↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春分岐点が増えていく  作者: こむぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/117

彼女は大事に大切に!

花火も終盤に差し掛かった頃。


みんなが夜空を見上げる中、ヒロキがふと口を開いた。


「でもさ、あっきー」


「ん?」


「高校とかだと俺らいないから、キレちゃダメだよ?」


「収拾つかなくなるから」


「「「お前が言うな!!」」」


男全員から一斉にツッコミが飛ぶ。


ヒロキは笑いながら、


「いや、でも実際そうじゃね?」


と続ける。


「でも、止めたの俺らじゃねえからな」


たかちゃんが言う。


「……え?」


ヒロキが驚く。


たかちゃんが伊織を見る。


それにつられて、男たちも一斉に伊織を見る。


伊織は突然みんなに見られて、きょとんとする。


ヒロキも伊織を見る。


「……伊織ちゃん?」


伊織は何も言わない。


ヒロキは少し驚いた顔をして、


「……そっか」


と呟く。


そしてすぐに笑った。


「あっきー、高校でも止めてくれる子いるなら、どんだけでもキレていいぞ!」


「お前、さっきと言ってること違うだろ!」


男たちが笑う。


そんな中、たかちゃんがふと伊織と月姫を見る。


「でもさ」


「二人とも、男見る目あるよな」


「……え?」


伊織が振り向く。


「お、男の見る目?」


「え!? 何が?」


伊織は必死にとぼける。


その隣で、月姫は晃星をちらっと見て、ふっと笑った。


「……そうでしょ?」


「おお、認めるんだ」


たかちゃんが笑う。


「だって、見る目あると思ってるもん」


月姫は涼しい顔で答える。


「月姫ちゃん、間違ってたらごめんなんだけどさ」


「今まで色んな奴に言い寄られたりで上辺とか見た目だけで告白してくる奴わかっちゃうでしょ?」


ヒロキが笑う。


月姫は驚いた。


事実、自分に言い寄ってくるのは何か下心感じる男子ばかりだったから。


「……うん」


ヒロキは続ける。


「まだそんな感情じゃないかもだけど、見る目あるって言われて頭に浮かんだ男は俺達が胸張っていい奴だって言える男だから大丈夫」


「伊織ちゃんは、多分、本能でそういうのわかる子って感じだから自信持っていいと思うわ」


楽しそうに笑って話す。


すると、あやちゃんがヒロキを指差した。


「私は違うよ?」


「ん?」


「私なんて、これだよ?」


「俺!?」


ヒロキが嫌な予感を覚える。


「浮気するわ」


「……」


ヒロキが黙る。


「連絡ないわ」


「……それは、こいつらと一緒とか?」


「そのくせ体だけ求めるわ」


「ちょっと待て!!」


ヒロキが慌てて声を上げる。


「そん時はお前も盛り上がってんじゃん!!」


その言葉から、男3人と晃星は、それぞれ勝手に想像してしまう。


「おい! お前ら、あやちゃんのそういう姿想像すんなよ!」


ヒロキが慌てて牽制する。


その中で、伊織は晃星の顔をじーっと見る。


「……あっきー」


「ん?」


「スケベ」


「…………へ?な、何が!?」


晃星は誤魔化す。


「ふーん……」


伊織は納得していない。


その隣で、月姫は微笑みながら晃星を見る。


「あっくん」


「……ん?」


「えっちだね」


「……えぇ!?」


晃星は視線を逸らす。


月姫は微笑んだまま、目だけが冷たい。


「ふふっ」


その時、ヒロキが伊織と月姫を見る。


「あっきーって、こういうの弱そうだろ?」


「……え?」


伊織の顔が一気に赤くなる。


「だから、色仕掛けとかしたらイチコロで落とせるよ」


「そ、そんなんじゃない!」


伊織が必死に否定する。


「私、そんなことしないから!」


その隣で、月姫は晃星をちらっと見る。


「……そうか」


「ん?」


「あっくんも、それには弱いか」


「月姫?」


晃星が振り向く。


月姫は笑顔のまま、


「ふふっ。意外だね?」


と嫌味っぽく返す。


「いや、だから……」


晃星は困ったように笑う。


その時だった。


雅人のスマホが震えた。


画面を見ると、彼女の結衣からメッセージが届いていた。


結衣:来週の岐阜の花火、連れてってくれるなら許してあげるけど?


雅人は画面を見て、少しだけ笑う。


今日一日、あっきーと伊織、月姫を見てきた。


三人のやり取りを見ているうちに、雅人はふと結衣のことを思い出していた。


「……まあ、仕方ねえか」


雅人は返信する。


雅人:分かった。来週、一緒に花火行こう。


雅人:ごめん。俺も結衣と花火見たい。


すぐに既読がつく。


結衣:ほんと?


雅人:ほんと。


結衣:じゃあ許す


雅人はスマホを伏せる。


「仲直りした?」


たかちゃんが聞く。


「うん」


雅人は笑う。


「今日、あっきーたち見ててさ。なんか、昔の気持ち思い出したわ」


「へえ」


「来週、結衣と花火行ってくる」


「長良川花火は大変だな」


男たちが笑う。


その時――


雅人のスマホが、また震えた。


「ん?」


画面を見る。


結衣:で、あっきーくんと伊織、月姫どっちが付き合ってんの?


「…………」


雅人が固まる。


「どうした?」


ヒロキが覗き込む。


雅人は無言で画面を見せる。


伊織と月姫も、そのメッセージを見る。


「……え?」


伊織の顔が一気に赤くなる。


月姫も目を丸くする。


そして二人は顔を見合わせた。


「……結衣ちゃん」


「何を気になってんの!?」


伊織は慌てて、


「ち、違うから!」


と否定する。


月姫はそんな伊織を見て、ふっと笑う。


「さぁ?」


「月姫!」


伊織が慌てる。


月姫は楽しそうに笑う。


その瞬間――


夜空いっぱいに、最後の花火が打ち上がった。


「うわぁ!」


「すげえ!」


「綺麗!」


みんなが一斉に空を見上げる。


笑い声が重なる。


伊織も月姫も笑い、晃星も笑う。


雅人もスマホをポケットにしまい、空を見上げた。


最後の大輪が夜空いっぱいに広がる。


その光に照らされながら、みんなが笑っている。


今日は色々あったけどこの花火の様ないい思い出になればいいとそう思った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。