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閑話3  雪山こぼれ話

※活動報告を更新しました。

※多人数一人称視点です。

★雪山合宿にて


■ミーシャ視点


「やっほーーーーーーーー!」

「ウェーーーーイ!」

「待って欲しいんだなーーーーー!」

「ひゃっほーーーーーー!」


 雪山合宿も二日目、丸一日の自由時間の途中。

 キーナを先頭に、何人かの生徒達が雪の斜面にゆるやかな曲線を描きながら、すごい速さで滑っていくのにゃ。


「やつらめ、もうコツを掴んでるのにゃね……」


 むぅ、ニャーも負けてられないのにゃ!

 がんばって練習するにゃよ!


「よっ……ほっ……む? にょわーーーー!?」


――ズテーン!


 あいたたた……姿勢を保つのが大変にゃね……。

 キーナ達は使い始めたばかりなのに上手くてびっくりにゃよ。


「ミーシャはどう? 乗りこなせそう?」

「なんとかいけそうにゃよ」


 気持ちだけは。


「そっか」

「ん。それにしてもこの”すけぼー”? はすごいにゃね」

「僕も初めて作ったけど、雪山がこんなに楽しくなるとは思わなかったよね」

「キーナの発想にはいつも驚かさせられるにゃ」


 この”すけぼー”は、朝ごはんを食べてた時に教えてもらって、皆で作ったものなのにゃ。

 ソリなんかよりも、”雪山で遊ぶにはこれがいい”んだそうにゃ。


「ところでイオラ、にゃーの練習を手伝ってほしいのにゃ」

「はは、いいぜー!」


 練習の甲斐あって、暫くして乗りこなせるようになったにゃよ。


「わっほー! こぶでくるくる回るとたのしいのにゃー!」

「お! なにそれどうやったの?」

「こうして……こうにゃ!」

「おおお~」


 なんちって調子に乗ってたら、盛大にすっ転んで大変な目にあったのは、皆には内緒にして欲しいにゃよ?




◇




「いやー、楽しかったー!」

「”すのぼー”は雪山じゃないと出来ないのが惜しいとこだなぁ」

「ほんとそれだ」

「雪山なんて、個人ではなかなか来れないだろうからねぇ」

「行事でもなければ、来たいとは思わないのよ」

「……遊ぶだけなら楽しいの」


 そんなことを言ってた時にゃ。


「あ、雪のないところや、水のあるとこでも似たようなこと出来たり……するわよ?」

「そうなの?」

「ええ、帰ったらやってみましょうか」

「いいねぇ!」



 ほわー。

 キーナには、まだ色々な発想があるみたいにゃね……。




■ディアドラ視点




「ワフワフッ……ハッハッ……」

「シルバさんまってー!」


 久しぶりの雪山に、シルバさんは大興奮の様子で……。


「一回止まってー! あれー!? 聞こえてないー!?」


 だめです、野生の血が騒いでしまったみたい。


「おーい! とまってー! あっ、ちょっ……」


 え、何をしているのかって?

 それは、キーナ達が”すけぼー”で遊んでいる間、シルバさんと遊んでいたんだけど……。



◇



「そうだ、シルバさんソリ引いてみない?」

「ワフッ?」


 さっきまで雪にまみれて転がっていたシルバさんを、もふもふしていたあたしは、ふと、小屋に置いてあったソリを見て思いついたのです。

 雪山でソリといえば、ってね。


「あれですあれ、あたしがあれに乗るので、あの紐でひっぱって走るのですよ!」

「クフッ……バウッ!」


 どうやら理解してもらえたみたいですね!


「じゃあこうやって、取付具で……よしできた」

「ワフッ?」

「じゃあ、合図したら適当に走り回ってもらっていい?」

「バウッ!」


「よし、じゃあ発進だー!」

「ワオーンッ!」


――ザッ……ザザーッ


 快調に滑りだしましたっ!


「おー! はやーい!」

「ワッフ!」




◇




 とまあそんな感じで走り出したのはいいんだけど、どうしようかこれ?

 あ、そうだ。


「シルバさん気づいて! ――<衝撃砲(ショックカノン)> っ!」


――パァン!

――――ドサドサドサッ


「キャンッ!」


――ザザーッ


「よかった、やっと止まった]


 シルバの前方にあった木に強めの衝撃を与えて雪を落とし、驚いたシルバが止まりました。

 おかげで牽引紐が緩み、停止装置が効き、ようやくソリを停めることに成功しました。

 


「……ワフッ?」


 シルバはきょろきょろと周囲を見回しています、我に返ったみたいですねぇ。


「落ち着いた? じゃあ、さっきの場所まで戻ろっか!」

「ワフッ………………ワフ?」

「ん? どしたの?」

「……ワフン」


 まさか……。


「もしかして、帰り道がわからない、とか?」

「……キュウン」

「ありゃまあ、どうしましょう?」


 こういう時はどうするんだったっけ?


「そうだ、ソリの跡を辿っていけばいいんじゃないか! ほら、あれ!」

「ワフ……ワフッ!」


 あたしが指をさす方向に、盛大に雪が飛び散った跡が残ってました。


「というわけで戻ろうか。あ、ゆっくりでいいからね?」

「ワフ!」



 その後、無事に合流出来ましたとさ。

 めでたしめでた――




「ディアドラはあとで反省会だからね?」

「そんなー!」


 ――し、とはならないみたいです。


 ……まぁ、ずいぶん心配させてたみたいですし、仕方ないですね。

 とほほ。

 



■シルバ視点


 やまだー! あさだー! ゆきだー!


 このかんじ、なんだかわくわくするよね。


 さぁ! ごしゅじんさま! はやく! はしりまわろうよ!


 ん? ごしゅじんさま、そのいたはなんです?


 じー……、おお、かたほうがまがった!


 ごしゅじんさまー まだー?


 え? しばらくぼくだけであそんでてほしいの?


 うーん……わかったよ。


 じゃあ、ふかふかのゆきのほうにいこーっと。


――ぼふっ


 わっふーーーーーーーーー!


――ザッザッザッ……


 ゆきのうえでごろごろたのしい~~。




◇


 ……ふぅ。


 まんぞくしたので、こやのしたできゅうけいしようっと。


 あ、ごしゅじんさまは、すけぼー? とかいうのってあそんでるみたいです。


 ぼくもやってみたいなぁ。


 …………うん、なあに?


 ああ、そりをひっぱってほしいの?


 いいよ、まかせて!



◇



 あはははは! これ! たのしい!


 せなかにのせてはしるのとは、だいぶちがって、ふしぎなたのしさがあるよ!


 あっちへぐーん! こっちへぐーん!


 わっほーーーーーい!




◇



――パァン!

――――ドサドサドサッ


 はっ!?


 ぼくはいったい……?


 あー、そりをひっぱってたんだっけ?


 ごめんごめん。


 そうだね、もどろうか。


 あれ?


 …………どっちに?


 ……おお。


 なるほど!


 よーし、はりきって――


 え、ゆっくりでいいの?


 うーん、わかった。




◇




 あ、ごしゅじんさまー!


 そり! たのしかったよそり!


 ごしゅじんさまがなでてくれながら、ちゅういしてくれる。


 はーい。


 こんどはごしゅじんさまをそりでひっぱりたいなぁ。




■メルティ視点




「よっ……ほっ……」


 私は、”すけぼー”遊びには加わらず、雪球を作っている。


「メルティー! このくらいでいいかなー?」

「ん、良いと思うのよ!」


 エミリオが、私のより大きめの雪球を作ってこっちに転がす。


「じゃあ、そっちのやつ乗せようか」

「ん」


 小さい雪球を大きい雪球に乗せます。

 大きさはガルザと同じぐらいになりました。


「あとは……こうして」

「良い枝があったのよ」


 エミリオが手にしていた石を焦がして、目の部分にはめ込み、私が取ってきた枯れ枝を手のように差し込みました。


「雪だるまの完成~」

「なかなかの出来なのよ!」


 一年生の冬、キーナが作っているのを見て以来、皆に広がった雪だるま。

 暇つぶしにもちょうどいい遊びです。


「よし、もう一体作って並べよう」

「賛成なのよ」


 さっきのよりも一回り小さい雪だるまを作って、横に並べました。

 小さいほうが、大きい方にもたれかかるような感じで。


「恋人の雪だるま、だね」

「私達と一緒なのよ」


 私とエミリオは、雪だるま同じ格好になり、しばし語り合ったのでした。

ブックマーク有難うございますm(__)m

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