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86.吉村さん家のメカキメラ

 私達は、ひばりヶ丘駅に到着した。


「ダンジョンの入り口は……ここ!?」


 改札口を出て2、3分歩くと、マンホールがあった。

 このマンホールの下にダンジョンが広がっているみたいだ。


「ここみたいだけど」

「ちょっと待ってろ」


 師匠は警察署に行って、警察の人を連れてきた。


「ここって入っていいんですか?」


 師匠は警察の人に、このマンホールの中に入っていいかどうかを訊いた。


 いや、駄目って言われそうだよね!?


 でも、警察の人の反応は、私の予想と違っていた。


「あっはっは! そこのマンホールはただの飾りですよ!」


 あれ?

 警察の人は、マンホールを開ける。


 すると、ダンジョンへのゲートが出現した。


「これはダンジョンへのゲート!? こんな所にあるもんなんだな! ま、ダンジョン探索に行くなら止めはしませんが、気を付けてくださいね。それでは!」


 それだけ言うと、警察の人は、去っていった。


 こんな分かりにくい所にダンジョンがあったとは……。


「よっし! じゃあ、皆で行くか!」


 ココロちゃんがそう言うと、師匠が「待て」と言う。


「どうしたんすか?」

「ダンジョンに入った後、誰かがフタを閉めないと、他の人の迷惑になる」


 た、確かに!


「確かにそうっすね。仕方ない。私が残るか」


 ココロちゃんが言った。


「いいの!?」

「まぁな。本当は行きたいけど、ルカや師匠に比べると弱いからな。それに……」


 ココロちゃんは私の耳元に、口を近付けた。

 その後、ヒソヒソと小さな声で私に伝える。


「ソラとなんか約束してんだろ?」


 す、鋭い!


 私は頷いた。


「ってことだ。私が残る!」

「ありがとう! なんかごめんね。後でカルプスソーダ奢るから」


 ということで、ココロちゃんがマンホールを閉める係になった。

 ソラちゃんと師匠はココロちゃんにお礼を言うと、マンホールのダンジョンゲートの中へと、吸い込まれるように入っていった。


 私もいくよ!



 ダンジョンゲートからダンジョンへ入ると、ファンタジー系のアニメとかに出てきそうな、森が広がっていた。

 最近洞窟系ばっかりだったから、たまにこういうダンジョンに来ると開放感があるね。


 それにしても……。


「カラフルだね!」


 草とか木が紫色とか、不思議な色をしてる。

 なんかとにかくカラフルだ。


 でも、目が痛い感じじゃない、カラフルだ。

 例えるなら、妖精が住んでそうな感じ?


 今までにはない感じで、ワクワクする!


 あのキノコとか食べられるかな?


 私は地面に生えているキノコを採って、ソラちゃんに渡す。


「これ、食べられるかな!」

「これは……」


 薄紫色と、晴れた日の青空のような水色の2色キノコだ。

 お菓子みたいな味がしそうだね。


 でも毒キノコかも……?


「ライム召喚!」


 ソラちゃんはカードを取り出して、中にいるメカキメラのライムを召喚した。

 ライムは狼っぽい感じのなにかに、翼が生えている獣型ロボだ。


 リスナーさんには、ゾ〇ドって呼ばれていた時期もあったねぇ。


「では、解析お願いします!」

「ワン!」


 ソラちゃんがライムにキノコを食べさせた!?


「毒キノコかもしれないけど、大丈夫なの!?」

「大丈夫です。ライムは機械なので、食べてもお腹壊したりしません! というか、“食べる”ことはできません。ですが、最近できるようになったことがあります。それが、解析です!」

「解析!?」

「はい! 食べたものの情報をある程度解析できます! 鑑定系のスキルに近い感じですね」


 鑑定系って、どんなスキルなんだろう。

 近い感じってことは、解析するスキルってことかな。


 しばらくすると、解析結果が出たみたいで、ソラちゃんがお礼を言いながらライムを撫でる。

 そして、ライムの胃? から出てきたキノコを受け取る。


 その後、ライムをカードに戻すと言う。


「これは毒キノコですね」

「残念……」

「ですが、念の為持って帰ります。ありがとうございます!」


 ソラちゃんはそう言うと、ストレージを開いて、その中に毒キノコを収納した。

 それにしても……。


「ライム凄いね! 錬金術師のソラちゃんの相棒にピッタリだ!」

「ありがとうございます!」


 私達は立ち上がると、目の前の広大な景色を見渡した。


「ここってひたすら広いし、飛んで一気に進んだ方がいいかなって思うけど、どうかな?」

「そうだな。それもいいが、ただ……」


 ワイバーン? みたいなモンスターがそこら辺に飛んでいる。


「あいつらが厄介だな」

「確かに……」


 飛ぶのに集中できないしね。


「まぁ、なんとかなるか。おい、耳を貸せ」



「マジカルチェンジ!」


 私はスキル【魔法少女】で、魔法少女形態に変身した。

 そして、背中に2人を乗せる。


 どんな感じになっているかというと、ソラちゃんが私の尻尾付近をガッシリと掴んでいる。

 それに対し師匠は、私の背中に両足に力を込めて、立っている。


 右手に剣、左手にも剣。

 師匠の戦闘スタイル2刀流だ。


「来い……! 新しい剣の力、見せてやる!」


 なんか師匠、いつもより元気だ。

 と思ったら、剣が新しくなってる!


 今までの剣は普通の地味な剣だったけど、今回は右手には金色の剣、左手には銀色の剣を握っている。

 だけどそれぞれ一色って訳じゃなくて、金色の剣は一部銀色、銀色の剣は一部金色だ。


「ヴァイト剣士……再誕!」


 ヴァイト剣士……?

 確か、師匠は魔物ハンターズでその名前だったって、言ってた。


 そして、ネット上の人と協力プレイを数多くした結果、下手過ぎて有名になった。


 って、前師匠が言ってたね!


 それが再誕ってことは?


「この剣は、魔物ハンターズで使っていた剣を参考にして作って貰った。100000回の3乙を重ねたヴァイト剣士、悪いが暴れさせてもらう」


 師匠はクールに言い放った。

 3乙ってなんだっけ?


 でも、なんかかっこいい!


『じゃあ、いっくよー!』


 私は飛び立った。

 そして、そのまま勢いよく飛行!


「ドゥゥゥゥゥ!!」


 すると、ワイバーンが、私達に向けて威嚇をしてきた。

 そしてそのワイバーンの叫びに、他のワイバーンが次々と集まって来た。

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