70.温泉旅行
私は夏休みの宿題にまったく手を付けないまま、旅行当日まで過ごした。
そして、今私達は電車に乗って、目的地の豪華旅館を目指している。
どんな料理が出るんだろう?
楽しみだなぁ!
「私は海が楽しみだ! それに旅館には地下プールがあるらしいからな! エンジョイするぜ!」
ココロちゃんは、海とプールが楽しみみたいだ。
「私は豪華旅館の料理と温泉と、ダンジョンが楽しみ! 私達が行こうとしてる海って、ダンジョンがあるみたいだからね!」
「はは! ルカはすっかりダンジョンにハマってるな」
最近はすぐにダンジョンのことを考えちゃうからね。
「そろそろ駅弁の時間だね!」
お昼なので、皆買った駅弁を取り出す。
師匠はのり弁、ココロちゃんはステーキ弁当、ソラちゃんはチラシ寿司弁当だ。
そして私はこれ!
コーラ蕎麦弁当!
めんつゆの代わりにコーラを入れて、そこに蕎麦を付けて食べるお弁当だ。
私はまず同梱されているコーラを開ける。
すると、プシュッ! と馴染みのある音が聴こえる。
私はそれをカップに注ぐ。
ここに蕎麦を入れるから、入れ過ぎには注意だね。
そしてこのコーラを入れたカップに、付属のものを次々と投入する。
天かす、刻みネギといった蕎麦に合うものの他に、マーガリンが付属している。
コクをアップさせる効果があるらしい。
私はカップの中身を、箸でよ~くかき混ぜる。
まずはそこに蕎麦を少量入れて、めんつゆによく馴染ませてから、口に入れる。
ズルズルと、蕎麦をすすっていく。
だがその時、冷たいめんつゆに溶けきっていないマーガリンも麺に絡みついていた。
私は最初「しまった!」と思った。
完全に溶かすべきだと思った。
けど、それはいらぬ心配だった。
製作者はおそらくそれも、想定していたのかもしれない。
くどさがコーラによって、上手いことかき消されている。
でもくどさはないのに、コクは凄い!
天かすやマーガリンの油とコーラが、絶妙なバランスだ!
刻みネギのシャキシャキとした食感もたまらなかった!
☆
食べたら眠くなった。
ということで、普通に寝た。
「起きてくださ~い!」
目的地に到着したみたいで、ソラちゃんに起こされた。
本当はもう少し眠っていたかったけど、仕方がない。
私は完全に目覚めた。
☆
「おお! 広い!!」
旅館にチェックインした後、部屋へ行った私は、あまりの広さに驚いた!
4人用とはいえ、かなり広い!
「今日はもう遅いし、海はやめとくか! 中途半端になっちまいそうだからな!
温泉行くかな? プールもいいな! でもまずは旅館と言えば温泉か……?」
ココロちゃんは迷っているみたいだった。
「私は温泉に行きたいですね」
「私もだな」
「じゃあ、私も温泉にするかな?」
ココロちゃんも温泉に行くみたい。
だったら私も温泉かな?
4人で温泉!
って、前もこんなことあったね!
でも今回は前よりも豪華だからね!
楽しみだ!
私達は温泉まで移動する。
まだ入り口だけど、露天風呂の匂いが凄くする!
「よし! 入ろう!」
私達は服を脱ぐと、温泉へと入場した。
「広い!」
とにかく広い!
「私はサウナに行ってくる」
各自、体を洗い終えると、師匠はサウナ室へと入っていった。
なぜあんな熱いところに……?
私とココロちゃんとソラちゃんは、露天風呂を堪能する。
露天風呂に入った私はとりあえず、お湯を飲んでみた。
「それ飲んで大丈夫なんですか?」
「どうなんだろう……? 多分大丈夫だと思うけど」
私はソラちゃんに、首を傾げながら答えた。
でもまぁ、あんまり美味しくはないね……。
「それにしても、本当広いな! って、少し遠いけど、あっちにもでかい露天風呂があるな!」
「あれはですねえーと……確か泳げる露天風呂です!」
泳げる露天風呂?
「泳げる露天風呂ってなに?」
「文字通り、泳いでも問題ない露天風呂みたいです。その為、あのエリアは少し遠い場所にあるみたいです」
「でも、泳いでもOKなのにどうしてプールみたいに縦長じゃなくて、普通の温泉なの?」
「背徳感……つまり本来やっちゃいけないことをやった感を出す為みたいです。例えば、プールのような形状でお湯だけ温泉でも、それはプールですからね。温泉で泳げるのがウリのようです」
「なるほど! ありがとう!」
私は立ち上がると、ココロちゃんも立ち上がる。
私達2人は泳げる露天風呂で、泳いだ。
広いと言っても温泉だからプールほどの広さはない。
けど、合法? 的に泳げるのは中々不思議な感覚だった。
泳いだ後は、さっきまで入っていた露天風呂に戻る。
ソラちゃんの他に、師匠も露天風呂に入っていた。
その後、しっかりと温まった私達は、温泉を出て飲み物を飲む。
「くーっ! やっぱり、お風呂上がりの苺牛乳は最高だね!」




