42.ドラゴンテイマー
放課後、私達3人は裏山のダンジョンへと足を運ぶ。
かなりの不人気ダンジョンでほとんど人が来ないから、撮影場所とか配信場所として、よく使っている。
「で、本当にやるのか?」
ココロちゃんは心配そうに私を見た。
やっぱり、人間をテイムするのに抵抗があるみたいだね。
でも、ソラちゃんとテイムモンスターのライムは友達みたいな関係だし、別に問題ないと私は思うな!
「大丈夫だよ! ここまで来たらやろう!」
リスナーさんの期待には応えたいしね!
「本当にどうなってしまうのでしょうか?」
ソラちゃんも首をかしげている。
こういうのに詳しそうなソラちゃんでも、どうなるかは分からないみたいだ。
私はスキル【魔法少女】を使用して、龍の姿に変身した。
『ココロちゃん! お願い!』
「お、おう」
ココロちゃんはテイムグローブをつけた右手を私に向け、数秒悩んだ後、「テイム」と叫んだ。
すると、テイムグローブが効力を無くしたのか、粒子となって消滅した。
「失敗したのか……?」
私としてはなにも変わってないけど、どうなんだろう?
「どちらにしろ、良かったです。ルカさんが無事だったんですから」
ソラちゃんは、自身の胸を撫でおろした。
「ゲームみたいにテイムモンスターかどうかを確認する方法ってないの?」
ソラちゃんに訊いてみた。
「そういったものを確認するアイテムはありますが、あまり出回っていませんね」
「そんなにレアなんだ!」
「確かに珍しいアイテムではありますが、そもそも確認する必要がありませんからね。ほとんどの人が欲しがらないアイテムでもありますね」
「あーそっかー」
確かに、わざわざ確認しなくてもいいもんね。
「テイマーズグランプリの運営でしたら持っています。ちゃんとテイムしたのかを確認する為にですけど」
「なるほど!」
ってことは、なにか違う方法で確認しないとね!
と思っていたら、ココロちゃんが先に口を開いた。
「言いにくいんだけど、テイム失敗なんじゃないのか? ほら基本、モンスターってテイムしたら、カードになるだろ? そうならなかったってことは……」
確かに、モンスターはテイムした後、カードになる。
でも、私はならなかった。
「ごめん……私が変なことを言い出したから」
「いやいや気にしないでください!」
「そうだぞ」
私はテイムグローブの元々の持ち主であるソラちゃんと、現持ち主のココロちゃんに謝った。
「それにまだ失敗とは限りません。私聞いたことがあるんです。テイムが成功してもカードにされなかったモンスターがいるって!」
「本当!?」
「はい。それでその時、テイム成功したかを自力で確かめたそうです」
「例のアイテムを使って?」
「いえ、技の書を使ってです」
技の書……使うと【技】が覚えられるアイテムだ。
人間とモンスター、両方に使うことができる。
けど、魔法少女は技を覚えられないんだよね。
「テイムモンスターには技の書を使って技を覚えさせることが可能です。野生のモンスターや他のプレイヤーに使うことは、できませんからね」
「その手があったね!」
ということで、ココロちゃんに頼んでみようと思う。
でも、技の書ってレアアイテム。
私持ってないんだよね……いや、持ってた!
確か、ストレージの中にあったハズ!
あった!
【漆黒破壊光線】の技の書。
まさか、使う時が来るなんてね。
私はこれをココロちゃんに渡す。
「物騒な技だな」
「まぁね」
ソラちゃんとダンジョン行ったときに、ソラちゃんから貰ったんだよね。
私が融合の技の書をあげたから、そのお礼にって。
「じゃあ使うぞ」
ココロちゃんは技の書を私に使う。
あれ? でも私って魔法少女だから……。
「使えたぞ!!」
「できたの!?」
魔法少女って本来技の書が使えないハズなのに!
テイムモンスター扱いにもなっているから、使えたってこと!?
「テイムできているみたいですね!」
「そうみたいだね! 後、私って魔法少女なのに、技の書使えたね!」
「はっ! 確かにそうですね!」
最初は心配していたソラちゃんだったけど、今は目を輝かせている。
「なんだか、今日は新たな発見が沢山ですね!」
これが本当だったら、戦略の幅が広がるかもしれない!
「ココロちゃん、ソラちゃん! 実際に漆黒破壊光線が使えるか、テストしてみてもいいかな!?」
もしかして使えないかもしれないしね。
それに……この技凄そうだ!
「いいけど、ルカの場合、マジカル☆ファイアでも相当な破壊力だったろ? 大丈夫か? 技名からして素の威力もやばそうだろ」
「確かに……」
「でもまぁ、ここだったら今人いないだろうし、壁に向かって撃ってみてもいいかもな。人が大勢いる所で撃って万が一にでも当たったら大変だからな」
ということで、使ってみることにしたよ!
いくよ! 必殺! 漆黒破壊光線!!
☆
「あれ?」
気が付くと、私達3人はあお向けで空を見ていた。
というか、ここはダンジョンの外だ。
なにがあったの?
私達は起き上がる。
「一体どういうことでしょうか……?」
ソラちゃんがダンジョンの入り口を指さした。
「ダンジョンが消えてやがる!」
ココロちゃんの言う通り、ダンジョンの入り口が消えていた。




