第6話 深夜ダンジョン
深夜、ホタルを家まで送り届けた後俺は再びダンジョンの入り口に立っていた。
丸一日ダンジョンに籠っていたが疲れは全くない。いつもだったら生活リズムを整えるため義務的に寝ているが、今はとにかくダンジョンに潜りたくて仕方なかった。
(なんだか親父に新しいゲームを買ってもらった日の事を思い出すな)
布団を被って寝たふりしながら遊んでいたっけな。
「うし、行くか」
回収した素材は保管庫に置いてきたのでバックパックもだいぶ軽くなった。
「っと、こいつを忘れるとこだった」
ポケットから青と黄色の錠剤を一つづつ取り出し、ペットボトルの水で流し込む。
この錠剤は冒険者たちが愛用している薬で、青の錠剤は体から出る油脂やふけ汗などをコントロールし清潔に保つ『フロイラズン』、黄色の薬はある程度負荷が掛かる運動をしていれば排泄が必要なくなる『トイレナイン』だ。
二つともダンジョン産の素材でつくられたアイテムとはいえ生理現象に直接働きかける薬なので、飲んだ後だるくなったり効果が切れると疲労状態になる副作用があるらしいが、昨日使ってもとくに問題なかったのでもしかするとスキルのおかげで俺はこういう薬と相性がいいのかもしれない。
(すげー効き目だったし少し心配だったが、だるさも疲れもないしそれならじゃんじゃん使ってやるぜ!)
「おっしゃー!深夜のダンジョンアタック開始だー!」
「およ?」
ダンジョンに入り、すぐに気付いた違和感。
一面真っ白だったはずの床がところどころ緑に色付いている。
(なんだぁ……?)
俺が取りこぼした粘液の染みかとも思ったが、近づいてみるとマス目に沿って綺麗に1ブロックずつ塗りつぶされているのでスライムの汚れがそのまま残っているわけではなさそうだ。
踏んでも問題なさそうだし、靴で擦るとツルツルしてるのはそこらの白い床と変わらない。
とくに害はなさそうなので放置してても大丈夫だと思うが、この変化自体は気になるので一応スマホで撮影し記録を残しておく。
「おーし、こんなもんでいいか」
緑のブロックだけでなく白いブロックも、そしてマス目が引かれた床全体も写真に収めておいた。




