表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放騎士と銃装ゴブリン傭兵団  〜聖女とはじめる辺境の永世中立国〜  作者: ふろんちあ
宿場町の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/75

第七十三話 春の到来

「ホッホラントも雪解けか……春が来たな」


4ヶ月の長い冬が終わり、春の訪れとともに石橋も完成した。


モンフェランの谷を跨ぐ、ギリギリ馬車が通れるくらいの細い石橋。これによって今後は聖地グランベリーとの交易も可能となった。


まずはカルデロ商隊が2便、食糧と酒、ポーションを買付けに動く。そしてフーガ商隊が2便、食糧と果実酒をアルゴス・シュタットに卸す。


商隊護送用に魔導馬車を追加するが、ゴブリンを乗せた馬車は石橋を越えない。イセリア様の別荘予定地を拠点とし、見張りと商隊の帰路を待つ。


そして、採掘地点へのロープウェイ建設も着工した。


「約束の資金だ。準備はできているな?」


契約金500金貨(ディナール)を採掘ギルドに即金で差し出す。


「はい、鉄筋もロープも準備は出来ています。現地に運び設置していくだけなので、3ヶ月もあれば完成できます」


「採掘もそれからか?」


「そうですね。採掘員は別ですが下準備も必要ですから。採掘は完成月から即可能です」


「わかった。ロープウェイ拠点に雪崩が起きないようにだけ注意してくれ」


「承知しております」


柘榴石採掘地点は将来的に第3ゲレンデとなるため、伐採は最小限に留める必要がある。


そして、ヴォルフと共に石橋を確認に行くと、継続して関所を建設するフランツの石工ギルドと川浚いをする村人集団の姿があった。


「……あれはクレール・モンフェランの住人か」


「はい、彼らは川の権利を主張しており、ゴブリンを立ち入らせるなと警告を発しております」


「まぁ元々川下の住人だ。川の権利ぐらいはくれてやろう。ただし石橋から先は許すな、そこから先は明確にフーガ家の支配地だ」


「柘榴石はよろしいので?」


「川に夢中ならその方が安心だ。せいぜい潜らせておけば良い。睨みだけは効かせておけ」


「承知致しました」


バカ正直に村人を睨み始めるヴォルフに、村人はびくつきながら川をさらっていた。


――


「よし、ホッホラント側は任せてオレ達は開墾を始めるとしよう!」


「はい、最初の難民さんたちもそろそろ市民ですもんね!」


彼らが村を捨てて、あるいは村に捨てられて来て約一年……もう帝国も存在を忘れている事だろう。


ライラと共に開墾地へ向かう。


「で……どうだろう。芋以外に育てられそうか?」


難民代表のハンス君に尋ねる。皆ハンスを名乗ってるが、彼は本当にハンスだ。


「そうですね……この地は水はけが良すぎて水源が遠いのが難点です。当面は一期作で芋と豆、貯水池ができれば大麦とライ麦……あとは家畜用に牧草とてん菜、将来的には果樹園の拡大が理想かと」


「ふむ。二期作の輪作は難しいか?」


「それにはもっと肥料と灌漑が必要です。本格的な農地にするなら、レマナ湖に降りた方が良いと思います」


「わかった。いずれ湖畔の開拓が必要ということだな。今季は一期作の収穫量優先で頼む。てん菜の砂糖も魅力だが、今は食えるほうが大事だ」


「わかりました」


まだ難民の彼らを壁外で作業させるわけにはいかない。湖畔は来年だな。


「ところで貯水池ってどうやって作ればいいんだ?」


穴掘りぐらいならゴブリンにできるが、池となると穴だけでは難しいだろうな。


「この時期は雪解け水があちこち流れてますから、それを堰き止めてふみ硬め、堀に流すと良いかと。雨水も貯まりますから何箇所も作ればそれなりには持つと思います」


「よし、それは任せておけ」


これで山ゴブリンと子ゴブリンの仕事ができた。


今季のゴブリンの配属は……一番隊〜四番隊約100匹を傭兵として運用。


山ゴブリン100匹をバロンに任せホッホラントの開拓。


残ったゴブリンと小ゴブリンを貯水池と開墾作業。


メス……フェブリンは街の保安と育児っと。


「ヴィクトル様、ゴブリンのクルが足りません。ヤクール族がいるうちに増やしましょう」


ライラから上がるさらなる要望。


「また主砦の大部屋が溢れたか……何軒くらいだ?」


「毎月10匹は増えるので、今のうちに10軒は欲しいです……」


「うーむ。流石にヤクール族から不満がでそうだな」


開墾で草原も削ってるし、もう少し彼らにも対価が必要だろう。


――


「と言うわけで、クルの依頼をしたいのだが、なにかこちらに求めるものはないか?」


ヤクール族が求めるものが分からないので、単刀直入にユールに尋ねることにした。


「いつも対価貰ってます。草原減るは困りますが……新しくモンフェランの草原も使いますから大丈夫です」


「まぁいつも世話になってるからな、こちらもなにか返したいんだがどうだろう?」


「そうですよユールさん! 遠慮しないで!」


「……私たち、お金稼ぐの難しい。でもアルゴス・シュタット出来てとても生活豊かになりました。不満ありません。ただ――」


少し言い淀んでから、ユールが続ける。


「族長達、上の者は生活の変化に少し戸惑っています。ゴブリンとの共生、街との交流、遊牧の暮らし変わってきてます」


「ふむ……昔ながらの暮らしとの差か……」


「それでも私、赤鷲との縁、大事にしたい思います。もし望めるのであれば……」


珍しくユールが頬を赤らめて、言葉を紡いだ。


「私に良き縁談……いただけませんか?」


若きヤクール族長の息子、ユールは照れながらもハッキリと告げた。


――ライラの帳簿(現金) 四の月(四年目)


【現金収入】

乗合馬車(25往復×12席)

カルデロ便 乗車率5割 =600ソル

ジュナイブ便 乗車率3割 =360ソル

◆小計 960ソル


宿 約300人 =300ソル

入湯料 約200人 =200ソル

人頭税 320人 =320ソル


◆計 1780ソル ≒178ダリヴル


【現金出費】

ゴブリン小遣い(230匹)

 230×1ドニ×30日=6900ドニ÷12=575ソル≒58ダリヴル

教会税(15%)≒27ダリヴル


臨時出費

 クル10軒 5ダリヴル×10=50ダリヴル

 ロープウェイ建設 500金(250金フーガ家)=300ダリヴル


◆計 435ダリヴル


◆収支 178-435 =▲257ダリヴル

◆累積現金残高 486-257 =229ダリヴル


――フーガの帳簿(預金) 四の月(四年目)


【収入】

ジュナイブ商隊

往復通行料(4隊×4輌) 320ソル

傭兵料(1ダラス18銀×8日) 144ソル

◆小計 464ソル


カルデロ商隊

往復通行料(4隊×4輌) 320ソル

傭兵料(1ダラス18銀×8日) 144ソル

◆小計 464ソル


フーガ商隊

往復通行料(4隊×4輌) 320ソル

傭兵料(半ダラス12銀×8日) 96ソル

◆小計 416ソル


家賃

複合住宅Ⅰ 55戸 =550ソル

複合住宅Ⅱ 16戸 =160ソル

職人街    6戸 =180ソル

冒険者ギルド   =100ソル

◆小計 990ソル


◆合計 2334ソル ≒233ダリヴル


【出費】

食費(ゴブリン430、難民50)

※卸値六割・食費高騰(1人1ドニ/日)

日常食費(480人×1.5ソル) 720ソル

備蓄積み立て(15日分)

 480人×0.75ソル =360ソル

◆食費合計 1080ソル≒108ダリヴル


人件費

アクアライナ 90ソル

ヴォルフ   60ソル

フェルディナ 60ソル

ゴッズ    30ソル

ブランドル  60ソル

鍛冶師ギルド 100ソル

警ら隊    60ソル

◆人件費合計 460ソル


建築費

複合住宅Ⅱ 石材加工費 240ソル

      建築費 360ソル

◆建築費 600ソル


教会税(収入の15%) ≒350ソル≒35ダリヴル



◆合計 2490ソル ≒249ダリヴル


◆収支 233-249 =▲16ダリヴル赤字

◆預金残高 136-16 =120ダリヴル


トータル収支

▲257-16=▲273ダリヴル赤字


残高

現金229ダリヴル

預金120ダリヴル

合計残高349ダリヴル


★備蓄(30日→45日)

★クル10軒追加

★ホッホラント便停止

★カルデロ便・フーガ商隊増強

★複合住宅Ⅱ 16戸入居・1/3

★食費高騰!


食費が一気に二倍になって大赤字!

でも現金はあるから大丈夫……かな?

食料自給率上げないとやばいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ