第3章エピローグ
「エルー!」
弱まったエラードラゴン? が、かわいく鳴いた。
「今回復してあげますからね!」
ソラちゃんはエラードラゴンに回復アイテムを使う。
また暴れたりしないかな?
まぁ、暴れてもまた倒せばいいけどね!
というか、もう前みたいな滅茶苦茶強い雰囲気は感じられないし、多分大丈夫かな?
「エル!」
エラードラゴンがソラちゃんに頭を下げた。
私に対しては、警戒しているみたいで、目を合わせようともしなかった。
さっきまで敵対してたし、当然と言えば、当然かもしれない。
「エラードラゴン……」
私が後ろを向くと、デス抹茶さんが走って来て、ソラちゃんの近くにいたエラードラゴンをじっと見る。
エラードラゴンはかわいらしく鳴くと、デス抹茶さんの所に走っていった。
そして、そのままデス抹茶さんに抱き着いた。
「エラードラゴン……ごめんな」
「エル!」
気にしてないよ、とでも言いたげなようだ。
私ドラゴン語分からないからカンだけどね!
だって、見た目ドラゴンなだけで、魔法少女だし!
「皆……ごめん」
デス抹茶さんが、今この場にいる私、ココロちゃん、ソラちゃんに頭を下げた。
「ったく! ルカがいなかったら大変なことになっていたんだぞ!」
ココロちゃんは腰に手を当てて、デス抹茶さんに少し不機嫌そうに言う。
本気でキレている訳じゃないけど、そこそこ怒ってそうな雰囲気だった。
「こういうのは正々堂々と戦って勝つから、気持ちいいんだからな!」
「ああ、そうだ。私が間違っていた。そして、煽ったことも謝罪する。本当に申し訳なかった」
「それは気にしてねぇよ」
気にしてなかったみたいだ!
「私も言われたことはもう気にしていません! ただ、1つ分からないことがあります。キミは私と似ているねと、私に言いました。それはなぜですか?」
ソラちゃんは疑問が残っているようで、デス抹茶さんに訊いた。
「それは……そんなんで勝っても嬉しくないとか、そういう理由で不正をしないんじゃなくて、あくまで利用規約違反だからってところが……」
試合の時デス抹茶さんは、約1年間Utubeをやって、チャンネル登録者数が11人のソラちゃんにそう言っていた。
「そういうことでしたか! 確かに、それは否定しませんねぇ……。正直利用規約が無ければ、チャンネル登録者を買いたかったことあります! 結構安いので。いやぁ、結構辛いものですからね……動画を投稿してもチャンネル登録者が伸びないあの現象は……。もしかして、デス抹茶さんも同じような経験を?」
「あ、ああ。実は……」
デス抹茶さんは自分の過去を、私達に話してくれた。
するとソラちゃんは、「そうですか……」と言っただけで、深くは追求しなかった。
ココロちゃんは、「気持ちは分かるが、そんなので有名になっても嬉しくないだろ?」とのことだった。
結構意見が別れるね。
けど、私もココロちゃんと意見が食い違うことが、たまにある。
意見が違っても、互いに否定し合ったことないしね。
だからずっと、友達でいられてるのかな?
私は……。
「ルール違反は駄目だけど……そこまでして勝ちたいのは凄い執念だと思う! だって、私はいつもテストの点数ダメダメで、運動もダメダメだけど。まぁいいか、で済ませっちゃってるからね。だからそこまで悔しいと感じることができるのは凄いと思う!」
変身を解除して言った。
確かに勝負は負けたくないけど、私は基本、やってもダメな時はダメな精神で生きているからね。
将来のこととか、全然考えてない。
正直、5教科合計100点くらいでも、全然危機感ってのが分からない。
「少しは危機感持て!」って先生に言われることもあるんだけど、どうしても持てない。
今が楽しければいいや! って感じ!
だからきっと、不正に手を染めたことをプラスしても、デス抹茶さんの方が人間としてはしっかりしてるんだろうなって、思う。
なにがなんでも成し遂げようって目標があるのは、尊敬する。
でも、不正はダメだけどね!
あくまでルール違反にならないように、ね。
「いや、私は結局誘惑に負けた弱い人間だよ。キミは私のようになるなよ」
☆
その後、デス抹茶さんはテイマーズグランプリから永久追放された。
以前までの優勝も取り消しになった。
デス抹茶さんは、インターネットで炎上したみたい。
だけど、ダンジョン内の外見は髪色や髪形をだいぶ変えてたみたいで、リアルの特定まではされなかったみたい。
ちなみにあの後、ダンジョンに行ってないかっていうとそうでもないらしく、たまにインターネットで、デス抹茶さんがエラードラゴンと遊んでいる姿の目撃報告があるそうだ。
私はとりあえず安心した。
そして、私達はあの後も放課後のダンジョン探索などを定期的に行い、いつもと変わらない日々を送っている。
「ワンッ!」
「よしよし!」
いや、変わったこともあった。
メカキメラのライムのことだ。
実はあの合体の時、相当力を使ったみたいで、しばらく戦闘や合体ができなくなったみたい。
しばらくがどのくらいかは分からないけど、そもそも戦闘好きじゃないし、最初からライムとは相談していたらしい。
どうやって相談したのかは謎だけど、きっと犬の気持ちがわかる的なアイテムがあるのかもしれない。
でもどっちにしても、幸せそうだから、いいのかな?
「新作のチーズケーキができました!」
最近は前にも増して錬金術をやっているみたいで、私達にお菓子とか作ってくれている。
「チーズケーキ大好き! ちなみにイチゴタルトとチョコレート系も好き! 他のケーキも色々好き!」
私はダンジョン内でソラちゃんに出されたチーズケーキを食べる。
美味しい!
「いつも通り美味いな」
「ああ、まったくだ」
ココロちゃんと師匠も美味しそうに食べている。
で、どうして今ダンジョン内で集まっているかっていうと、もうすぐ夏休みだからだ。
海とかプールとか水着とか言ってるけど、私的にはいつも行かないような所に、ダンジョン探索しに行きたいなぁ……。
「そういえば、期末テストどうでしたか?」
ソラちゃんが唐突に言った。
私は……あっ! 確か結構ひどかったんだった!
まだ返却されてないけど、特に数学が意味不明だった!
「私はそこそこ」
そこそこと言いながら、ココロちゃんはいつも満点近いんだよね!
「ルカは……ダメだったって、私に自慢してたよな?」
「あはは……自慢って訳じゃないんだけどね」
「でも、行ける高校あるのか?」
「う~ん……いざとなったら、テイマーズグランプリの優勝を盾に、ダンジョン推薦で行くから大丈夫!」
まぁ、そんなものないけどね!
「ダンジョン推薦……?」
「なんですかそれ……」
って、本気で呆れられてる!?
と、こんな感じで私達の平和な日常は続いているのでした!




