84.改装屋
ダンジョン内には様々なお店がある。
食事ができるお店、装備を買えるお店など、多数ある。
現実世界のお金はダンジョン内には持ち込めないから、それらを利用する際にはダンジョン内通貨、ゴールドが必要になる。
そして私達が今向かっているのは、改装屋さんだ。
その名の通り、改装をしてくれるお店なんだけど、最近できたばかりのお店だ。
それもそう、そもそもクランホーム自体、最近作れるようになったばかりだからね。
☆
電車に乗って、私達は日暮里駅にまでやって来た。
日暮里駅の近くにはダンジョンがある。
通称、日暮里駅ダンジョンと呼ばれている。
そのまんまだけど、分かりやすくていいね。
早速日暮里駅ダンジョンに足を踏み入れる。
「結構普通のダンジョンだね」
私は初めて来たけど、一番数が多いであろう洞窟タイプのダンジョンだった。
洞窟って言っても、狭い感じじゃないから、戦闘になっても困らない。
ほとんどのダンジョンがそんな感じだけど、ここもそんな感じだ。
そして、出現するモンスターだけど、基本的にはスライムが多い。
ここにいるモンスター達は全然攻撃的じゃないし、無視して進んだ。
そして、ある程度進むと人が沢山集まっている場所を発見。
行列になっている。
「この列を並ぶ必要は……ない!」
師匠が自信満々な表情で、縦長でコンパクトな紙を取り出した。
チケットみたいな感じだ。
「もしかして、予約取っておいてくれたの!?」
「ああ。こうなることは予想できたからな」
「どうやったの!?」
「正攻法だ。まぁ、ゴールドを支払って順番を取っただけだ」
「ありがとう!」
続けてソラちゃんとココロちゃんも、師匠にお礼を言った。
それにしても、いくらしたんだろう?
こんなに並んでるんだし、結構高い予感がする。
後で師匠になにか奢ろう。
「ま、気にするな。ダンジョン内通貨で、リアルマネーじゃないしな」
そして、順番待ちをスキップして、改装屋さんのスタッフさんと話す。
スタッフさんは大勢いて、順番待ちで進んだ先とはまた別なスタッフさんが相手をしてくれた。
「お城ですか……う~ん」
個室に連れられ、そこで要望を伝えた。
白いお城を希望したんだけど、スタッフさんは首を傾げる。
「どうしたんですか?」
悩んでいるかもしれないし、思い切って訊いてみた。
「お城でしたら、素材を提供していただく必要がありますね」
「素材が必要なんですか!?」
「はい。簡単に手に入る素材でしたら、ゴールド次第でこちらでご用意させていただくのですが、お城となりますと難しいですね」
スタッフさんは続ける。
「とある場所から行けるダンジョンになるのですが、その場所に入るには試験をクリアする必要があります」
「試験!?」
私、勉強苦手だ!
いやでも、ココロちゃんいるし、なんとかなるかな?
「ちなみに試験内容は戦闘になります」
「あっ、なんだ!」
良かった!
勉強関連だったら危なかった……。
「それで、その試験はどこで受けられるんですか?」
「それを知る為にも、また別な試験が必要となります。危険なダンジョンですのでね。簡単には教えられません」
すると、スタッフさんがスマホで誰かに電話をかける。
しばらくすると、なんか忍者みたいな人が来た!?
「この人は!?」
「バイトです。この忍者に勝利しましたら、場所を教えましょう」
なぁんだ、スタッフさんの1人だったんだね。
「お主ら……!」
ボイスチェンジャーを使ったみたいな声で、なにかを呟いた。
後なんか睨みつけてきた。
「いきなりだなおい」
師匠はスタッフさんにツッコミを入れた。
「今でなくてもよろしいですよ? ちなみにルールは1対1の試合形式となります」
なるほど、だったら!
私は勢いよく、片手を挙げる。
「私、戦えます!」
その後、クランの皆と相談して、OKを貰った。
皆の為にも、この勝負絶対勝つ!




