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87.城

 私はできるだけ、ワイバーンをかわす。

 けど、群れのワイバーン全てを避けることはできない。


「はぁっ!」


 私の背中に立っている師匠は、こっちに接近してくるワイバーンを、手に持っている2本の剣で斬りつけた。


『師匠! 遠くから!』


 私は魔法【テレパシー】で師匠に、少し遠くにいるワイバーン達のことを伝えた。

 なんと、そのワイバーン達が火球を口内にチャージしているのだ。


 このままだと、集中砲火される!!


「気にするな! 突っ込め!」

『だ、大丈夫!?』

「ああ! 心配するな!」


 私は首をひねって師匠の表情を確認すると、自信に満ち溢れていた。


 ここは師匠を信じよう!


 私はそのまま、火球を放とうとしているワイバーン達に向かって突っ込んだ。


「っつあぁぁぁぁぁっ!!」


 師匠はワイバーンに接近する前に、前方にジャンプし、火球をチャージしている全てのワイバーンを連続で斬る!


 届かない所は別なワイバーンを足場にして、接近。

 時には自分に生えている2本の足だけじゃなくて、手に持っているその2本の剣すら、自分の足として使っている。


 そして、ワイバーンが次々と粒子となっていく。


 凄い……!

 これが、これがスキル【切れ味アップ】の力……!


 いや……きっと違う!

 これが、10年前にソロでモンスターをひたすら狩っていた、師匠こと山本鏡さんの実力なんだ!


「ざっとこんなもんか」


 師匠は私の背中に戻ってくると、右手に持っている金色の剣を自分の肩の上に乗せた。

 黒いマントも風になびいていて、かっこいい!


「前よりも大分カンが戻ってきたな。全盛期の半分以上の力は出せるようになった」

『前はもっと強かったんだ!』

「まぁ、今のお前には劣るがな。私のスキルはかなり弱い。剣での攻撃が通用しない相手には、どうにもならないからな」


 「それでも凄いですよ!」と、ソラちゃんは私の尻尾を掴みながら言った。

 確かにそうだ! と私もそう言い、先に進んだ。


 ワイバーンの群れを抜けると、空の敵がほとんどいないエリアにまで来ることができた。


 ワイバーンも追っては来ない。


 私は更に加速させ、しばらく進んだ。



 しばらく進むと、お城が見えた!


「怪しいですね」


 ソラちゃんが言った。

 森の中にポツンとあるのは、確かに不自然だね……。


 とりあえず、なにかある前に、お城を破壊した方がいいのかな?


 って、考えていたら、門番のような人が立っているのが見えた。

 銀の鎧の装備を身に着けている、40代くらいの男の人が2人だ。


 私は城の前に降りると、変身を解除して、師匠たちと一緒に門番の人達の所へ向かった。


「はじめまして! 私達ダンジョン探索者なんですけど、このお城ってなんですか?」


 続けて師匠とソラちゃんも自己紹介すると、門番の人達も自己紹介をしてくれた。

 1人がカオスさん、もう1人がナイトメアさんという名前らしい。


 本名は当て字みたいだけど、ちょっと照れるみたいで、詳しくは教えてくれなかった。


「ああ、このお城はモデルハウス兼、試験会場兼、下の層への通路さ。まぁ、モデルハウスってよりも、これじゃモデルキャッスルだけどな」


 えっ!?


「ってことは、こんな感じのお城を作って貰えるんだね!」


 白くて大きなお城だった。

 きっと、ココロちゃんも喜ぶに違いない!


「けど、素材の入手が面倒だから、クランホームを城化する人はなかなかいないけどな」


 やっぱり難しいんだ……。

 というか!


「試験会場ってことですけど、このお城の中でやるんですか? ボロボロになっちゃいますけど……」


 外でやるのもいいけど、他のモンスターに邪魔をされる可能性がある。


「それは心配いらない。この城の地下には大きな試合用のフィールドが広がっているからな」

「あっ、そうなんですか!」


 それなら安心だね。

 それにしても、地下があるなんて、まるで秘密基地みたいだ!



 私達はカオスさんとナイトメアさんに案内されて、お城に入る許可を貰って、中に入った。

 内装も、童話とかに出てきそうな程に豪華だった。


「試験をご希望の方でしょうか?」


 カオスさんとナイトメアさんの2人は門に戻ると、同じタイミングでメイドさんがやって来た。

 私達は、改装屋スタッフさんとの試験に合格してここまで来たことを伝えた。


「了解いたしました」


 メイドさんは、地下室にまで案内してくれた。

 地下には階段で行くみたいで、私達は階段を降りて行った。


 壁はお城の壁と違って岩って感じだけど、地下のフィールドはどんな感じなんだろう?


「おお! いいね!」


 地下は、ボス部屋みたいな感じで好き放題暴れられそうな感じだった。

 シンプルだけど、戦うのには丁度いい。


「では、ルールをご説明します。2体2の試合形式での戦いになります」


 メイドさんはルールの詳細を説明してくれた。

 どうやらこの試合に勝った2人が、下の層に行けるらしい。


 そして条件があるみたいで、魔法を使える探索者が1人必要らしい。

 つまり、スキル【魔法少女】を持ってる探索者が必要ってことだね。


 理由は、魔法しか効かない敵が出現するかららしい。

 なんでも、魔法の聖なる光の力でないと浄化できないとかなんとか。


 それに関してはよく見ると、改装屋スタッフさんが渡してきた紙にも書いてあった。


 でも、魔法に浄化効果とかあるのかな?

 もしかして、魔法少女はキラキラしてるイメージがあるからそう言っただけかもしれない。


「じゃあ、私は行かないとだね。後1人はどうする?」


 師匠かソラちゃんの、どちらかってことになるけど、どうしよう?

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