72.ダンジョン開拓?
ダンジョン内に外部の道具は持ち込めない。
けど、なぜかスマホだけは持ち込める。
そして、さっきスマホに取り付けた自動撮影装置。
これはダンジョン内で手に入れたアイテムで、スマホに取り付けると空中とかを勝手に飛び回って、カメラマンの役割を果たしてくれるという、凄く便利なアイテムだ。
基本ダンジョン探索を配信したり、録画して動画化したりする人達はこれを使っている。
ダンジョン内でのながら撮影は難しいからね。
「皆! こんにちは! あっ、こんばんは!」
配信がスタートしたのを確認すると、数秒後に次々と人が配信に見に来てくれた。
私は皆に挨拶をした。
・『こんばんは!』
・『なんか久しぶり』
最近配信してなかった。
Vtuberとしての配信ならしてたけど、あのイベントのルールの通り、正体は明かさなかったからね。
まぁ、もう同接0人は味わいたくないから、このアカウント以外で配信することはないと思う。
・『どこのダンジョン? 見た感じ、普通の洞窟みたいなダンジョンだな』
ダンジョンには、洞窟タイプが多いけど、今回もそのタイプだ。
正直、あんまり珍しい雰囲気のダンジョンじゃない。
「皆久しぶり! 今日はなんと、誰も来たことのないダンジョンに来ているよ!」
そう、私が1番乗りだ!
・『え?』
・『ってことは、新規ダンジョン!?』
・『どこどこ!?』
凄い反応だ!
私は旅館の地下プールにダンジョンができたということを伝えた。
どこの旅館かは念の為、言わなかった。
・『プールにダンジョンってwww』
・『初の事例だな』
そうなの?
・『そもそも、ダンジョン発生すること自体珍しいからな』
えっ……?
「でも、この前チョココロネダンジョンできたばっかりじゃん! すぐ壊れちゃったけど」
・『実は結構珍しいんだぞ』
「そうなんだ!」
ってことは、今私本当に貴重な経験してるんだな!
「ちなみにどのくらいの頻度でできるの?」
・『日本だと新しいダンジョンは、年間30くらいできるな。その分崩壊するダンジョンもあるからバランスも取れてる』
あれ? 思ったほど珍しくない?
いやでも、年間30なら珍しいのかな……?
・『どっちみち旅館にできたのは聞いたことないけどな』
・『旅館のすぐ近くとかはあったけど。流石に旅館内部には……』
なるほど!
あっ! そうだ!
「皆ここで調べて欲しいこととかある?」
・『どんなモンスターが出るのとか、どんなアイテムが出るのかとか』
・『特にボスモンスターが気になるな』
「分かった! ご意見ありがとう!」
だけど実は私、イベント以外でアイテム探しってあんまりしたことないんだよね。
物探すの下手だし。
「これとか珍しいんじゃないのかな!?」
ただの草だけど、きっと珍しいに違いない!
私のカンがそう言ってる!
・『それ薬草です……』
・『草で草』
・『初心者向けのダンジョンにも生えてるな』
「そ、そっかー……」
残念だ。
・『おっ! モンスター発見!』
リスナーさんが教えてくれた通り、少し先にモンスターがいる。
あれは……スライムかな?
水色の他のダンジョンでもよく見るスライムだ。
痛いの嫌だし、近づく前に変身しよう。
「マジカルチェンジ!」
私はスキル【魔法少女】で魔法少女の姿 (ドラゴン)に変身した。
・『変身シーンが魔法少女じゃない件について』
・『本当、なんでそんな姿になるのかが謎』
私も分からない。
とりあえず、スライムとの戦闘だ。
私はスライムを殴る。
すると、スライムは粒子となり消滅した。
・『う~ん。普通のスライムだったな』
やっぱり、他のダンジョンにもいたスライムと同種みたいだ。
『なんか珍しいものがあるといいんだけどね』
・『今更だけど【テレパシー】ってどうやって画面貫通してるの?』
・『貫通というか、スマホに向けてテレパシーを使うと、録音されるらしい』
・『↑他の魔法少女が言ってたな』
魔法は魔法少女のみが使える。
その中で【テレパシー】というものがある。
私は変身後喋れなくなるから、この魔法が必須になる。
・『ってかテレパシーって、結構力使うよな』
・『破壊龍ちゃんはポンポン使っている謎』
・『疲れない?』
特にテレパシーを使って疲れたことはない。
多分MP的なものが、高いんだと思う。
って、実は前リスナーさんに考察して貰ったことがある。
MPとかるのか分からないけど、ある可能性は高い。
ダンジョン内はゲームとは違うけど、共通する部分は多々あるしね。
例えばさっきのスライム、デザインが有名ゲームに出てくるものにそっくりだ。
他にもアニメとかで出てきたものと、同じデザインのモンスターが登場することもある。
ダンジョンって自然発生したのに、その辺り結構不思議。
人間がイメージした通りのダンジョンというか、なんというか……。
まぁ、多分偶然だろうけど。
・『そろそろボス部屋っぽいな』
なんだかんだ、モンスターを倒しながら私はボス部屋前まで進んだ。
スライムとかばかりだった。
・『ボスはどんなだろうな』
そして私がボス部屋へ入ると、粒子が1つの塊になって、ボスとして私の前に出現した。
あれは初めて見るボスだ!
・『嘘だろ……』
・『新種じゃないけど、やべぇ!』
・『ここは逃げた方がいいのでは……?』
どうやら、新種じゃないけど強いモンスターみたいだ!




