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85.vs謎の忍者

 私達は試合用のフィールドへと案内された。

 試合用のフィールドはかなり広くて、ボス部屋くらいの大きさがある。


 つまり、魔法少女形態の私が飛んだり跳ねたりしても、問題ないくらいの大きさってことだ。


 試合用のフィールドは基本的に痛覚が遮断される。

 更にそこで倒れても死んだ扱いにならない。


 じゃあどうやって決着をつけるのかっていうと、ゲームみたいにHPゲージが表示されるから、それを使って試合をする。


 今回の場合はシンプルに、相手のHPを0にした方の勝ちだ。


「いけーっ!」

「まぁ、無理はするな。心配はないだろうけどな」


 クランの皆が応援席で応援してくれている!


「参考にさせていただきます!」


 そして、ソラちゃんも応援してくれている!


 参考に……あっ!


 そういえば、ソラちゃんにはお願いされたことがあるんだった。


 あの時……。



「じゃあちょっとお願いの仕方を変えます! しばらくの間、近くでルカさんの活躍をみさせてください! どうやったら面白くなれるのかを、参考にさせていただきます!」



 そう、ソラちゃんは私のことを面白いと思ってくれている。

 本当は【魔法少女】スキルのおかげで有名になっただけで、私自身はただ楽しいことをやってるだけなんだけどなぁ。


 でも、期待されてるんだったら期待には応えたい。


 ということで、今回の試合はいつもと違う感じで勝つ!


 いつもはただのゴリ押しだからね。


「ちなみに再戦はできるんですか?」


 私はスタッフさんに訊いてみた。


「1度まででしたら可能です。2度負けた場合、また後日試験となります」


 なるほど。

 じゃあ、いつもと違う感じで工夫して戦っても大丈夫って訳だね!


 もし負けたら、次はいつも通りゴリ押しでいこう。


「では、試合開始です」


 スタッフさんが審判となって、試合開始の合図をする。


 私は早速スキル【魔法少女】で魔法少女の姿に変身……。


「させぬ!!」


 えっ!?


 物凄い速さで忍者が私の目の前に!?


 ちなみに、一瞬だった。


爆音爆弾バクオンバクダン!」


 も、物凄い音だっ!

 なにも考えられなくなりそうな程だ。


 少なくとも、スキルを発動できる余裕はない。


「煙玉!」


 くっ!

 緑色の煙で視界が……!


「忍法! 闇討ち!」


 背後から!?


 痛くはないけど、なんか斬られたような感じがする。


 実際斬られていたみたいで、私は大きく吹き飛んだ。


「くっ……!」


 HPゲージが大きく削られた。


 変身前だとこんなに食らうんだね。

 初めての発見だ。


「とどめだ!」


 忍者は小太刀を持って、一瞬? で間合いを詰めてきた。

 私は思い切り、拳を振り上げた。


「やけになったか!」

「いや!」


 耳鳴りもさっきよりマシになってきた。

 私は相手に拳が当たる直前で、スキル【魔法少女】を発動させた。


 当然、忍者の体にはさっきまでの私じゃなくて、魔法少女の拳がヒットすることになる。


「ぐぬぅっ!?」


 勢いがついたドラゴンパンチが忍者の体にヒットし、小太刀と一緒にそのまま壁まで吹き飛んだ。

 その衝撃で、忍者はダンジョンの壁にめり込んだ。


 けど、まだHPは削り切れていない。


 いつもならここで、そのまま魔法【マジカル☆ファイア】を使って倒すんだけど、今回は一味違う。


 ソラちゃんが面白い試合を見たいと言っているから、期待に応えないとね!


 私は壁にめり込んでいる忍者を更に殴りつけ、壁からの脱出を阻止した。


「くっ!」


 更にその忍者を手に持ち、地面に接触させ、引きずりながら低空飛行をする。


「あがあっ!」


 地面との摩擦で、少しずつ忍者のHPが削られていく。

 ある程度削れたら、忍者を掴んだ手から、マジカル☆ファイアの黒炎を放出。


 忍者を壁まで投げると、マジカル☆ファイアの黒炎の効果で壁に叩きつけられると同時に爆発が起き、忍者のHPは0となった。


「くっ……! やるでござるな!」


 今回の戦いは痛覚も無ければ、負けたペナルティもない。

 忍者は壁から脱出して、私の方へやって来ると、褒めてくれた。


 嬉しい!


「ありがとうございます!」


 私は変身を解除し、軽く頭を下げた。


「バイトさん、ありがとうございます」


 スタッフさんが忍者にお礼を言うと、忍者はどこかへと消え去った。


 かっこいい!


「では試験には合格ということで、お城を作る為に必要な素材が採れるダンジョンを、ご紹介させていただきますね」


 と、ここで紙を渡された。

 紙には今回の試験を突破した証明みたいなことと、素材が採れるダンジョンの場所が書かれていた。


「場所はえーと……ひばりヶ丘駅だね」


 ここからだと、大体40分くらいだ。


 時間的には余裕があるね。


 皆に訊いたら、早速行こうということになった。


「ソラちゃん、さっきの試合どうだった? 面白かった?」

「凄かったです!」

「凄かったって、面白かったってことでいい!?」

「そうですね!」

「やった!」


 見本にはなれたみたいだ。


「でも、私には真似できません……私も【魔法少女】スキルだったら良かったんですけどねぇ。錬金術で作ってアイテムで似たようなことができないか、今度考えてみますか……」


 ソラちゃんは駅のホームでメモ用紙を取り出すと、なにかをメモしていた。


 参考になるといいんだけど……。

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