41.テイマーズグランプリに参加する……?
モンスターは倒されると粒子みたいな感じで散る。
だからそんなにグロテスクじゃない。
とは言っても、今回みたいに爆発しちゃうと、粒子になる瞬間を見ることはできないけどね。
・『出た、魔法!』
・『相変わらずの威力だな』
本来であれば、小さな火球を飛ばす、ファイアボールっていう技の下位互換みたいな魔法らしいからね。
それと私バージョンのマジカル☆ファイアを比較すると、驚くよね。
とは言っても、初見さん以外は慣れちゃってるみたいだけど。
私は戦闘が終了すると上層のモンスターが出ないエリアまで戻り、変身を解除する。
その後、私は学校のこと……は話せないからアニメとかゲームとかの話をしてリスナーさんとの会話を楽しんだ。
その中で、テイマーズグランプリの話題が出たよ。
・『破壊龍ちゃんはテイマーズグランプリ出ないの?』
私が出ないのかって言われるけど、テイムするのに必須なアイテムも希少品みたいだし……。
まぁ、確かに出られたら楽しいけど、今回はココロちゃんとソラちゃんとの応援でいいかな?
そんな感じのことをリスナーさんに言ったら、思わぬ返答が帰ってきた。
・『いっそのこと、モンスター側で参加しちゃえば良くね?』
モンスターとして参加!?
・『前は自作のロボットをテイムして参加させていたプレイヤーもいたからな。いけるいける』
・『↑でもそれはテイムできたからだろ? 人間が変身してるんじゃ無理だと思う』
・『参加条件に「自身がテイムしたモンスターであること」ってあるからな』
そうだよね。
それで参加できたら楽しそうではあるけど。
ココロちゃんに頼んでテイム試してみる?
いや、でもそれでテイムグローブを駄目にするのもなぁ。
確か後1回しか使えないって言ってたし、何よりあれは元々ソラちゃんのものだし……。
・『そうだよな。無理だよな。けど、もしも破壊龍ちゃんが参加したら』
・『チャンピオンを倒せるかもしれないな』
チャンピオン?
「チャンピオンって?」
私はリスナーさんに訊いてみた。
・『チャンピオンとは、今まで3回開催されているテイマーズグランプリで3回とも優勝したプレイヤーのことだ』
・『3回とも優勝してるから、初代優勝者とか、前年度優勝者じゃなくて、チャンピオンって呼ばれてる』
「そんなに強いの!?」
今度、動画見てみようっと。
・『ぶっちゃけ破壊龍ちゃんより強いかもしれねぇ……』
・『チャンピオンのテイムモンスター、エラードラゴンは強力だからな』
その後、リスナーさんはそのエラードラゴンって言うモンスターについて聞かせてくれた。
どうやらユニークモンスターって呼ばれている、1種しか存在しないモンスターみたいで、凄まじい戦闘力を持っているらしい。
戦闘スタイルはかなり特殊みたい。
テイマーは基本的に指示を行わず、モンスターが自分で考えて行動しているらしいからね。
・『基本的にチャンピオンの戦闘での指示は「やれ」くらいだからな』
・『いかにエラードラゴンが強いかが分かる』
その後、私は配信終了の挨拶をし、配信を終えた。
それにしても、テイムされるかぁ。
……可能かもしれない。
実は配信中には言わなかった……というか、突然のこと過ぎて脳が追い付かなかっただけなんだけどね。
なんでテイムされることが可能だと思ったかと言うと、私はダンジョンにモンスターとして認識されているらしいからだよ。
そのおかげで、この前のデスティラノ戦で、ココロちゃんと融合することができた。
って、これは私じゃなくて、ソラちゃんの考察なんだけどね。
とにかくこのことを考えると私がテイムされるのも可能なんじゃないかなって。
まぁ、ココロちゃんやソラちゃんがいいって言うか分からないけど。
テイムグローブは希少品だしね。
という訳で、次の日。
学校でココロちゃん達に訊いてみた。
「はぁ!? 何言ってるんだ!?」
「そうですよ!」
今は昼休み、体育館裏で3人一緒に昼食をとっている。
ココロちゃんはおにぎりを片手にかたまり、ソラちゃんはサンドイッチ片手にかたまっている。
やっぱり、駄目だよね、テイムグローブは私のじゃないし。
謝ろう。
「ごめん……。テイムグローブは元々ソラちゃんのだし、今はココロちゃんのなのに、勝手言っちゃって……」
「いや、謝る必要はないぞ」
「私達が驚いているのは、テイムされてみたいって言ったことですよ!」
そうなの!?
「そんなに驚くことかな?」
「驚くに決まってるだろ! テイムされるっていうのは、なんかこう、駄目だろ……ルカは人間だし……」
「なんで?」
「いや、だってシモベにするようなもんだぞ?」
「でも、ソラちゃんとテイムモンスターのライムは友達みたいだよ」
「いや、まぁ……そうだけど」
「じゃあ、私達元々友達だし、なにも変わらないね!」
「そう……なのか……?」
ソラちゃんが難しい顔で考え込んでいる。
別に首輪つけて歩く訳でもないし、いいと思うんだけどなぁ。
と、ここでソラちゃんが人差し指を立てる。
「そもそも、今までそんな事例ないんですから、なにが起こるか分かりませんよ?」
「確かにそうだけど、私とココロちゃんで融合試したよね」
「あ、まぁ、あの時は緊急でしたし……」
なんかソラちゃんの表情が暗くなった!
別に責めてないよ! むしろ感謝してるよ!
「いやいや! ああいう何が起こるか分からないチャレンジは私好きだよ! だから、同じようにやってみてもいいかなって思っただけで……」
「ルカさんは、ギャンブラーですね」
「そうかな?」
1度きりの人生だし、やりたいことはやっておきたい主義でね。
とりあえず、昼休みも終わっちゃうから、改めて放課後集合することになった。




