽しんだ。


「コウイチ。このパーティーに入って、本当に良かったわ」


 ライラがしみじみと言った。


「私もです。コウイチさんが、私たちを繋いでくれました」


 エルザが優しく微笑む。


「私は、あわわ! スープにパイが沈没しましたー!」


「フィン、最後までそれかよ」


 いつもの光景。でも、これが俺の守りたい日常だ。


「Aランクになったからには、もっと危険な依頼がくる」


「心していこう」


「うん、絆があれば乗り越えられます」


 異世界でAランク冒険者になった。


 そして世界を滅ぼそうとする四天王と戦う時も近いか。


 人生って、何が起きるか本当にわからない。


「よし、風呂に入ろう」


「うん、疲れたし、入浴します!」


 入浴するとなった。


 ライラたちは入浴するので、裸になったようだ。


 俺は見ないようにし、別々に入浴する。


 入浴は気持ち良かった。


 生き返った感じ。


 俺たちはそれぞれの部屋に戻り、静かに眠りについた。

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