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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: おーちゃん


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25話

 王都の朝は、とても活気にあふれている。



 俺たちは大きな門へと向かった。



 太陽の光が、新しく買った俺の剣に反射してキラリと光る。



 どんな剣か楽しみだな。



「ねえコウイチ、早くこの剣を試したいわ!」



 ライラが腰のミスリル剣を叩きながら言った。



 彼女はさっきから、我慢できないという顔をしている。



 戦闘好きなライラは俺よりも楽しみなようだ。



「そんなに焦るなよ、ライラ。魔物は逃げないからさ」

 

 俺は苦笑いしながら答えた。



「でも、せっかくギルドから支援金をもらったんですもの」



「最高の状態で初仕事をこなしたいですよね、コウイチさん!」



 エルザが新しい聖なる杖を握りしめて言った。



 その杖の先には、綺麗な宝石が埋め込まれている。



 魔法使いっぽくていいな。風格がある。



「私も! 私はこのブレスレットの真の力を解放したいです!」



 フィンが腕を突き上げて叫んだ。



 その瞬間、彼女は石畳のわずかな段差に足を取られた。



「あわわわっ! どっせーい!」



 フィンは派手に転んで、顔から地面に突っ込んだ。



「フィン、大丈夫か?」



 俺は溜息をつきながら、彼女を助け起こした。



「だ、大丈夫です。今のは地面の硬さを調査しただけですから!」



 フィンは鼻の頭を赤くしながら、メガネをクイッと直した。



 ライラが呆れたようにする。



「調査って。あんた、王都のど真ん中で何やってるのよ」



 シロが「ワン」と情けない声で鳴いた。



 プニは俺の肩の上で、ぷるぷると震えて笑っているみたいだ。



 門を抜ける。



「始まりの草原です」



「広いな」



「王都の周辺には魔物がいると聞いています。さあ、探しましょう」



 どこまでも続く緑。



 風が吹くと、草が波のように揺れる。



「綺麗だなあ。ブラック企業のオフィスとは大違いだ」



「またその変な名前の場所の話? 相当ひどいところだったのね」



 ライラが不思議そうな顔をした。



「ああ、地獄みたいな場所だったよ。でも今は、こんなにいい仲間がいる」



 俺が言うと、みんなが照れくさそうに笑った。



「空間把握、起動」



 俺は得たスキルを使って、草原の様子を探った。



 頭の中に、立体の地図が浮かび上がる。



 魔物の反応あり。



 王都にも魔物はかなりいるようだ。



「見つけた。前方五百メートル。オークの群れだ」




「オークか、少し手強い相手ね」



 ライラが不敵な笑みを浮かべた。



「ちょうどいいわ。新しいミスリル剣の試し斬りにはぴったりよ!」



 俺たちは草むらに隠れながら、ゆっくりと近づいた。



 オークは全部で八体。多いな。



 どれも身長が二メートルくらいある豚の魔物だ。



 まさに異世界の魔物って感じ。



 手には太い棍棒や、錆びた斧を持っている。



「よし、作戦を伝える。ライラは右側から三体を。エルザは左側を魔法で。俺は真ん中の三体を引き受ける」



「私は? 私は何をすればいいですか!」



 フィンがやる気満々で聞いてきた。



「フィンは後ろで待機して、隙があったら援護してくれ。無理はするなよ」



「了解です! このフィンの秘技、とくとご覧あれ!」



「行くぞ!」



 俺の合図で、みんなが一斉に飛び出した。



 みんなヤル気は満々だな。俺も負けていられない。



「俊足!」



 ライラが風のような速さでオークの懐に飛び込んだ。



 銀色の閃光が走る。



「せいやっ!」



 ミスリル剣が、オークの硬い皮膚をバターのように切り裂く。



 違う! ライラの攻撃は今までと全く違うな。



「すごい! この剣、全然手応えがないわ!」



 ライラは止まらず、次のオークの足を斬りつけた。



 エルザはどうかな。



「火球よ、燃え上がれ!」



 エルザが聖なる杖を使う。



 杖の宝石が真っ赤に光り、巨大な火の玉が放たれた。



 ドォォォン!



 オークの一体が爆炎に包まれて吹き飛ぶ。



 凄い!



「威力が前の倍以上あります! この杖、本当にすごいです!」



 エルザも自分の成長に驚いている。



 俺も負けてはいられない。



「剛力!」



 俺は魔導鋼の剣を握りしめ、正面のオークに向かった。



 オークが重い棍棒を振り下ろしてくる。



 こんな棒で殴られたら即死だろう。



「空間把握」で軌道は完璧に見えている。



 俺は一歩だけ横に避けて、剣を真横に振る。



 キィィィン!



 剣が魔力に反応して、青白い光を放った。



 オークの棍棒ごと、その太い胴体を一刀両断する。



 ハンパないぞ!



「すごいな、この剣。俺の魔力と完全に同期してる」



 俺は自分の腕に伝わる確かな手応えを感じた。



 順調だ。



 このままいけば、すぐに片付く。



 そう思った瞬間、背後から嫌な音がした。



「あわわわわ! コウイチさん、助けてくださーい!」



 フィンの悲鳴だ。



 振り返ると、そこには目を疑う光景があった。



 フィンの足元に、巨大な穴が開いている。



 いや、それは穴じゃなかった。



 草原の下に潜んでいた、超巨大な何かの巣の入り口だった。



 フィンがドジを踏んで、隠されていた罠を自分で踏み抜いてしまったのだ。



「グォォォォォ!」



「あれは何?」



 なにか出てきたぞ。



「魔物が出てきます。キングオークだぞ!」



「キングオーク! 大きい!」



「ヤバいな! フィンが」



 穴の中から、通常の三倍はあろうかという巨体が出てきた。



 キングオークらしい。



 その手には、巨大な鉄のハンマーが握られている。



「フィン! 逃げろ!」



 俺は叫んだが、フィンは腰を抜かして動けなくなっている。



 キングオークが鉄のハンマーを高く振り上げた。



「死なせはしないわ!」



 ライラが助けに向かおうとしたが、残りのオーク三体に足止めを食らっている。



「火魔法! 間に合って!」



 エルザが魔法を放とうとするが、キングオークの動きの方が速い。



「魔力譲渡! フィン、それを使え!」



 俺は叫びながら、フィンに自分の魔力を一気に送り込んだ。



 フィンの腕にあるブレスレットが、黄金色の光を放つ。



「えっ? あ、体が勝手に! 古代の守護よ、我を護れ!」



 フィンが無意識に呪文を唱えた。



 ブレスレットから強力な障壁が展開される。



 ガギィィィン!



 キングオークのハンマーが障壁に弾かれた。



「た、助かりました」



 フィンがヘナヘナとその場に座り込む。



 良かった、壁がフィンを守ったか。



 だが、キングオークは怒り狂って、さらにハンマーを振り回す。



 厄介な魔物だな。



 倒すのに苦労する。



「まだ終わってないぞ! みんな、俺に力を貸してくれ!」



 俺は「絆結び」を全開にした。



 仲間たち全員と魔力のパスが繋がる。



「絆の共鳴!」



 ライラの速さ、エルザの熱量、フィンの古代魔力。



 すべての力が、俺の魔導鋼の剣に集まってくる。



 剣が真っ白な光を放ち、周囲の空気が震えた。



「これが、俺たちの新しい力だ!」



 俺は「俊足」でキングオークの懐に潜り込んだ。



 相手は巨体ゆえに、懐の動きには対応できない。



「光輝・絆連斬!」



 光の刃が、キングオークの体を何度も駆け抜けた。



 最後の一撃を、全力で振り抜く。



「剛炎一閃、極!」



 ドシュゥゥゥン!



 どうだ?



 切った感触はあったぞ。



 巨大な火柱と共に、キングオークの巨体が真っ二つに裂けた。



 黒い霧となって消えていくキングオークを見届け、俺は剣を収めた。



 討伐できたな。



「はぁ、はぁ。なんとかなったか」



 俺はその場に膝をついた。



「コウイチ! 大丈夫?」



 ライラたちが駆け寄ってきた。



「ああ。魔力を一気に使いすぎただけだ。でも、いい試し斬りになったな」



「ごめんなさい。私のせいでピンチにしてしまって」



 フィンが申し訳なさそうに頭を下げた。



「何言ってるのよ。最後はフィンの障壁があったから、コウイチが攻撃に集中できたんじゃない」



 ライラが優しくフィンの肩を叩いた。



「そうです。フィンのブレスレットの力、凄かったですよ!」



 エルザも微笑んだ。



「ああ。フィンのおかげで勝てたんだ。ありがとうな」



 俺が言うと、フィンは顔を真っ赤にして照れた。



 確かにフィンのおかげもあるな。



 珍しく反省しているフィン。



「えへへ。そうですか? やっぱり私は天才考古学者ですからね!」



 さっきまでの落ち込みが嘘のように、フィンが胸を張った。



「あわわっ! また足が!」



 フィンが誇らしげに一歩踏み出した瞬間、また自分の足で転ぶ。



 今度はシロの背中の上にダイブした。



「きゃうんっ!」



「あははは! フィン、本当に飽きないわね!」



「新武器を購入して良かった」



「うん、古い剣だともっも苦戦したぞ」



「私の杖も最高です」



 草原に、俺たちの笑い声が響き渡った。



 新装備はどれも最高だったな。



 そして、それを使う俺たちの絆も、前よりずっと強くなっている。



 これなら、どんな強い魔王軍が来ても負ける気はしないな。



 俺は確かな自信を感じていた。



「よし、今日は豪華な夕食にするぞ!」



「やったー! ステーキ! ステーキが食べたいです!」


「私は冷たいジュースがいいわ」



 賑やかな会話を楽しむ。


 明日からも、きっと楽しい冒険が待っている。

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