10 ご飯は大事
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入学式を終えたキーナ達は、普通校舎にある教室へと歩いていた。
学生証を受け取った時点で振り分けがされており、初年度はほぼ出身ごとに分けれていた。
「緊張したのにゃ~」
「国王さますごかったもんねー?」
「とってもかっこよかったんだな!」
「学園長せんせい綺麗だったねー」
国王も学園長も、独特雰囲気を纏っていたのだ。
「とーちゃくにゃ」
「とりあえず朝の席にすわるんだな」
「そうだねー」
キーナ達は入学式の説明を受けた時の席に座る。
「はーい、入学式お疲れさまでした~。明日からの説明をしますよ~」
生徒たちは教室に入ってきた教諭に注目する。
「さて、まず朝からは――」
説明の内容は、学力測定、身体測定、魔力測定を順に行うというものだった。
「――今日は以上です。明日からも頑張りましょうね」
生徒たちは元気よく返事して、初めての学園生活を終えるのであった。
◇
キーナ達はまだ初日だということも有り、まっすぐ帰寮した。
「つかれたー!」
「おなかがすいたんだな」
「ばんごはんはどうなっているのかにゃ~?」
昨晩はご馳走が並んでいたので、すっかり忘れていたのだ。
「戻ったらミルドラおねえさんに聞いてみるのよ」
「……それがいいの」
「なるほどー!」
早速、”困ったこと”が発生したので言われた通りにするようだ。
寮まで残り三分の一というところまで進むと、前方から猛スピードで何かが接近してきた。
「うん? なんか近づいてくるぞ?」
「よく見えるね?」
「いや、音が聞こえるんだよ」
エミリオは犬耳をひくひくと揺らす。
「なるほど」
セレスティアも茶髪を払い、耳を澄ましてみるが特に聞こえなかった。
しばらく歩くと正体が判明した。
「ハッハッハッハッ……」
シルバであった。
「迎えに来てくれたのー?」
「ワフッ!」
キーナの気配を感じ取ったシルバは、思わず走って来てしまったのだ。
「……さすがなの、お父様でも無理なの」
ロッピィが言うには、これだけの距離で存在を感知できるのは相当すごいらしい。
「シルバはすごいんだもんねー?」
「ワッフ♪」
褒め撫でたれたシルバは、スッと屈み尻尾を振りキーナの目を見つめた。
「あれ? どうしたの?」
「これはね、背中に乗っけてれる合図だよ」
キーナはそう言ってシルバに跨る。
「そうなんだ。……ボクも乗ってみたいな」
それを聞いたシルバは立ち上がる途中でまた屈み、今度はセレスティアの眼を見つめた。
「おー? シルバが乗ってもいいって!」
「えっ? いいの?」
「ワフッ」
セレスティアはおっかなびっくり、キーナを抱くように跨る。
「ワフン!」
気合一発、シルバは立ち上がると寮に向かって歩き始めた。
「わぁ! すばらしいですシルバさん!」
「でしょー!」
やはりドヤ顔のキーナである。
「いいなぁ~」
「……ぼくも乗ってみたいな」
「シルバさん、お家帰ったら交代で乗せてもらっても?」
「…………ワフ」
少し間を開けた後、しょうがないなあ、と了承するシルバであった。
◇
寮に到着すると、配送人が大きな紙箱を届けて去っていくところだった。
「ただいまー!」
「ただいまなのよ」
キーナ達は元気よく挨拶を交わす。
「はい、おかえりなさい」
紙箱を改めていたのはシーゲルだった。
「ワフン?」
シルバは背中から二人を下ろすと、配達品に近づいて匂いをかぎ始めた。
「はは、食材に味付け肉の瓶詰めが入ってるから気になったかな?」
「ワフ!」
どうやら正解のようだ。
「晩御飯に出してあげるから安心してね?」
「クゥン」
「シルバは食いしん坊だねー? よしよし」
「それじゃ、後でね~」
シーゲルはキッチンへと荷物を運んでいった。
「……晩御飯のこと聞きそびれたのよ」
「そうだったにゃ」
一同は慌てて追いかけた。
◇
キッチンへと向かうと、ミルドラがエプロン姿で夕食の下拵えをしていた。
「あら、おかえりなさい」
「ただいまなんだな」
「ただいまー!」
「ミルドラおねぇさん」
「なぁに?」
「ぼくたちのばんごはんはどうすればいいのかな?」
「…………いけない、言うの忘れてたわね。えっとね――」
まとめると、
”基本的には自分たちで調理して食べる”
”調理する際は寮の大型保存庫から自由に使って良い”
”使いたい食材がなければ配送してもらえる”
”調理の仕方は学園で丁寧に教えてくれる”
”調理を学ぶまでは寮長達が用意する”
”配給金で外食や出前をとる場合は事前に連絡して欲しい”
”国王や食べ物に関わる人達に感謝すること”
という内容であった。
「と、こんなところかしらね? また解らなくなったら聞いてね?」
「わかりました!」
「ほっとしたにゃ~」
「ごっはん♪ ごっはん♪」
「ふふ、まだ夕食まで時間が掛かるから待っててね?」
「……あわてんぼうさんなの」
「むー」
安心した途端に騒ぎ出すキーナたちである。
「じゃあさ、お庭で遊ぼうよ」
「それがいいんだな!」
エミリオとガルザは庭へと走っていった。
「あたしはシルバさんに乗せてもらいたいわ」
「あ、ぼくもー!」
「いこういこう!」
ディアドラ、デルトロ、ダンテの三人は、シルバに抱きつくように引っ張ると庭へと出て行った。
「ワフーン!?」
「シルバー! 仲良くねー!」
キーナは縁側デッキに座ると優しい目で見守るのであった。
こんな寮で過ごしてみたかった(>ω<)
体重?
……知らない子ですね(´ΘωΘ)




