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追放騎士と銃装ゴブリン傭兵団  〜聖女とはじめる辺境の永世中立国〜  作者: ふろんちあ
宿場町の章

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第四十七話 偽金と両替

「なんか、屋台が増えたな」


パン、肉、魚、ミルク、乾燥豆の量り売り、塩漬けや酢漬けの野菜、乾燥果実……。


「食い物ばっかりだ」


ゴブリンと建築業者が入り乱れるアルゴス・シュタットは、空前の屋台ブームが起きていた。


「職人さんもメスゴブリンも、いっぱい食べますからね」


袋詰めの乾燥果実を頬張りながらライラが言う。


「メス達の教育に小遣いを与えてみたが、想像以上だな。食費は減ってるか?」


「それが……むしろ増えてるというか、最近よく食べる子が多いです」


「確かに……ガードももう完全にホブゴブリンだしな。まぁ増えた食費をメスが買い物で賄えばちょうど良かろう」


「メスが80人ぐらいだから、1日1ゼニで10ダリヴルぐらいですね」


「キィーーー!」


「……なんだ?」


屋台で叫ぶメスゴブリンの声、ヴィクトルが様子を見に近づく。


「だから、これはゼニ! ドニじゃないの!」


「キィ! キィ!」


「貰える量がいつもより少なくて怒ってるのか。主人すまなかったな、彼女らは区別がつかんのだ」


そっと屋台に銅貨を差し出すヴィクトル。


「へぇ……まぁよくある事なんで」


主人はそれを受け取り、追加の串とゼニをヴィクトルに渡す。


「銅貨袋にゼニが混じってしまってたんでしょうか?」


「いや……これは、偽銅貨だ」


ゼニを無理やり溶かして、ドニの刻印を記した質の悪い偽銅貨。


「少し、両替屋に相談しよう」


ヴィクトルは串焼きをメスゴブリンに与え、商館へと向かった。


――


「偽銅貨ですか……確かに増えています。恐らくカルデロからの流出品でしょう。こちらでは両替もお断りしています」


「悪貨の駆逐は可能だろうか?」


「あえて買取して集めることもできますが、余計に持ち込まれる可能性もあります」


「難しいな……人でも見間違う金をゴブリンが見極められるか」


ヴィクトルが悩んでいると、両替屋は片眼鏡を拭き、掛け直した。


「……ゴブリンの使う銅貨とゼニを、一括で新銅貨に両替しましょうか?」


「いいのか? 千枚ぐらいあるぞ」


「もちろん手間賃はいただきます。対価は両替に混ざった偽銅貨。全てこちらで溶かします。いかがですか?」


「わかった、それでいい。今後も銅貨を仕入れるときはここに来るとしよう」


「はい、今後ともフーガ商会をご贔屓に」


片眼鏡の両替屋は目を伏せてヴィクトルらを見送った。


――


「両替屋ってのは思ってたより便利なもんだな」


「そうですね。宝飾品の買取もしてくれるし、手形決済もしてくれるし」


「……ついでに宝物庫の金、預かって貰えないかな」


「数えるの、手間ですもんねぇ……」


「給料も手形みたいに両替屋に任せれば、細かい計算いらなくなるんじゃないか?」


「でも手数料がもったいなくないですか?」


「間違いが無くなり、こちらの手間が無くなる。むしろ人を雇うより安いぐらいだ。フーガに相談してみよう」


――


「ふむ……アムズフェルト家の金貨と商取引の売上を預かり、こちらで支払うと」


「うむ。フーガ商会の金庫なら安心だと思ってな」


「……条件が一つ。このアルゴス・シュタットの商会では流動資金が不足しております。お預かりした資金、フーガの取引に使わせていただいても?」


「うむ。必要な時に用意できればそれでいい」


「良いでしょう、アムズフェルトの金庫番。このジェイコプ・フーガにお任せください」


この契約により、関税、通行料、取引税、家賃はフーガ商会が預かることとなった。


そしてそこから食料の仕入、人件費、建設等はダリヴル計算の手形決済とした。


それはフーガ商会が近代的な銀行へと進化する、最初の取引であった。


――ライラの帳簿 十一の月


現金収入

乗合馬車 2ソル

全7往復(12席✕2回)=168席

砦―カルデロ往復

乗車率6割=100席

 =200ソル

砦―ジュナイブ往復

乗車率4割=67 席

 =134ソル

小計334ソル


宿1ソル

約200人


入湯料1ソル

約150人


計684ソル

合計約68ダリヴル


現金出費

ゴブリンへのお小遣い 10ダリヴル

雑費 9ダリヴル


68-19=49


現金黒字 49ダリヴル

入湯料の計算も始めたのに……簡単!?


――フーガ商会帳簿


ジュナイブ商隊 小計464ソル

通行料10ソル

2往復(4隊✕4輌)

 =320ソル

傭兵料 1ダラス18ソル

8日=144ソル


フーガ商隊 小計208ソル

通行料10ソル

2往復(2隊✕4輌)

 =160ソル

傭兵料 半ダラス12ソル

4日=48ソル 


家賃10戸 100ソル


合計772ソル


――


出費

食費370人 一日16ソル(185ドニ(370ゼニ))※市場価格

16ソル✕30日

 =480ソル

 ※卸値5割240ソル

 ※備蓄15日240ソル

 ※累積備蓄食料60日分


人件費3ソル×30日

 =90ソル

弾薬費3ソル✕12日

 =36ソル

小計126ソル


建材費

石材加工費 240ソル


合計826ソル


収支

772-826

 =▲54ソル


預金

先月残金……126ダリヴル

未勘定現金……14ダリヴル

買上貴重品……10金貨相当120ダリヴル


預金260ダリヴル


預金残高254.6ダリヴル


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