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79.初期化

「石です!」

「石!?」


 凄く綺麗な石だ!

 虹色っぽい感じ!


 だけど、これはなんだろう?


「これってなんですか?」

「ああ、東京のどっかのダンジョンで落ちてた石だ! 見たことない石で綺麗だろ?」


 確かに、見たことない。

 でも、これがB賞かぁ……まぁ綺麗だからいっか!



 その後も、私達はダンジョン内屋台を堪能した。

 ココロちゃんも新しい刀を手に入れたみたいで、ご機嫌だ。


 前の刀とは性能が結構違うみたいだけど、かなり高性能みたい!


「いやああああああああああああああああああああああああああ!!」


 !?


 ココロちゃん達と話していると、男の人の声が、ダンジョン内に響いた。


 なんか、嫌な予感が……。


 いやでも! それでも行くしかない!


 私達は、声がした方へと走った。



「ひっひいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 さっきの声の男の人だ。

 一体なにが……って!!


 目の前には、大きなモンスターがいた。


「あれはオークって奴!?」


 二足歩行の豚に似ているモンスターだ。


 私もダンジョン内でオークと遭遇したことはあったけど、あんなに大きくなかった。

 対して、目の前のオークは5mくらいの大きさがあったし、通常より鋭い牙も生えていた。


 豚というより、イノシシ。

 そんな感じがした。


「逃げてください! ここは私達がなんとかします!」


 私は皆に逃げるように叫んだ。


「ノスウウウウウウウウ!」


 オークの目が黄色に光った。

 なにが起きるんだろうって思ったけど。


「なにも起きない……?」


 なにも起きなかった。


「た、大変だ! ダンジョンの出口が消えてる!」


 な、なんだって!


 話によると、ダンジョン外へのゲートが今さっき閉じたらしい。

 オークの仕業かもしれない!


「オークにそんな能力あるんですか!? ……あのオーク、何かがおかしいです! もしや、特殊個体?」


 特殊個体?

 ソラちゃんが続ける。


「簡単に言うと、ゲームとかで言う亜種モンスター的な奴です! とにかく、非常に危険です!」


 なるほど。

 でもどっちみち、このオークを倒すしか無さそうだね!


「ノッス!」


 今度はオークの目が赤くなった。

 今度はなにするの!?


 そして、オークの周囲の空間が揺れて、それはダンジョン内に広まった。

 なにが起きたんだろう?


 特に体に異常もない。


 とりあえず、他になんか変なことされる前に変身だ!


「マジカルチェンジ!」


 私は魔法少女の姿へと、変身した。


 まずは【バチバチ☆スパーク】で動きを止める!


 って、あれ!?


 バチバチ☆スパークが使えない!?


「グオオオオオ!?」


 おまけに、【テレパシー】が使えない!?


 どういうこと!?


 もしや、魔法を忘れさせられた!?


「ルカさん、ココロさん! 落ち着いて聞いてください! さっきの攻撃を分析してみたところ、私達のステータスが探索初期に戻されたみたいです!」

「グオオオ!?」


 ダンジョンにゲームみたいなステータスは存在しない。

 いや、してるかもしれないけど、現時点では確認できていない。


 ソラちゃんが言っているのはつまり、今までの戦いで強くなった分がパーになったということだね。


 って、マズくない!?


「へっ! けどな! 技の書によって覚えた【技】はそのままみたいだぜ! それに武器とか装備もな! 食らえ! 【スラッシュ】!」


 ココロちゃんが新しい刀を振るうと、衝撃波がオークに飛んで行く。

 ヒットはしたけど、全然効いてない。


「やっぱ初期状態の私じゃキツイか……!」


 ココロちゃん、いっぱい特訓してたもんね……。


「ですが、いいこともあったみたいです! ライム!」

「グルルルァ!」


「ノスゥゥゥゥゥ!?」


 ソラちゃんがメカキメラのライムを召喚すると、尻尾ソードでオークを攻撃した!

 でも、ライムって戦闘できなくなったんじゃなかったっけ!?


「どうやらライムもテイムした状態に戻されたみたいです!」


 なるほど、オークの攻撃によって回復したってことだね!


 ライムは仲間にした時から結構強かった。

 だから心強い!


 って、待てよ!?


 私は変身を解除する。


「ソラちゃん、合体だよ! 今だったらできるハズ!」

「確かにそうですね!」


 私は再び変身!


「ワオーン!」


 ライムが2mくらいの大きさになって、パワードスーツのようにまとわりつく。


 合体完了!


 力がみなぎる!


「ノッス!」


 とその時、オークが唸る。

 するとオークの姿が消えた。


 一体どこに!?


「ノスウウウウウウウウウ!!」

「グオッ!?」


 オークは背後に移動し、私のことをぶん殴ってきた。

 私は吹き飛んで、壁にめり込んでしまう。


 なに今の!?

 動きが速すぎて見えなかった……というか、瞬間移動っぽい!?


「グオ……」


 って、そんな場合じゃなかった!

 合体が解除された!


 マズい!!

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