『若い=バカ』だった頃
「でも、『子孫がいない』ってことは、やっぱ全滅しちゃったんだろ?」
リミザがラフィーに確認する。
「そう思っていましたが、―― 大臣は、なにを根拠に、カレンを『古の』魔法使いだとするのですか?」
「本人に確認した。 それにもちろん、圧倒的な魔力をみたからだ。わたしとカシールさまが助けられたと言ったろう?」
「若いころですよね」
「そう。若くて、二人とも怖いものなしだった。 カシールさまはトラス王国の王子として、腕試ししたいといって、《王様連盟》で退治を依頼するような魔物を、ふたりで退治しようとわたしを誘った。わたしはそのころカシールさまの剣術相手として腕にも自信があった。王には見聞をひろめるために旅をしたいと申し出て、一年ほどの許しを得たのだ。 すぐに、魔物を退治して、一度国に帰ると、カシールさまの父上であるカルトンさまにひどく怒られた。認められるとおもっていたカシールさまはむきになり、今度はもっとやっかいな魔物を退治してみせる、とまたわたしをつれて城をでた。そうしてこんどの旅では、《王様連盟》に正式に依頼をうけている《勇者パーティー》をだしぬくようにして魔物を退治して、手柄はそのまま勇者パーティーにくれてやった。難易度がたかい依頼をうけているパーティーをさがしているうちに、あやしい『情報屋』が、わたしたちにじかに情報を売りにきた」
「まさか、買っちゃった?」
リミザが、あ~というように眉をさげる。
「買った。若かったからな」
コルックは当然だろうというようにうなずく。
「いや、王子でしょ」
「そう、王子なのに、半年以上魔物退治で暮らしていたんだ。 目的が、気楽な腕試しから、カルトン王に認められるような魔物退治をする、にすり替わっていた。 若かったからな」
「『若い=バカ』だからしかたない、みたいなことにしようとしてるけど、けっこう問題あるとおもうよ」
「そうだ。『若い=バカ』だけではすまない状況に陥った」
口ひげをゆらすように鼻息をだすと、「魔人だ」と、まだ立ったままでいる三人をみた。




