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ブラック企業の社畜だった俺は、転生したらスキル無限獲得になった ~底辺人生からチートになって、最強に成り上がる~  作者: 奥野ミズオミ


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13話

 ライラがフォレストエイプたちを鮮やかに退治した。



 辺りには静寂が戻っている。

 ライラがエイプを退治し、森で休憩した。



 ご飯も食べて、また出発したい。シロは「ワン!」と誇らしげに鳴いた。



 この森はエイプがナワバリのようにしていたっぽいな。



 この森を通る人にも役にたったかもな。



 そんな時だった。ガサガサと、周囲の茂みが揺れた。



「まだ残党がいるのか!?」



 俺はすぐに警戒態勢に入った。エイプかな?



「魔力感知」を広げる。エイプとは違うかな。



 でも、伝わってくる反応はとても微弱だった。



 攻撃的なトゲトゲした感じが全くない。



 茂みからひょこりと顔を出したのは、奇妙な生き物だった。



 足が生えたキノコだ。カラフルな傘を持っていて、小さな瞳がある。



 そのキノコが一体、二体と増えていく。



 あっという間に、俺たちの周りは数十体のキノコ魔物に囲まれた。



 ヤバいかな?



「ヤバいぞ!」



「キノコの魔物? マッシュモンかしら」



 ライラが剣に手をかけながら呟いた。



「敵なの? 攻撃してくるかな教えてライラ」



 俺は緊張して身構えた。小さいとはいえ油断は禁物だ。



「火魔法の準備をしますか?」



 エルザが杖を構える。森なので魔法は静止させる。



 でも、キノコたちは襲ってくる気配がなかった。



 一番大きな赤い傘のキノコが、トコトコとライラの前に歩み寄った。



 そして、深々と頭を下げた。



「えっ?」



 ライラが目を丸くする。



 他のキノコたちも、一斉にライラに向かってお辞儀を始めた。



 まるで王様にお辞儀するみたいだな。



 これって敵対てはない、ライラにお礼をしている感じするな。



「もしかして、お礼を言ってるのか?」



 俺の言葉に、キノコたちは一斉にピョコピョコと跳ねた。



 どうやら正解らしい。



「そっか。あんたたち、あの猿にこき使われてたのね」



 ライラが納得したように言った。



 フォレストエイプは賢い魔物だ。



 自分たちより弱いキノコたちを支配して、食料を集めさせていたのかもしれない。



 キノコたちはライラの足元に集まり、すり寄っている。



「あはは、くすぐったいわね」



 ライラが困ったように笑った。



 その光景を見て、俺の心も和んだ。



 魔物にも、感謝の気持ちがあるんだな。



 言葉は話せなくても、伝わってくるものがある。



 一体の青い傘のキノコが、今度は俺の方へ歩いてきた。



 じーっと俺を見上げている。



「俺にも用があるのか?」



 俺は膝をついて、キノコと同じ目線になった。



 キノコは短い手を伸ばして、俺の指を握った。



 その手はひんやりとしていて、少し湿っていた。



 不思議と嫌な感じはしない。



 その瞬間、俺の中に温かい感情が流れ込んできた。



「助けてくれてありがとう」



「これからは自由に暮らせる」



 キノコと言葉で会話はできない。



 そんな純粋な喜びの気持ちが伝わった。



 俺は思わず微笑んでしまう。



「よかったな。もうあのエイプたちはいない。自分たちの好きなように生きろよ」



 俺が優しく言うと、キノコは嬉しそうにプルプル震えた。



 その時だ。俺の胸の奥が熱くなった。



 視界が真っ白な光に包まれるこの感覚。



 「絆結び」が発動したんだ。



――スキル『絆結び(コネクション)』が発動しました。

――対象:マッシュモン一族との絆が成立しました。

――集団との絆により、特殊なスキルを獲得します。

――スキル『胞子散布スポア・スプレー』を獲得しました。

――スキル『自然同化ナチュラル・カモフラージュ』を獲得しました。




 やった! スキルを獲得したぞ。



 頭の中にアナウンスが響く。



 なんと、一族まとめて絆になったらしい。こんなことも絆はできるのか。



 俺の体が、森の緑と一体化するような不思議な感覚に包まれた。



「また光ったわね! コウイチ、今度はマッシュモンと絆を結んだの?」



 ライラが驚きながら聞いてきた。



「絆が生まれたな。マッシュモンの純粋な気持ちが伝わってきたんだ」



 マッシュモンたちは満足そうに一通りダンスを披露すると、再び茂みへと戻っていった。



 彼らはこの森の住人みたいだ。



 俺たちについてくるのではなく、自分たちの故郷を守ることにしたんだろう。


「森に帰って行っちゃった。私らと一緒には来ないみたいね」



「うん、森の住人なのよマッシュモンは」



「元気でなー!」



 俺は大きく手を振った。



 マッシュモンたちも傘を揺らして応えてくれた。



 森が再び静かになった。



 でも、さっきまでの不気味な雰囲気はもうない。



 どこか優しくて、穏やかな空気に変わっている。



「仲間が増えるって、いいな」



 俺は呟いた。一緒には行けなくても、世界のどこかに繋がっている友人がいる。



 それは、俺にとって大きな力になる。



 今の自分の状態を確認することにした。



「ステータス、オープン」



 目の前にウィンドウが浮かび上がる。





【ステータス】

名前:コウイチ

年齢:20歳

レベル:15

HP:850 / 850

MP:600 / 600

スキル:

・『絆結び(コネクション)』Lv.MAX

・『剛力』(ライラより獲得):物理攻撃力と筋力を大幅に強化

・『俊足』(ライラより獲得):移動速度と反応速度を大幅に強化

・『火魔法(初級)』(エルザより獲得):小さな火球を放つ

・『魔力感知』(エルザより獲得):周囲の魔力の流れを把握する

・『液体化』(プニより獲得):体を液体に変えて物理攻撃を無効化、狭い場所を通る

・『毒耐性』(プニより獲得):あらゆる毒のダメージを軽減

・『嗅覚強化』(シロより獲得):匂いで敵の位置や状態を把握する

・『夜目』(シロより獲得):暗闇でも昼間のように見える

・『剛炎一閃ごうえんいっせん』:剛力と火魔法と液体化の複合スキル

・『胞子散布(NEW)』(マッシュモンより獲得):麻痺、眠り、回復などの効果を持つ胞子を周囲に撒く

・『自然同化(NEW)』(マッシュモンより獲得):気配を消し、周囲の風景に溶け込む






「うわ、スキルの欄がどんどん埋まっていくな」



 俺は苦笑いした。



 新しく手に入れた『胞子散布』は、状況に合わせて色々な使い方ができそうだ。



 『自然同化』も、隠密行動には最適だろう。



 ブラック企業の時は、自分の強みなんて一つも言えなかった。



 でも今は、こんなにたくさんの「できること」がある。



 ちなみにレベルが上がっているみたいな感じもある。



「どうしたの、コウイチ。自分の強さが上がっている?」



 ライラがからかうように言った。



「皆のおかげで、ここまで来られたんだなって思ってたんだ。レベルが上がっているのかな」



「上がるでしょう。ここまで大量に魔物を討伐したし、コウイチのレベルは確実に上がっているはずよ」



「コウイチは自分で思っている以上に強いランクになっているかも短期間で」



「自分がこの世界のどの位置のレベルなのか興味はあるな」



「ふーん。まあ、これからも頼りにしてるわよ。Bランク冒険者さん」



 ライラはそう言うと、歩き出した。



「コウイチさん、早く行きましょう! 王都のご飯が待っています!」



 エルザも元気よく後に続く。



 シロが「ワン!」と鳴いて俺の顔を舐めた。



 プニもポケットの中で嬉しそうに跳ねている。



 俺はウィンドウを閉じた。



 数字やスキルの名前に頼るだけじゃない。



 この絆そのものが、俺の本当のチートなんだ。



 俺は力強く一歩を踏み出した。



 王都までは、あともう少しだ。



 そこにはどんな出会いが待っているのだろう。



 期待と少しの不安。



 でも、今の俺にはそれを楽しめる余裕があった。



 俺たちの旅は、まだまだ続いていく。



 絆を結ぶたびに、世界は広がっていくんだ。



「待ってくれよ、二人とも!」



 新しいスキルを試す機会も、きっとすぐにやってくるだろう。頑張ろな。

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