怨嗟の味
スキル成長
戦闘で成功したスキルの練度が上がりました。
シャドウ・ステップ: 60 → 65
クロノ・スラッシュ: 60 → 65
「エリン・フェルディナンド……。あなたの身体、少しばかり華奢すぎますね。これでは、私の復讐劇の第一幕で壊れてしまいそうです」
【応急処置】
ダイスロール: (41)
判定: 成功
「……これくらいの痛み、以前の死の苦痛に比べれば、ただのささやき声のようなものですが。それでも、備えは必要ですね」
あなたは青白い魔力の光を掌に宿し、無理に酷使した筋肉と神経をなだめるように治癒させました。荒かった呼吸が整い、エリンの身体に再び活力が戻ります。
街道への移動
廃都の境界を抜け、開けた街道へと出ました。
霧は晴れ、月光が泥濘んだ道を照らしています。遠くから、重厚な馬車の車輪が石を踏みしめる音が聞こえてきました。
辺境伯の馬車です。
随伴する騎士たちの松明の明かりが、闇の中にいくつもの星のように連なっています。
あなたは街道脇の茂みに隠れています。護衛の騎士は合計で4名、馬車の中に辺境伯が乗っているはずです。真正面からの突撃は自殺行為でしょう。
辺境伯の馬車がゆっくりと近づいてきます。騎士たちの足音と、金属の擦れる音が闇夜に響いています。
「……あの中に、私のすべてを奪った男がいる。死臭のする椅子にふんぞり返り、さぞかし心地よい夢を見ているのでしょうね」
独り言を吐き捨て、あなたは暗闇の中で深く息を吸い込みました。エリンの身体が、影と同化するように静まり返ります。
【シャドウ・ステップ(成功率65)】
ダイスロール: (28)
判定: 成功
あなたは闇の衣を纏ったかのように、気配を完全に殺して馬車の列へと滑り込みました。松明を持つ騎士たちの視線を紙一重でかわし、車輪の転がる音に紛れて馬車の後方へと肉薄します。
騎士の一人が「……おい、風が鳴ったか?」と疑わしげに後ろを振り返りましたが、そこには揺れる夜の帳があるだけです。
あなたは瞬時に跳躍し、音もなく馬車の屋根へと着地しました。足裏に伝わる振動から、重厚な造りであることがわかります。中は高級なビロードで装飾されているのでしょう。
あなたは屋根の天窓のわずかな隙間にナイフを差し込み、慎重に内部の様子を伺います。
煌びやかな室内には、肥え太った中年男性――辺境伯が、護衛の騎士を一人同伴させてワインを飲んでいます。馬車の外にも3名の護衛が馬で並走しています。
馬車の屋根という不安定な足場の上で、あなたは魔力を杖ではなく、指先に集中させます。天窓の隙間から見える、高笑いを浮かべる辺境伯の横顔。あの日の惨劇、切り裂かれた視界、消えゆく家族の影が脳裏をよぎります。
「……随分と良い赤ですね、そのワイン。ですが、その喉を通るのは、私の怨嗟の味ですよ」
あなたは冷たく独り言をこぼすと、アーク・レイを至近距離から放ちました。狙いは、辺境伯の傍らに立つ護衛の騎士です。
アーク・レイ(成功率60)
ダイスロール: (54)
判定: 成功
天窓を突き破った純白の光線が、内部の騎士の胸を正確に貫きました。騎士は声も上げずに崩れ落ち、ワイングラスが床に叩きつけられて粉々に砕けます。
「な、なんだ!? 何事だ!」
辺境伯が椅子から転げ落ち、恐怖に顔を歪めます。内部の騎士が倒れたことで、馬車内に防衛の穴が開きました。しかし、外を並走していた護衛3名が異常を察知し、即座に馬車を止めようと手綱を引いています。
馬車が急ブレーキで激しく揺れ、あなたは屋根から振り落とされそうになりました。




