103:覇王、明日の予定を立てる。
『亡者の地下墓地』を出た頃には、もう日が傾き始めていた。
「……結構いたな」
入口脇に置かれた記録板へ目を向けながら呟くと、隣を歩いていたノアも同じ方向を見る。
俺たちが中へ入ったときよりも名前が増えていて、上層へ潜った冒険者の組数だけじゃなく、すでに帰還したことを示す印もいくつか追加されている。詰所にいた職員は、その一つ一つを確認しながら記録板の数字を書き換えていた。
ちょうどそのとき、地下墓地の入口から四人組の若い冒険者たちが出てくる。
「っはぁ……疲れたぁ!」
「お前が盾落としたからだろ!」
「落としてねぇよ! スケルトンに弾かれたんだよ!」
「同じだ!」
「違ぇって!」
随分と騒がしいけれど、四人ともちゃんと自分の足で帰ってきていた。
一人は腕へ軽く包帯を巻いているものの、大きな怪我はなさそうで、背負った袋の隙間からはスケルトンの骨や小さな魔石が覗いている。
職員へ帰還を報告すると、今度はその場で持ち帰った素材の確認まで始まった。
「……本当に普通の狩場になったんだな」
「少なくとも、上層についてはそうですね」
ノアが答える。
「最近では、新しく冒険者になった方々が最初に実戦経験を積む場所の一つになっています」
「昔はSランク指定だったのに?」
「その話をすると、皆さん驚かれます」
「そりゃ驚くわ」
俺だって、今の景色だけを見せられたら信じないと思う。
かつては危険だから近づくなと言われていた地下墓地の入口に詰所が建ち、冒険者たちが普通に出入りし、持ち帰った素材の確認や買取まで行われている。
俺とノアが深層で裏ボスを二回倒している間にも、上層では誰かが一体のスケルトンを相手に苦戦し、それでも自分たちの力で勝って、初めて手に入れた素材を持ち帰ってきた。
「…………」
「どうしました?」
「いや」
ただ、悪くないなと思っただけだ。
「帰ろうぜ」
「はい」
俺はフュンを背負い直し、ノアも『冥王・ウロボロス』を大事そうに持ち直す。
「それ、本当に気に入った?」
「何度お聞きになるのですか?」
「だって気になるじゃん」
「とても気に入っています」
「よし」
「これで四度目です」
「じゃあ、もう聞かない」
「本当でしょうか」
「たぶんな」
「信用できませんね」
「最近ほんと、みんな俺への当たり強くない?」
ノアが小さく笑った。
そんなやり取りをしながら、俺たちは夕暮れの街道をアルセディアへ向かって歩いていった。
♢
城門を潜って最初に目へ入ったのは、巡回を終えて戻ってきた兵士たちだった。
「お疲れさまでした!」
「交代班、出ます!」
「西門、異常なし!」
十人ほどの兵士たちが、次の班と簡単な引き継ぎを交わしている。
全員が、ついこの前まで工房へ並べられていた装備を身につけていた。
「……お」
思わず足を止める。
「リンドウさん?」
「ちょっと見てみろ」
巡回班の先頭を歩いていたのは、ロイドだった。
こいつの以前の剣には、攻撃を受けるたび左側へ負荷が集中する癖が残っていた。
本来なら盾を持っているんだから盾で受ければいいんだけど、本人は咄嗟の場面になると剣で攻撃を受ける癖がある。
だったら、無理に戦い方を矯正するんじゃなく、その癖まで含めて剣の側を合わせればいい。
「ロイド!」
「っ、リンドウ様!」
俺に気づいたロイドが、反射的に姿勢を正した。
「その剣どうだ?」
「はい!」
「使いづらいところとか出てないか?」
「ありません!」
「ほんとに?」
「……以前より、受けたあとの負担が軽いです。それと、剣を戻すのも速くなりました」
「だろ?」
「はい!」
「じゃあ今のところ問題なしだな。何か気になることが出たら、遠慮せず工房へ持ってこい」
「ありがとうございます!」
そのままロイドたちを見送る。
歩くたびに揺れる剣も、防具も、以前より本人たちの身体へ自然に馴染んでいるように見えた。
「……ちゃんと使い込まれてきてるな」
「百八十人全員を確認されるおつもりですか?」
「そのうちな」
「また一週間ほど工房から出なくなるのでは?」
「ならねぇよ」
「では、ザフィラ様へお伝えしておきます」
「何をだよ」
「再発防止です」
「発作じゃねぇんだから……」
そこまで言ったところで、少し離れた訓練場から声が飛んできた。
「リンドウさん!」
振り向く。
「カレン?」
訓練用の剣を持った兵士たちの中に、カレンがいた。
腰には、打ち直したばかりの二本の双剣。
『望月』と『朔月』。
「ちょうどよかったです! 少し見ていただけませんか?」
「いいよ」
ノアと一緒に訓練場へ入ると、カレンの正面には木剣を持った兵士が二人立っていた。
「二対一?」
「はい。以前よりかなり動けるようになりましたので」
「やるねぇ」
カレンが二本の剣を抜く。
「始め!」
合図と同時に、一人目の兵士が正面から斬り込んだ。
カレンは『望月』でその一撃を受ける。
けれど、そこで動きは止まらない。
受け流した勢いをそのまま身体の回転へ繋げ、『朔月』を反対側から迫ってきた兵士へ振る。
相手も木剣で受けるけれど、その瞬間には、さっきまで防御に使っていた『望月』が次の攻撃へ変わっていた。
「……いいじゃん」
前までは、二本の剣に明確な役割があった。
一方で受けて、一方で斬る。
本人自身が、無意識にそう決めてしまっていた。
今は違う。
右で受ければ、そのまま右で斬り返し、左で攻撃した直後には、その左の剣が次の防御へ回る。
二本ともが、完全にカレン自身の剣になっていた。
「っ!」
一人目の木剣を弾いたカレンは、そのまま一歩深く踏み込み、『望月』の柄頭を相手の胸元へ寸止めする。
その背後から、もう一人が斬り込んだ。
振り返るより先に『朔月』で受け、身体を沈めながら『望月』を相手の足元へ滑らせる。
それも寸前で止まった。
「そこまで!」
二人の兵士が大きく息を吐く。
「ありがとうございました!」
「こちらこそ!」
カレンは二本の剣を鞘へ戻すと、まっすぐ俺を見た。
「どうでしょう?」
「……もう俺に聞かなくてよくない?」
「え?」
「ちゃんと使えてんじゃん、二本とも」
「…………」
カレンが少しだけ目を見開く。
「作った直後より、ずっと良くなってるよ。もう武器に自分を合わせてないし、二本とも自分の手として扱えてる」
「はい」
「だったら大丈夫」
「……ありがとうございます」
「俺じゃなくて、自分に言えよ」
「え?」
「使えるようになったのは、お前が練習したからだろ」
「…………」
少しだけ間を置いて、カレンが笑う。
「はい!」
その返事を聞いて、俺は訓練場を後にした。
背後では早速、
「もう一度お願いします!」
なんて声が上がっている。
「元気だなぁ」
「リンドウさんも、人のことは言えないかと」
「俺は今日もう戦ったから」
「そういう意味ではありません」
「何なんだよ」
♢
城へ向かう途中、学校の前を通った。
「三かける二は?」
「八!」
「六!」
「二しか違わないじゃん!」
「その二が大事なの!」
「算術むずかしい!」
開いた窓の向こうから、賑やかな子供たちの声が聞こえてくる。
「…………」
少しだけ足を止め、教室の中を覗いてみた。
黒板があり、机が並び、その前では子供たちが今日の算術についてあれこれ言い合っている。
その後ろには大人の姿も何人かあって、前に見かけた爺さんも混じりながら、紙へゆっくり文字を書く練習をしていた。
なんというか……普通だ。
誰かが文字を覚えて、誰かが数字を間違えて、それを隣の奴が笑う。
そんな普通の光景が、今は妙に良かった。
「行きますか?」
「うん」
わざわざ俺が入って邪魔をする必要もない。
窓際にいた子供の一人がこちらに気づいて手を振ったので、俺も軽く振り返し、そのまま歩き出した。
少し進めば、今度は市場の喧騒が聞こえてくる。
「今日の祠便だよー!」
「根菜安いよ!」
「果物、さっき入ったばっかり!」
「そっちの肉二つ!」
「はいよ!」
相変わらずうるさい。
そして、人も多い。
大きな荷車から食材が次々と降ろされ、店先へ運び込まれていく。
「これ、『食材の祠』から?」
「はい」
「今日の便か」
「そのようですね」
よく見れば、冒険者ギルドの腕章を着けた男が荷物の前へ立ち、採取された食材の種類や数量、状態を一つずつ確認していた。
その隣では商人がそれを見ながら値段を決め、さらに少し離れたところでは明日の予定まで組まれている。
「明日の第三便、あと二人足りないぞ!」
「俺行ける!」
「採集経験は?」
「三回だ!」
「なら入ってくれ!」
「了解!」
俺が何も言わなくても、もう明日の仕事まで普通に決まっていく。
「…………」
「リンドウさん?」
「なんでもない」
そのまま市場を抜ける。
今度は工房の方から、何人分もの槌の音が聞こえてきた。
カン、カン、と一定の調子で鳴っているわけじゃない。
金属を叩く音に、削る音、誰かの声、それとは別の作業音まで混じっている。
ジンも、ラグも、バルドも、ハルも、マリカも、オルンも、ネリスも、グレンも、エッダもいるんだろう。
今なら、俺があそこにいなくても工房はちゃんと動く。
「……行きますか?」
ノアが尋ねる。
「工房?」
「はい」
「……今日はいいや」
「珍しいですね」
「フュン完成したばっかだぞ?」
「ですから、すでに次のものを作り始めているのかと」
「俺をどんな生き物だと思ってんの?」
「リンドウさんです」
「それ答えになってねぇって」
ノアが、また小さく笑った。
♢
夜。
「……で?」
夕食の席に着くなり、ザフィラが俺を見る。
「何?」
「どうだったの?」
「何が?」
「フュン」
「あー」
俺は肉を切り分けながら答えた。
「控え目に言って、最高」
「…………」
「何その顔」
「予想通りすぎて」
「いいだろ?別に」
「一日中使ってたの?」
「いや。一周だけ」
「一周?」
「アノマリー・ロード」
「…………」
ザフィラの手が止まる。
「裏ボス?」
「あぁ」
「一周だけ?」
「うん」
「本当に?」
「俺どんだけ信用ないんだよ」
「昔のあなたなら、十周くらいしてそうだから」
「否定できねぇ……」
向かい側では、ノアが静かに食事をしている。
『冥王・ウロボロス』はさすがに食卓へ持ってきていないけれど、すぐ手の届く壁際へ大事そうに立てかけられていた。
「ノアは?」
ザフィラが尋ねる。
「新しい杖、使ったの?」
「はい」
「どうだった?」
「非常に使いやすくなりました」
「それだけ?」
「……恐ろしいほど」
「そう」
「大魔法を使用したあとも、まだ六割ほど魔力が残っていました」
「…………」
ザフィラが、ゆっくり俺を見る。
「何したの?」
「『神化』」
「それは知ってるわよ」
「元の性能伸ばしただけ」
「だけ?」
「だけ」
そこへノアが静かに補足する。
「上級魔法を三度、大魔法を一度、それに死霊召喚と補助術式を併用しても、消費したのは四割ほどでした」
「…………」
「誕生日プレゼントだ」
「リンドウ」
「あん?」
「加減って知ってる?」
「ヒヒイロカネ、ちょっとしか使ってないぞ?」
「量の話じゃないと思う」
「ザフィラ様の仰る通りかと」
「二対一はやめようね?」
ノアが少し笑った。
「でも」
ザフィラが、今度はノアへ顔を向ける。
「よかったわね」
「はい」
「誕生日、おめでとう」
「ありがとうございます」
「今度、何か食べたいものがあったら言って」
「では……」
ノアが少しだけ考える。
「以前、市場で見かけた焼き菓子を」
「分かった」
「俺にはないんか?」
「誕生日じゃないでしょう?」
「え、俺も食べたい」
「自分で買いなさい」
「冷たくない?」
「一緒に買いに行ってあげる」
「…………」
「何?」
「それならいいか」
「単純ね」
「うるせぇよ」
そんなことを言いながら、飯を食う。
話題は地下墓地のことだったり、ノアの新しい杖だったり、俺のフュンだったり、カレンの双剣だったりする。
そのうち市場や学校の話になり、明日の『祠便』の予定まで話題に上がった。
どれも大した話じゃない。
少なくとも、世界の命運を左右するような話じゃない。
でも、今はそれでいい。
「そういえば」
ザフィラがスープを飲みながら、何気なく尋ねた。
「明日はどうするの?」
「明日?」
「ええ」
「…………」
少し考える。
いや、別に考え込むほどでもないか。
「午前は工房かな」
「また?」
「フュンの使用後点検くらいはするって。昨日完成して、今日いきなりあれだけ使ったんだから」
「それだけ?」
「それだけ」
「本当に?」
「信用しろよ」
「努力するわ」
「ひでぇな」
「午後は?」
「兵舎。カレンだけじゃなくて、他の奴らも新装備に慣れてきた頃だから、一回見ておきたい」
「そのあとは?」
「……特にない」
「なら」
ザフィラは、それが最初から決まっていた予定みたいに自然な口調で言った。
「夜、昨日できたお店に行きましょう」
「店?」
「市場の近くにできた肉料理のお店。評判はいいみたいよ」
「うまいんか?」
「だから、評判はいいって言ってるでしょう」
「じゃあ行くか」
「決まりね」
「ノアも来る?」
「私は――」
「誕生日翌日だし」
「その理屈はよく分かりませんが」
「来いよ」
「では、お言葉に甘えて」
「三人ですか?」
「ミラも誘うか」
「いいわね」
「じゃあ四人で」
「予約が必要かもしれないわ」
「明日聞いとく」
「お願い」
「了解」
そんな、本当にどうでもいい話をしながら、俺たちは夕食を食べ終えた。
♢
自室へ戻ると、机の上には数枚の書類が置かれていた。
どれも急ぎじゃない。
明日でも十分間に合うものばかりだ。
窓を開ける。
夜のアルセディアには、昔よりずっと多くの灯りが浮かんでいた。
「…………」
視界を開けば、今でもそこには変わらず表示が残っている。
『残誓解放 1/7』
残りは六つ。
『疫』。
『地』。
『海』。
『火』。
『渇』。
『凍』。
忘れたわけじゃない。
ゲーム時代、俺はその全部を敵として知っていたし、何度も倒した。
でも今は、あいつら一体一体に、俺が知らなかった何かがあるかもしれないと知っている。
「…………」
しばらくその表示を眺めたあと、俺は静かに視界を閉じた。
急ぐ理由はない。
少なくとも、今夜は。
明日の午前は工房でフュンを点検して、午後は兵舎で装備の様子を見る。
夜になったらザフィラとノア、それからたぶんミラも連れて、昨日できた店へ飯を食いに行く。
「……予約、忘れないようにしないとな」
今夜覚えておくべきことは、それくらいでいい。
ベッドへ横になる。
明日もやることはあるし、その次の日にも、きっと何かある。
それを考えながら眠るのも、悪くない。
「おやすみ」
誰に言うでもなく小さく呟き、俺は目を閉じた。
♢
その頃。
アルセディアから遥か南、王都の灯りも北の山々も見えないほど遠く離れた土地では、長い夜が終わろうとしていた。
地平線の向こうが淡い白色へ変わり始め、乾いた大地の上へ家々の細長い影が伸びていく。
そこにあるのは、三十軒ほどの家と麦畑、それから小さな家畜小屋が集まっただけの、ごく普通の村だった。
そして村の中央には、昔から変わらず使われ続けてきた一本の井戸がある。
その村には、毎朝誰よりも早く起きる女がいた。
家族が目を覚ます前に井戸から水を汲み、その水で朝食の支度を始める。
特別でもなんでもない。
何年も繰り返してきた、いつもの朝だった。
「よいしょ……」
まだ眠気の残る顔で欠伸をしながら、女は井戸の中へ桶を落とす。
手の中から縄がするすると滑り、暗い穴の奥へ吸い込まれていく。
いつもなら、少し待てば水音がする。
桶が水面へ落ちる小さな音と、水を受け止めた重さが縄を通じて手へ返ってくる。
けれど。
「…………?」
いつまで待っても、その感触が来ない。
女は首を傾げながら、さらに縄を送り出した。
いつもなら、とっくに水面へ届いているはずなのに、縄はまだ何の抵抗もなく落ちていく。
「……あれ?」
やがて縄が最後まで伸び切った。
直後。
井戸の底から返ってきたのは、水音ではなかった。
からん、と。
乾いた硬い音が響く。
「…………」
女の顔から、一瞬で眠気が消えた。
恐る恐る縄を少し引いてみる。
軽い。
水を汲んだときにあるはずの重さが、まったくない。
「……嘘」
井戸の縁へ両手をつき、中を覗き込む。
けれど、夜明け前の井戸の底は暗く、何も見えなかった。
女は一度家へ駆け戻り、灯りを持って戻ってくると、もう一度井戸の奥を照らす。
「…………」
そこに見えたのは、乾いた底だった。
昨日まで確かに水があった場所に、水どころか湿った土さえ残っていない。
まるで長い間、一滴の水も存在していなかったみたいに。
「あなた!」
女の叫び声が、まだ夜の残る村へ響いた。
「起きて! ねえ、早く!」
その声に反応し、家々の灯りが一つ、また一つと点いていく。
何事かと集まってきた村人たちは、何度も井戸を覗き、別の桶を落とし、それでも同じ乾いた音しか返ってこないことを確かめた。
「川は?」
「見てくる!」
男たちが村の東へ向かって走る。
そこには、何十年もの間、季節を問わず流れ続けてきた小さな川がある。
けれど。
「……なんだよ、これ」
そこにも、水はなかった。
夜が明け始めた空の下へ、ひび割れた川底だけがむき出しになっている。
「昨日は流れてたぞ……?」
「雨が少なかったからじゃないのか?」
「一晩で川が消えるわけないだろ!」
さらに数人が、上流へ向かって走った。
村の井戸と川、その両方へ水を送り続けてきた、山裾の泉。
その場所へ辿り着いた者たちも、言葉を失った。
泉も消えていた。
湧き水どころか、地面には湿り気さえ残されていない。
まるで、最初からそこに水など存在していなかったかのように。
やがて太陽が昇る。
けれど村人たちは、まだ知らない。
異変が起きているのは、自分たちの井戸だけではない。
川だけでも、泉だけでもない。
ここから遥か遠く離れた土地でも、同じ朝、同じように水を求めて井戸を覗き込み、乾いた川底を前に立ち尽くしている人間がいることを。
そして。
その日。
南方の大地を巡る七つの水脈のうち――
一つが、消えた。
お読みいただきありがとうございます。
これにて第五章、完結です。
今章では、戦いや攻略から少し離れて、アルセディアで暮らす人たちの変化や、リンドウ自身の「過ごし方」の変化を中心に描きました。
武器を作ったり、誰かと出かけたり、明日の予定を立てたり。
以前のリンドウなら飛ばしていたような時間を、少しずつ大切にできるようになってきたのかなと思います。
そして最後。
南方で、七つある水脈のうち一つが消えました。
次章から、物語は再び『七つの残誓』へ。
第六章もよろしくお願いします。




