3. 診察と品質調査
紬綺との面会の後、その夜も領城で世話になり、まんじりともせず夜を明かした、次の朝。
朝食の御膳が片付けられてからしばらくして、私達の滞在している部屋に医師が訪れた。
私は診察に一緒に立ち会うが、男性陣は一応隣の部屋で待機だ。
医師は年配の男性で、彼はかなり丁寧に若菜を診てくれた。私でも解る、触診、脈診などは勿論のこと、初めて見る器具を使った検査や、採取した血や唾液を何かの薬に反応させたりと、かなり詳細に診断してもらっているのは分かった。
しかし、彼は種々の道具を用いた検査を終えると、薬を処方するでもなく荷物を片付け始める。
不審に思いつつも、黙って片付け終わるのを待っていると、医師は徐に腕を組んでこちらを見た。
「私は<診察術>という刻印を持っておりまして、傷病の原因については、かなり正確に判断出来ると自負しております」
「はい」
医師は、主に私の方を向いて、難しい顔でまず自分の刻印について話し出す。
その説明によれば<診察術>は、私の<解析術>と似ているが、霊力の働く方向性が少し違うらしい。
例えば、発熱の症状があり、それを計測する。すると、その発熱の原因が、風邪によるものか、傷によるものか、あるいは他の病によるものか、などを漠然と把握出来るのだという。
「しかし、現在の彼女には、私の把握出来る傷病の症状は一切有りません。何の異常も認められない、健康体です」
「は……?」
そんなわけは無い。
意思表示も碌に出来ず、言動が幼いままで、見知らぬ男性に怯える。
こんな状態の若菜に、異常が無い?
「面白いご意見ですね?」
知らず、薄ら笑いが浮かぶ。微かに怒気が漏れた。
しかし、医師の方も落ち着いた態度を崩さない。
「ご納得いただけないのは承知しています。しかし、彼女には、今現在判明しているいかなる病の症状も当てはまらないのは事実です。要するに、未知の病なのです」
未知の病。
「知っているが?」という言葉と「本当に?」という言葉が同時に頭に浮かぶ。
いや、私の医療知識は百年前のものが基になっているのだから、未だに解明されていないのだと落胆すればいいのだろうか。
医師の言葉が頭に染み込んでいくほどに、妙な動悸と虚脱感に襲われる。
期待をすれば、その分反動も大きい。
知ってはいるが、やはり失望は抑えられず、深いため息となってこぼれ落ちた。
「はぁ…………いえ、失礼しました。診察、ありがとうございます」
落胆したのは確かだが、あまり失礼な態度を取ってはならない。なるべく感情を乗せずに礼を取ると、医師の方も思うところがあったのか「いえ……」言葉少なに応えが返り、しばし沈黙が横たわる。
考えてみれば、昨日、紬綺に提案されるまでは、私自身が何としても若菜を治すのだと思っていた。若菜が未知の病だろうが何だろが、その決意が変わることは無い。
今まで通りだ。
一度、深く呼吸をして気分を切り替える。
今私がするべきことは、己の感情に振り回されたりせず、医師という職にあるものに、なるべく詳しく話を聞くことだろう。
「ところで、未知の病、とおっしゃいましたが、現在知られている病には、精神や魂が原因だとされる病はどういったものがあるのでしょう? 若菜……彼女の治療法を探すにあたり、少しでもご意見を頂戴したく」
「せ、精神や魂の病、ですか?」
「はい」
「そうですね……」
医師は、多少驚いたようだが、真剣に考えてくれている。
「私が診たことがある中で思い当たるものは、乱心した犯罪者、自殺未遂者、妖魔憑の冒険者、こう言った者達になります。彼らに共通する特徴として、一目で異常が解るのに、一般的な傷病の特徴が無いことです。……ですが、その、こういった特徴を持つものは、早晩命を落とすことが多く、長期の治療を試みたことはありません」
「そうですか……」
医師は多少躊躇った後、こちらを観察する眼を向けてくる。
「あの、貴女は彼女の身内の方ですよね?」
「はい、姉です。血の繋がりはありませんが」
「ではお姉さん。貴女は医療の心得がお有りなのですか?」
医療の心得と言われると、どうなのだろう。
私の地下書庫由来の知識が、今の医療知識と合致しているのかは分からない。
「はい、いえ……何と言えば良いか……縁あって昔の病理学や生理学、薬学などの本は読んだことがあります。あとは、<錬成術>で霊薬の錬成をする際に、錬成陣から得た知識でしょうか」
「なるほど、錬成術師ですか」
「まだ正規の資格はありませんが」
医師は何度か頷き、若菜の方を確認する。
若菜は、診察が終わった後は私の後ろにいて身を縮めている。大人の男性である、医師が怖いのだろう。
「もしよろしければ、彼女の診断と経過観察を継続的に請け負いましょうか?」
急な提案に、喜びよりも疑念が勝る。
領城で医師を務めているくらいだから、妙な人物では無いはずだが、善意での申し出というには感情の熱がない。
「有難いお話ではありますが、まずは理由をお伺いしても? 医師とはご多忙だと聞いています」
「ええ、勿論、暇ではありませんが。しかし、お姉さんもおっしゃっていたように、精神や魂に関する病は、未だ未知の分野です。そして、彼女には攻撃性が無い上、医療に理解のある姉の庇護下にある。言い方は悪いですが、検体検査の被検体として最適なのです」
その言い草に、一瞬、頭領の顔が浮かんで拳を握りしめる。
しかし、目の前の落ち着いた顔の医師を見て、即座に感情を鎮めた。
「……検体検査とは、具体的にどういったものですか?」
「そう難しいことではありません。ほとんどは今日行った診断と同じものです。後は、唾液と血液を成分分析の実験で使用する許可をいただければ」
「……病の解明以外の用途で、それらを使用しないという誓約書を、紬綺様宛に提出してもらえるのならば、お願いいたします」
今度は、医師の方がやや剣呑な目つきになる。
だが、世の中には、目的のためなら子供を百人殺しても顔色も変えない頭領のような人間や、呪詛師のように道徳や規律を勘案しない人間もいる。
唾液や血液といった身体に関する代物を無条件で預けるほど、初対面の医師を信用する気にはなれない。
「ハア、その若さで病気の妹を抱えているのですから、用心深くなるのも当然ですかね。……まあ、私も自分の研究以外に活用する予定もありません。ご提案通り紬綺様宛に経緯を記した誓約書を作成しましょう」
「ありがとうございます」
思ったよりもずっと簡単に了承してくれた医師に、頭を下げる。
後ろにいた若菜も、促せば「ありがとうございます」とお礼を言った。
「いえ……私自身も、未知の病を未知のままで放置するのは、屈辱ですから」
思わぬ強い物言いに、目を瞬く。
……どうやら、なかなかに、医師として誇り高い御仁のようだ。
改めて「よろしくお願いいたします」と頭を下げた。
◇
若菜の診察が終わり、残念ながら現状維持が決定した後。
昼食後に紬綺との面会予約が入った。
家や職がそんなに早く見つかるものだろうか? と思いつつも、呼び出されて応じないわけにもいかない。
「急に呼び出して、ごめんなさいね」
「いいえ、とんでもございません」
頭を下げていると、すぐに侍女がお茶を運んでくる。今回は、見慣れた方法で淹れられたお茶だ。
紬綺に勧められて一口お茶を飲むと、それ以上の前置きはなく、早速本題に入る。
「伊輔殿……城付きの医師から話は聞きました。あまり役に立てなくて残念です」
「いいえ、素晴らしい医師を手配いただきましたこと、心よりお礼申し上げます。また、勝手にお名前をお出ししましたこと、お詫び致します」
医師との会話で、誓約書の提出先を勝手に紬綺にしてしまったが、これは良くなかったと反省している。頼れる権威として咄嗟に名前を使ってしまったが、今後はそんなことをしないように気を引き締めなくては。
「いいのですよ。経緯は聞きましたし、今は夫に代わってわたくしが後見人の役目を担っているのですから。むしろ、他を頼る方が問題よ。ただ、出来ればすぐに報告をあげるようにしてちょうだい」
「承知いたしました。次からは必ず報告いたします」
「ええ。詳細は、こちらの沙扶に聞いてちょうだいね。貴女達が城に滞在している間は、彼女を世話役として付けますから」
紬綺に言われて、横に控えていた侍女の一人が黙礼する。それにあわせて、私達も頭を下げた。
侍女とはいえ、彼女もおそらくは貴族だろう。礼節を損なわないようにしなくては。
「それで、今回の本題は、皓理、貴女のことなの」
「私、ですか?」
紬綺に名指しされて首を傾げる。
「ええ。伊輔殿の話しを聞いて、職を探す前に貴女の錬成術師としての腕前を確認した方がいいと思ったのです」
「錬成術師としての腕前、ですか?」
「具体的に言うのならば、錬成出来る品目の種類を教えて欲しいのよ。それによって、紹介する場所も変わってきますから」
そういえば、以前、明黎と哲金が、決まりきった錬成しかしない錬成術師が大半だとか言っていた気もする。
「そうですね……」
一部、稀少な素材が必要な霊薬や錬成具が作れるのは秘匿した方がいいだろうが、折角働くのに何の知識も得られない職場は望ましくない。どの程度を申告すべきか。
「霊薬なら、鎮痒膏、治癒膏、活力薬、造血薬酒、血善丸、保湿剤は作れます。錬成具なら、浄化炭、保湿石鹸、強化糸、強化・硬化革、通信の耳飾り、護塗膜、風断刃、劣化防止箱、あとは…………」
「いえ、もう大丈夫よ。…………その錬成はどうやって覚えたのか、教えてもらえるかしら?」
「そうですね、治癒膏、活力薬、血善丸、浄化炭と石鹸の処方は、私達を拐った犯罪者から教えられました。他は、いくつかの書物と<解析術>を併用して、独学でしょうか」
特に、地下書庫に残された始まりの錬成術師の覚書は難解で、とても勉強になった。
…………よく考えれば、曲輪を逃げ出す時に、地下書庫の書物をいくつか持ち出してくれば良かった気がする。まだ完全に理解出来ていない内容の本もあったのに。
思わず逸れかけた思考を、すぐさま引き戻す。ここは、気を抜いていい場所ではない。
「なるほど……そうね。よければ、貴女の錬成した霊薬か錬成具を見せてもらうことは出来るかしら?」
「はい、それなら……」
一瞬、いつも付けている胴乱に手を伸ばしかけて思い留まる。
この中には、今挙げた霊薬の他にも、回復薬や煙玉など、多種多様な霊薬が入っている。それらも見たいと言われた時に、どう躱わせばいいか、咄嗟には思いつかない。
動作に詰まった私に気付いて、哲金が素早く割って入ってくれる。
「姉さん、良かったら部屋からいくつか霊薬や錬成具を取ってこようか?」
「あ、うん……紬綺様、よろしいでしょうか?」
「ええ、もちろん」
「では、しばし御前を失礼致します。……若菜、荷物を運ぶのを手伝って」
「わかった」
侍女の一人を伴って部屋を出ていく哲金と若菜を見送って、再び紬綺に向き直る。
「どういった物を持ってくるのか、聞いてもいいかしら?」
「はい。おそらくは、保湿剤と浄化炭かと。どこかで売って生活費にしようと多めに持ってきていたので」
「あら? 貴女達が逃げ出せたのは、鍵が突然壊れたからだと聞いていましたけど、事前に必要なものを用意していたの?」
紬綺がにっこりと笑顔を浮かべる。だが、その声はやや不審気だ。
どうやら、疑われるような事を言ってしまったらしいが、これは特に隠している事柄では無い、はずだ。
私達はそこそこ大荷物を抱えて移動してきたのだし、おおよその中身は、漣夜も知っている。事実を選んで話せば問題ない。
「はい。逃げ出せたのは、偶然ですし、前触れもありませんでした。ただ、手ぶらで逃げたら、山で早晩野垂れ死ぬだろうと、最低限の荷物は持って出ました。まだ閉じ込められている時に、換金出来そうな品物について話し合ったことがありましたし、そういった物や食糧は普段からいつも多めに用意していましたから」
「いつも? 貴女達を閉じ込めていた誘拐犯達は気付かなかったのですか?」
「あそこにいた犯罪者達のほとんどは、あまり錬成術に詳しくありませんでしたから。素材にするための霊草の世話も私達の役目でしたし、錬成中は監視も無く。逆らったり、逃げ出したりこそ出来ませんでしたが、錬成した物を誤魔化す程度のことは難しくなかったので」
実際、呪詛師達に私が勝手に錬成した各種の霊薬や錬成具の存在を気付かれたことは無い。もちろん、本当に見つかったら不味い物は隠し扉の中に隠していたけど、霊薬の類は普通に棚に置いていた物も多い。
錬成陣は錬成術師にしか見えないので、予備知識が無ければ、素材の下処理なのか、錬成中なのか、ぱっと見には区別が付かないものだ。堂々としていれば、意外と露見しない。
「……? 貴女達は誘拐されて監禁されていた、のですよね?」
「はい」
「お互いを人質として、雑用や妖魔との盾として利用されていた?」
「はい」
「暴力を含む脅迫によって、逆らったり、質問したりも、許されなかったと聞いていますが」
「はい。間違いありません」
「なのに、いつも、堂々と、逃げる準備をしていたの?」
「はい。勿論、露見しないように注意は払っていました」
さっきから、何の確認だろう? 私達の語った素性は、最初から知ってたはずだけど。
「……待ってちょうだい、色々と……」
何故か紬綺が項垂れているので、たぶんまた常識知らずな発言をした事は分かった。分かったが、自分では何が変なのか、やはりピンとこない。
「……明黎、貴方も普段から逃げる準備をしていたの?」
その質問で、紬綺が疑問に思っていたことは察しがついたが、無理矢理閉じ込められたら逃げようとするのは当然だと思う。
……え? 違うの?
思わず、私も質問された明黎を振り返ってしまう。
明黎は若干眉間に皺が寄っているが、名指しされたせいで、答えないわけにもいかない。仕方なさそうに口を開いた。
「……まあ、逃げたいとは思っていましたし、準備もしていました。俺も、他二人も。ただ、主導は皓理です。本人に自覚は無いですが、皓理は、イカれ……ずぶと……あー、豪胆? ですから」
うん。うん? いや、明黎の方が、言動過激でしょ。
あと、別に主導した気は無いんだけど……
これは、やっぱりもう少し説明した方がいいのでは。
「あの、必要だと思う物を作って、それを持ってきただけですから、特におかしなことでは無い、かと…………あっ、別に盗品とかでも無いです! あの場所にあった浄化炭は全て私が錬成した物ですし、保湿剤は石鹸作成の副産物のようなもので……」
よく考えてみれば、犯罪者の拠点から物を持ち出したと言えば、違法な品を連想させてしまっていたのかもしれない。
だが、誓って違法な物は所持していない。
今持っている睡眠薬なども、毒草園の素材を使わずに錬成したものだけだ。毒草園に関する物は、全て曲輪に置いてきた。
どのように説明すればいいのか、焦りでやや言葉が乱れる。
「ああ、ええ……そう。皓理は石鹸も作れるのですね」
「あ、はい。荷物の中にもいくつか入っています。常葉木の油と密葉樹の灰で錬成してありますので≪浄化≫と≪保肌≫の効果を付与しています」
紬綺が話題を逸らしてくれたので、すかさずそちらに乗る。
この石鹸で、私達は全身を洗っているし、洗濯もしている。自分達で毎日使っている物だし、結構自信作だ。
ちなみに、頭領に要求されていた石鹸には密葉樹ではなく、普通の木の灰を使っていたので≪浄化≫は付与していない。
「もしかして、貴女達はずっとその石鹸を使っているのかしら?」
「はい。手や身体を洗うのにも使えますし、洗濯や食器洗いにも使うことが出来ます」
「なるほど、道理で肌が綺麗なはずですね」
紬綺が納得したように頷く。
「あの、興味がお有りでしたら、いくつかお譲り致します。お礼の品としては不足でしょうが……」
「まあ、いいの? 嬉しいわ」
紬綺は、嬉しそうにころころと笑う。そういう表情をしていると、本当に少女のようだ。
実際のところ、この人は何歳なのだろうか。三十代の梛津の妻で二人の子持ちのはずだから、二十五歳より下ということは無いと思うのだが、かなり年齢不詳だ。
「お待たせ致しました」
そうこうするうちに、哲金と若菜が荷物を持って戻ってきた。思ったよりも大荷物だ。
「姉……皓理の錬成した物、との事でしたので、参考になりそうな品は全てお持ちしました」
そう言って、哲金がズラズラと床の上に物を並べていく。妙に生き生きして、楽しそうだ。
「まずはこちら。もっとも知名度の高い霊薬である、外傷を癒す、治癒膏です。それともう一つ、胃の腑を癒す腹腑丸。皓理はまだ錬成術師の資格を持たないので、商品として売るつもりは無く、自分達で使う予定の物になります」
そう言って、小分けにした治癒膏と三つの腹腑丸を差し出す。
「次に、浄化炭。水や土を浄化する錬成具ですが、詳しい説明は不要でしょう」
こちらも小分けにして箱に入れた浄化炭を、更に汚れないように逆さにした行李の蓋に乗せて差し出す。
「次は、石鹸と保湿剤です。この二つは霊木である常葉木の油から錬成していますので、きめ細かく美しい肌を保つのにとても効果があります。特に、保湿剤は一滴を水に混ぜて肌に塗るだけで、日焼け・乾燥・湿疹などが解消され、肌荒れ知らずの瑞々しい肌を保つことが可能です」
哲金はまた、それぞれの品を差し出す。だんだんと、説明に力が入ってきている気がする。
「更にこちらは、常葉木の新芽で作った茶葉と、圻綱と殖林杏の蒸留酒になります。これらは素材と呼ぶべき品ですが、ご試飲いただければ質の程度が解ると思い、お持ち致しました」
哲金はニコニコ笑いながら、茶葉と酒を差し出しているが、それはここで出さなくてもいい物では。いや、別に渡したくないわけではないし、お世話になっているお礼として差し出しても全然構わないのだけど。
「また、今の品々を入れている器も、防腐作用及び劣化防止の塗料で被覆した錬成具ですし、その下に敷いた手拭いも強化を施した糸で織ったものです。ご参照ください」
そこまで告げて、哲金が頭を下げるのに合わせて、私も礼を取る。
差し出した品々を侍女達が御盆に乗せて回収していくが、この場で試せそうなのは保湿剤くらいだし、効果の確認は後日になるだろう。
「では、これらの品は確かに預かりました。効果を確かめたらまた連絡しますね。その間の過ごし方は、沙扶と相談してちょうだい」
「はい。どうぞ宜しくお願い致します」
改めて、退室の礼を取ってから扉へと向かう。
侍女の人と一緒に滞在中の部屋へと戻りながら、さて、またどうやって時間を潰そうかと頭を捻った。




