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スキル『疲れにくい』だけの自認低スぺおじさん、自宅に出来たダンジョンにひたすら潜り続けていたら国家指定S級戦力になっていた件  作者: 猫鍋まるい


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第16話 彼女!?

「それじゃあやってくよ~!」


 気合を入れるように肩を回すと、ヒバナは作業台に並べられた素材を次々に大きな窯へ放りはじめた。


「あとはここに剣とお水を入れて……火にかけて煮込むっと」


 傍から見てると料理をしてるみたいだが、今やってるのは再構築前に素材と装備を一つにまとめる融合の作業だ。


 俺みたいな素人からすると窯で煮ただけでまとまるのは不思議な感じだが、もちろんこれもクラフトスキルのおかげで、スキルを持たない人間がグツグツやってもただただ湯がいただけで終わっちまう。


(そもそも水で煮てるだけだしな)


 普通ならまとまる以前に、武器や素材が溶けることすらない。


「うんうん、上手くまとまったね」


 窯から引き上げられたのは、一本のインゴットのような棒。


 そいつを作業台に置いてタオルで水気をよく拭き取ると、金床に移し、ついにハンマーを取り出した。


「よーし、こっからが勝負だよ~」


「え、このまま叩いていくのか?」


「うん、そーだよ。面白いからよーく見ててよね!」


 そういうと、ヒバナのハンマーが赤く熱を帯びたように輝きだす。


「そーい!」


 カンッ、カンッと小気味いい音を響かせながらハンマーを振るえば。作業台に乗せられた延べ棒が強い光を放ち始めた。


「うお、眩しっ」


「これで、どーだ!」






「ふぅ、完成だよ」


 ゴーグルを外し、満足げに頷くヒバナ。


 裸眼だった俺は眩しすぎて最後の方はよく分からなかったが、金床の上にはいつの間にか完成した剣が置かれていた。


 叩いていただけなのに刃ができて柄がついて、見た目だけなら以前のものと変わらない完璧なショートソードに仕上がっている。


(やっぱり、間近で見ると凄いスキルだ)


 これでまだ見習いなのだから驚きだ。


 クラフトスキルのように非戦闘系のスキルはモンスターを倒さずとも練度を上げ強化できるので冒険者でなくてもその道を極めることが出来る。


「ねえねえハジメっ、さっそくこれ鑑定しに行こうよっ」


「ん?それなら、ちょうどこの前物判じの敷紙を買ったからこの場で鑑定出来るぞ」


「う゛ー、そーじゃなくてさ。はじめてクラフトエンチャントした品だからせっかくだしちゃんと鑑定師さんにみてもらいたいんだ」


「ああ、そういうことか」


「ねっ、鑑定料はあたしが出すしいいでしょ?」


「いやいや、そこは流石に俺に出させてくれ」


(年下の娘に鑑定料をたかるおっさんにはなりたくないしな……)


「いいの?やったー!ありがとハジメっ」






「いいい、いらっしゃいませ~!……って、あれ?」


 どうせ鑑定するならと、俺はヒバナを連れ鑑定屋ムフユを訪れた。


「わぁ!お客さん、また来てくれたんですね」


「ああ、この前はキャンペーンでお得にしてもらったしな」


「えへ、えへへ……嬉しいです。と、あら?隣の方は……」


 店長さんの顔が、ショートソードを胸に抱えたヒバナへと向く。


「あっ、その剣。も、もしかしてその……彼女さんですか?」


「え゛?かか、彼女!?あたしがハジメの!?」

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