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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: 奥野ミズオミ


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20話


 遺跡を出てから二日が過ぎた。



 王都まではもう少し時間がかかるようだ。



 俺たちのパーティーに新しい仲間が増えエルフの女の子、フィンだ。



 彼女は考古学者で、ものすごく頭がいいはず。


 考古学者と言えば誰でもなれるものではないと思う。



 勉強も相当にやってきているはずだし、遺跡や歴史の知識も豊富な人がなる。



 頼りにしたいな。



 でも、一つだけ大きな問題があった。



 彼女は、とんでもない「ドジっ子」だったんだ。



 フィン、何もないところで転ぶことがある。



「あわわわ! コウイチさん、待ってください!」



 後ろからフィンの叫び声が聞こえた。



 振り返ると、フィンが地面にダイブしていた。



 道は平坦だよな。石ころ一つ落ちていないのに。



「フィン、大丈夫か?」



 俺は駆け寄って手を貸した。



「は、はい。地面が急に私を呼び止めた気がして」



 フィンはメガネを直しながら立ち上がった。



 膝には泥がついている。



「地面は喋らないわよ。フィン、ちゃんと前を見て歩きなさい」



 ライラが呆れたように言った。ライラもため息。



「見てます! ちゃんと見てますよ! あ、あそこに珍しいキノコが」



 フィンが指を差した瞬間、自分の足に引っかかってまた転んだ。



「またやったわね」



 エルザが苦笑いしている。



 シロも「わん」と情けない声を出した。



 シロからも笑われている風だな。



 罠を見つけて、自分ではまる。



 そんな考古学者なのがフィン。



 森の小道を進んでいる時のことだ。



 フィンがいきなり立ち止まった。



「止まってください! 罠の気配を感じます!」

 

 彼女のスキル「罠感知」が反応したみたいだ。



 俺は身構えた。注意する。



「どこだ? 敵の待ち伏せか?」



「いえ、あそこの茂みの下です。巧妙に隠されていますが、私の目は誤魔化せません!」



 フィンは得意げに胸を張った。



 そして、その罠を確認しようと一歩踏み出した。



 小さな敵かも知れない。



「あ」



 スカッ、という音がした。フィンの体が宙に浮く。



 次の瞬間、彼女は逆さ吊りになっていた。



「助けてくださーい! 自分で見つけた罠にかかっちゃいましたー!」



 フィンが足をバタバタさせて叫ぶ。



 俺たちは一斉にずっこけた。何してんだよ!



「あんた、自分で言った直後にそれはないでしょう」



 ライラが溜息をつきながら、ナイフで縄を切った。



 フィンは地面に頭から落ちた。



「痛たた。おかしいですね、計算では三歩手前で止まるはずだったのですが」



「フィンさん、計算より先に足が動いちゃうんですね」



「エルフ族はみんなフィンみたいなのかな?」



「違います。エルフ族は誇り高い種族です。ちょっと失敗しただけですからご心配なさらずに」



「いやいや心配するよ」



「こっちが大変だぞ」



 エルザが優しく泥を払ってあげている。



 プニも心配そうにフィンの周りを跳ねていた。






 お昼休みにする。休憩も大事である。



 エルザがスープを作ってくれている。



 フィンも手伝おうと張り切っていた。



「私にお任せください! エルフ特製のスパイスを入れますね!」



 フィンがカバンから小瓶を取り出した。



 でも、蓋が固くて開かないらしい。



「ふんぬぬぬ! 開け! 開いてください!」



 フィンが顔を真っ赤にして踏ん張る。



 その時、ポンッ! と勢いよく蓋が飛んだ。



「あ!!」



 中身の粉が、全部自分の顔にかかった。



 あちゃー、ドジだな。



 まあ、俺も何度かやった経験はあるから、笑えないが。



「は、はくちゅん! くしゅん! は、鼻が、鼻がああ!」



 フィンはくしゃみを連発しながら走り回った。



 勢い余って、スープの鍋に突っ込みそうになる。



「危ないわね! フィン、座ってなさい!」



 ライラがフィンの襟首を掴んで止めた。



 フィンの顔はスパイスで真っ黄色だ。



「コウイチさん、水、水をください」



 フィンが涙目で訴えてくる。



 水を彼女の顔にかけた。



「ぷはっ! 助かりました。死ぬかと思いました」



「ただのスパイスで死なないでくれよ」



 俺は笑いながら言った。



 フィンがいると、旅がちっとも退屈しないのは良いことかもな。





 午後の移動中、また事件が起きた。



「あれ? あれれ? メガネがありません!」



 フィンが顔を青くして騒ぎ始めた。



 どうやら、さっき転んだ時に落としたらしい。



 目が悪いみたいだな。



「メガネがないと、私、何も見えないんです! 景色が全部マッシュポテトみたいです!」



「マッシュポテトって。ほら、みんなで探すぞ」



 俺たちは来た道を引き返してメガネを探した。



 すると、シロが何かを見つけて吠えた。



「わんわん!」



 シロどうした?



 何かフィンに訴えているみたいだ。



 シロの足元に、キラリと光るものがあった。



 もしかしてメガネかな?



「何かシロが吠えているよ、フィン」



「おお! シロ、それは私のメガネです。ありがとうございます!」



 フィンは感激してシロに抱きつこうとした。



 でも、目が見えないせいで距離感がわからなかったらしい。



 彼女が抱きついたのは、シロではなく太い木の幹だった。



「大好きですよ、シロさーん!」



「フィン、それは木だぞ」



 ライラがツッコミを入れる。



 エルザはお腹を抱えて笑っている。



「えへへ。なんだか今日のシロさんは、すごく固いですね」



 フィンは鼻を赤くしながら、ようやくメガネをかけた。



「メガネがないとだめなのだな」



「はい、勉強し過ぎたのです」



「考古学者になるのも大変なのね。私も魔法使うので、魔法の本は読みます」



「おお、エルザとは気が合います。今度一緒に勉強しましょう」



「いいですよ。でもメガネは忘れないでね」







「あれ、これは石か。文字があるぞ」



「本当だ、文字です。フィンなら分かるのでは?」



 偶然だがライラが古い石碑を見つけた。



 フィンはすぐに駆け寄った。



「これは! 王都へ続く隠し通路の案内板です!」



 さっきまでのドジが嘘みたいに、彼女の目が鋭くなった。



 考古学が好きなのは本当であるな。



 「古代文字解読」のスキルだろうな。



「ここをこうして、この文字を右に回すと」



 フィンが石碑の一部を動かした。



 すると、目の前の崖が割れて、新しい道が現れた。



「すごいや、フィン! さすが考古学者だな」



 俺は素直に感心した。マジで凄いよな。



 フィンは鼻を高くして笑った。



「ふふん! 知識だけは一流なんですよ! あわわっ!」



 自慢した直後、つまづいて俺の胸に飛び込んできた。



「やっぱり、ドジだな」



「うう、すみません。でも、コウイチさんの胸、あったかいです」



 フィンは顔を赤くして離れた。



 ライラがニヤニヤしながら俺たちを見ている。



「コウイチ、モテモテね」



「やめてくれよ、ライラ」



 俺は苦笑いしながら、ステータスを確認した。



 彼女との絆のおかげで、俺のスキルもさらに充実している。



コウイチのステータス

【ステータス】

名前: コウイチ

年齢: 20歳

レベル: 30

スキル:

* 『絆結び(コネクション)』Lv.MAX

* 『剛力』(ライラ):筋肉モリモリ、力持ち。

* 『俊足』(ライラ):めちゃくちゃ速く走れる。

* 『火魔法(初級)』(エルザ):指先から火が出る。

* 『魔力感知』(エルザ):魔物の気配がわかる。

* 『液体化』(プニ):体を水みたいにできる。

* 『毒耐性』(プニ):毒を食べても平気。

* 『嗅覚強化』(シロ):鼻がすごく良くなる。

* 『夜目』(シロ):暗いところでも見える。

* 『胞子散布』(マッシュモン):眠り薬や回復の粉をまく。

* 『自然同化』(マッシュモン):景色に隠れる。

* 『魔力自動回復』(ダンジョンコア):魔力が勝手にたまる。

* 『空間把握』(ダンジョンコア):周りの形が全部わかる。

* 『魔力譲渡』(ダンジョンコア):仲間に魔力をあげる。

* 『古代文字解読(NEW)』(フィン):昔の難しい字が読める。

* 『罠感知(NEW)』(フィン):罠があるのがわかる(でも本人はかかる)。

* 『魔力節約(NEW)』(フィン):魔法をちょっとの魔力で使える。

複合スキル:

* 『剛炎一閃ごうえんいっせん』:火のついたパンチを打つ。

* 『絆の共鳴レゾナンス・バースト』:みんなの力を合わせてパワーアップする。

* 『光輝・絆連斬コネクト・スラッシュ』:光り輝く剣で切り刻む。





「よし、この隠し通路を通れば、もうすぐ王都の門が見えるはずだ」



 ライラの言葉に、みんなが盛り上がった。



「王都に着いたら、まずはお風呂に入りたいた」



「私は美味しいお菓子が食べたいです!」



「私は図書館へ行きたいです! あ、あと新しいメガネも買わないと」



 フィンが恥ずかしそうに言った。



「わかった。全部やろう。俺たちは仲間だからな」



 俺が言うと、みんな笑顔になった。



 ドジで危なっかしいけれど、彼女はもう大切な仲間の一員だ。



「コウイチさん! 私、一生ついていきますよ!」



 フィンが駆け寄ってこようとした。



 そして、案の定、何もないところで派手に転んだ。



「やっぱり、王都に着くまで目が離せないな」



 俺たちは笑いながら、新しい道へと進んでいった。



 ブラック企業の時にはなかった、賑やかで楽しい毎日。



 王都での生活は、もっともっと楽しくなりそうだ。



 俺は仲間の背中を見ながら楽しくなる。



「待ってくださいよー! 置いていかないでくださーい!」

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