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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: おーちゃん


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26話

 キングオークを倒した後の草原には、静かだな。


 俺たちは一息つくと、地面に転がっている大きな体を見上げた。


「さて、こいつらをこのままにしておくのはもったいないな」


 俺が言うと、ライラが腰のナイフを抜いた。


「そうね! 素材の回収と解体を始めましょう!」


 冒険者にとって、倒した魔物は宝の山だ。


 しかもオークは貴重だろうしな。


 特にキングオークの皮や牙は、高い値段で売れるはずだ。


 俺は「空間把握」を使って、一番効率の良い解体手順を確認した。


「ライラ、その牙の付け根を狙ってくれ。綺麗に取れるはずだ」


「了解! よいしょっと!」


 ライラが器用に大きな牙を切り離していく。


 エルザとフィンも手伝ってくれた。


「この皮は防具の材料になりますね」


 エルザが丁寧に皮を剥いでいく。


 フィンはというと、大きな魔石を見つけて大喜びしていた。


「コウイチさん! 見てください、こんなに綺麗な魔石が取れました!」


 フィンが魔石を掲げた瞬間、ぬるっと手が滑った。


「あわわわ! 魔石が、魔石がああ!」


 魔石はコロコロと転がり、シロの鼻先に当たって止まった。


「わふん?」


 シロが不思議そうな顔をしている。


「フィン、本当にドジだなあ」


 俺は笑いながら魔石を拾い、アイテムボックスに仕舞った。


 ライラから肉の話をしてくれ、


「よし、次は肉だ! オークの肉は美味いぞ」


「どの部位が美味しいかライラが切ってくれ」


「任せてよね」


 ライラは一番質の良さそうなもも肉を切り出した。


 肉に関してはライラは詳しいな。


 お任せしよう。


「いいわね! せっかく新しい装備を試して、お腹もペコペコだわ!」


 ライラが期待に目を輝かせている。


「エルザ、火の魔法をお願いできるか?」


「はい! お任せください、コウイチさん!」


 エルザが平らな石をいくつか集めて、簡易的なコンロを作った。


 そこに俺が切り分けた厚切りのステーキ肉を並べる。


「火球よ、優しく包み込んで。弱火でじっくり!」


 エルザの新しい杖から、細かく制御された炎が噴き出した。


 火はエルザは得意だから、火加減はエルザに。


 ジューッ!


 肉が焼ける最高の音が草原に響く。


 香ばしい匂いが辺りに漂い始めた。


 完全にアウトドアみたいだな。


 日本ではアウトドア派ではなかった。


 今はアウトドア気分を楽しんでるのは不思議だな。


「うわあ。これ、絶対においしいやつですよ!」


 フィンがよだれを垂らしそうな顔で肉を見つめている。


「焦るなよ。中までちゃんと火を通さないとな」


 ライラは塩とスパイスをパラパラと振りかけた。


 表面がカリッと焼き上がり、脂が滴っている。


「よし、食べていいぞ!」


 ライラの合図で、みんな一斉に肉にかぶりついた。


「んんんーっ! 柔らかい!」


 ライラが頬を抑えて叫んだ。


「噛むたびに肉汁が溢れてきます! 幸せです!」


 エルザも目を細めて味わっている。


 俺も一口食べて驚いた。


 肉感がハンパないぞ!


「うまっ! 牛肉よりもコクがあって、でも全然くどくない」


 フィンは熱々の肉を口に放り込み、ハフハフしていた。


「あふ、あふ! おひひいれふ! べろが、べろが溶けちゃいそうです!」


「落ち着いて食べろってば」


 俺は笑いながら、シロとプニにも肉を分けてあげた。


 シロは尻尾を激しく振りながら、一心不乱に食べている。


 プニも体を震わせて、肉を飲み込んでいた。


「ブラック企業の昼休みなんて、五分でカップ麺だったのにな」


 俺は青空を見上げながら呟いた。


 「またその悲しい話? もう、今はこんなに美味しいものがあるんだから忘れなさいよ」


 ライラが笑って俺の背中を叩いた。


「そうですね。これからは毎日、美味しいものを食べましょう!」


 エルザの言葉に、俺は強く頷いた。


 お腹がいっぱいになったところで、俺たちは残りの素材をまとめた。


 キングオークの巨体から取れた素材は、かなりの量だ。


 普通なら馬車が必要だけど、俺の「アイテムボックス」なら一瞬だ。


「よし、王都のギルドに戻ろう。みんなを驚かせてやるぞ」


 かなりの金額になればいいな。


 期待していいっぽい。


 王都の門をくぐり、俺たちはギルドへ入った。


「あ、あの新人たちだ」


「朝から出かけてたみたいだけど、何か収穫あったのか?」


 周りの冒険者たちがヒソヒソと話している。


 ギルドでのトラブルがあってからは、俺たちは注目があるのが伝わる。


 注目されるのは楽しい。


 俺たちは真っ直ぐ受付カウンターへ向かった。


「お帰りなさいませ、コウイチ様。仕事の成果はいかがでしたか?」


 受付の女性が丁寧に出迎えてくれた。


「ええ、少しばかり素材を持ってきました」


 俺はアイテムボックスを開き、次々と素材を取り出した。


 ドサッ! ドサッ! ドサッ!


「ひえっ!?」


 受付の女性が声を上げた。


 カウンターの上に、キングオークの巨大な牙と、最高級の皮が積み上がる。


 さらに、拳ほどの大きさがある輝く魔石を置いた。


 これなら換金できるでしょ。


「こ、これはキングオーク!? まさか、一日で倒してきたのですか?」


 女性の声がギルド中に響き渡った。


 酒場で飲んでいた冒険者たちが、一斉に立ち上がってこちらを見た。


「嘘だろ!? キングオークって、Bランク以上のパーティーが五組がかりでやる相手だぞ!」


「それをあの四人だけで。しかも傷一つないじゃないか!」


 ギルドの中が大きな騒ぎになった。


 俺達は、やらかしたのかな。



 思った以上に反応している。



 怖がられている空気になったな。


「ほらね、言ったでしょ! 私たちは遊撃パーティーなんだから!」


 フィンが誇らしげに胸を張った。


 その拍子に、彼女はカウンターの角に膝をぶつけた。


「あいたたた! でも、これくらいの代償は安いです!」


 フィンが涙目で笑うので、みんなもつられて笑ってしまった。


「すぐに査定いたします! 少々お待ちください!」


 受付の女性が慌てて奥へ走っていった。


 しばらくして、彼女が大きな革袋を持って戻ってきた。


 中には金貨がぎっしりと詰まっている。


「素材の換金、合計で金貨百枚です! 素晴らしい成果です!」


「百枚!? ボーナスどころの騒ぎじゃないわね!」


 ライラが目を丸くして金貨の山を見つめた。


「これで新しい魔法の薬もたくさん買えます!」


 エルザも大喜びだ。


 俺は金貨の袋を手に取って、仲間に言った。


 重い。ズッシリと手に感じる重み。


 いい仕事をした評価だから重くても嬉しい。


「よし、今夜はもっと豪華なパーティーだ! パーッと行くぞ!」


「「「おー!!!」」」


 俺たちの元気な声が、王都のギルドに響き渡った。


 俺の新しい人生は、想像していたよりもずっと最高だ。

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