第10話「成績優秀者の集まり」
とぼとぼと時間も気にせず、会話をしながら
歩いているといつの間にか教室に着いていたようだ。
「Sクラスは、他のクラスとは違いこの別校舎全てが、
Sクラスに属する生徒だけが、
行き来できる仕様になっているのです」
「何だか無駄に注目を集めているように思えるんだけど」
レイシアが簡潔にアリアに説明してくれたおかげで、
すぐさまこの別校舎にいる生徒の数が
少なかった理由を知ることができた。
「それは、転入生ですから」
先程までは目の前で先導して歩いていたはずのユージが、
いつの間にかアリアの真横にいる。
このクラスに転入生が入ってくることは他クラスに比べると
あまりにも稀なことなのだそうだ。
「は~、そういうものなのね」
「あ、あなたが転入生ね?!」
そうなのか、と納得したところで、
このクラスに属する生徒達がワラワラと集まってきた。
──おしくらまんじゅうのように次から次へと、
生徒たちからの質問やら何やらを受けたアリアは、
長生きした事による経験なのか知らないが、
特に疲れた様子もなくレイシアたちの所へと戻ってきた。
「お疲れ様です、リア様」
「彼女たちは随分と嬉しそうだったわね」
おしくらまんじゅうになる前にレイシアにより、
アリアの席はレイシアの隣だと教えられていたので、
アリアは特段迷うこともなく静かに席に着いた。
「そうですね、
このSクラスに転入生はあまりいませんから」
「それだけこのクラスに入るのは難関という事ね」
「そうとも言いきれますね」
苦笑いを浮かべるレイシアの姿を見て、
『どうやらそのようだ』と納得したアリアは
これから教わることなどをざっとレイシアに教わる。
『そもそも教皇なのだから、
知らない方が可笑しいんだろうな』と
ユージとリドは顔を見合わせて心の中で思う。
それと同時に、
『本当の真実を知っているのかもしれない』
という淡い期待も心に浮かべているのだが。
もちろんアリアは全て知っている。
何せこれから学ぶことの中には、
己が介入したこともある事柄もあったりするからだ。
「(どうせは、
良いように書き換えられてるでしょうけど)」
真実を知らない者たちは、
その内容を鵜呑みにするだろう。
だからといって、全面的に否定する気はない。
この中には全てありのまま伝わっているものもあるからだ。
「(いちいちどこが違う、これはこうだ、なんて
教えるのも面倒だしね。どうせは短い寿命よ
真実なんて知らなくても問題ないでしょう)」
そうして、Sクラスに属することになったアリアは
ここから三週間、伯爵令嬢リアとして
授業や試験を受けることになる───。




