君の愛は、美しかった
ユリアンは困っていた。
人好きのする容姿に加えて伯爵家嫡男にして財務省職員というエリートの彼は、年頃の女性たちからは垂涎の的。陰では『元本保証』とまで呼ばれ、つきまとい行為すら受けているほどだ。
母にしつこく「お相手を見つけなさい」と言われるも、仕事が軌道に乗り始めた矢先。女性への不信感も相まって気が進まない。
だが仕方なく参加した夜会で最後に踊った黒髪で灰色の瞳の令嬢は、目立たぬ色ながらも、どこか他の女性と違い輝いて見えた。
別の夜会にて再会した時、
「あなたに会いに来ましたの。
わたしの王子様」
そう言って微笑む彼女の手を、再びユリアンは取ったのだった。
どこか夢見がちでふわふわとした印象を受ける彼女は、子爵家の長女オティーリエ。騎士に嫁ぐため教育された女性だった。
2人は文通を始め、その静かな交流を通して彼女がとても思慮深く賢い女性であると知り、ユリアンは次第に彼女に惹かれて行く。
いただいたファンアート置き場(挿絵が苦手な方は飛ばしてください)
2020/02/05 15:34
第一夜 何気ない朝の光景
2019/04/18 15:00
(改)
第二夜 「お誘いくださりありがとう」
2019/04/18 17:35
(改)
第三夜 「踊っていただけますか、お嬢さん」
2019/04/18 22:08
(改)
第四夜 ラストダンスは、
2019/04/19 14:29
(改)
第五夜 「おまえは賢いが、ときどき馬鹿だな」
2019/04/20 20:37
(改)
第六夜 「ほんと、あなたへなちょこですわ!」
2019/04/21 18:52
(改)
第七夜 「存じ上げています」「ご存じないはずよ」
2019/04/25 17:31
(改)
第八夜 「あんまり、気にすんじゃないぞ、ユリアン」
2019/04/30 22:46
(改)
第九夜 「あなたに会いに来ましたの」
2019/05/07 20:04
(改)
第十夜 「あなたはどなたなの、王子様?」
2019/05/27 00:41
(改)
第十一夜 もう、十分だ。
2019/06/03 21:23
(改)
第十二夜 懐かしそうに目を細めて微笑む父の表情は、
2019/06/15 10:59
(改)
第十三夜 「やっとわかるか、胸臆の花が!」
2019/06/19 17:55
(改)
第十四夜 「良い日にしましょう、次代様」
2019/07/01 19:34
(改)
第十五夜 どんなに胸が暗く疼いても。
2019/07/10 12:15
(改)
第十六夜 「お迎えしようか」
2019/07/27 23:50
(改)
第十七夜 「君と話がしてみたかったよ、赤髪の王子様」
2019/09/25 21:24
(改)
第十八夜 これから始まる未来がどんなものであろうと、今この時の幸せを以って乗り越えられると。
2019/11/11 23:40
(改)
第十九夜 その時はまだ、そんな明日が来ることを疑っていなかったから。
2019/11/27 19:24
(改)
第二十夜 花嫁は笑った。
2019/11/29 01:27
(改)
第二十一夜 「一緒に来ていただきたい」
2019/11/29 16:00
(改)
第二十二夜 Niklaus Ober
2019/11/30 18:09
(改)
第二十三夜 数日前の騒ぎが嘘のような、何気ない穏やかな朝だった。
2019/12/02 17:00
(改)
第二十四夜 少しだけ冷たいその指先を、
2019/12/03 18:53
(改)
第二十五夜 それきり落ちる沈黙に、掛ける言葉が見つからなくて、
2019/12/04 16:12
(改)
第二十六夜 「どうして、こんなことに……」
2019/12/05 16:28
(改)
第二十七夜 自分にできることはなにか、と。
2019/12/06 18:03
(改)
第二十八夜 笑顔の抑制が効かなかった。
2019/12/06 20:45
(改)
第二十九夜 心の底から強く。
2019/12/10 18:59
(改)
第三十夜 きっと同じように、彼女は笑ってくれる。
2019/12/12 16:09
(改)
第三十一夜 いつかの声が響いたように思えた。
2019/12/20 19:46
(改)
第三十二夜 「予定より早いけれど……二人の衣装が揃ったら、結婚しないか」
2019/12/22 16:36
(改)
第三十三夜 Herzlichen Glückwunsch!
2019/12/25 13:25
(改)
第三十四夜 「私はあなたの元に参りました」
2019/12/26 14:04
(改)
第三十五夜 「ねえ、お父様、わたし、花嫁衣装でここに来るわ」
2019/12/26 20:14
(改)
第三十六夜 「二人の未来が輝かしいものであるように」
2019/12/27 07:00
(改)
第三十七夜 どうかこの熱を冷まして欲しい、とその雪に願った。
2019/12/28 19:49
(改)
第三十八夜 Genau!
2019/12/30 17:28
(改)
第三十九夜 Jawohl!
2019/12/31 12:03
(改)
第四十夜 聞き慣れない異国の言葉を聞いたようだった。
2020/01/01 21:35
(改)
第四十一夜 嘆きの声すら発せられなかった。
2020/01/02 17:43
(改)
第四十二夜 「事例として上げるってひとこと言えば、動かないものでも動くでしょ」
2020/01/04 16:37
(改)
第四十三夜 「いただいたお花の、香りを知ることもできないのだもの」
2020/01/12 18:45
(改)
第四十四夜 『あなたの望まれる通りに』
2020/01/13 20:06
(改)
第四十五夜 やはりそうなのか、という気持ちと、何故、というやるせなさと。
2020/03/03 17:30
(改)
第四十六夜 「平等とは、かくも難しい」
2020/03/21 19:15
(改)
第四十七夜 「君の一年が美しくありますように」
2020/04/05 15:29
(改)
第四十八夜 「私には、その勇気がない」
2020/04/06 19:00
(改)
第四十九夜 「わたくしどもは、あの子のことを愛していました! 愛していました! 愛していました!」
2020/04/13 15:10
(改)
第五十夜 「それは、お父様の疑惑を晴らす手段になり得ますか」
2020/04/15 20:30
(改)
第五十一夜 「伯爵! 耳寄り情報ですよ!」
2020/04/18 23:30
(改)
第五十二夜 「わたしはね、あなたがいればどうにかなるんじゃないかと思っているんですよ、たとえ時間がかかってもね」
2020/05/18 19:45
(改)
第五十三夜 「ええ、それだけです」
2020/09/26 13:30
(改)
第五十四夜 悲しいことが多すぎて、記すべき言葉がない。
2021/08/31 11:38
第五十五夜 まだ肌寒い初夏だった。
2021/10/16 17:39
第五十六夜 「君みたいに、ユリアン」
2021/10/24 18:30
第五十七夜 「ありがとう、ユリアン。ありがとう」
2021/12/25 19:36
(改)
第五十八夜 それは優しくて残酷な言葉だ。
2021/12/30 22:55
(改)
第五十九夜 「ご懐妊です」
2022/01/31 20:10
(改)
最終夜
2022/01/31 21:08