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EX1.それはかんきのように
蠢く。
騒めく。
鼓動が逸る。
この『奥』で。
ワタシは待つ。
玄関が開く音。
足を踏み入れられた音。
まるで自分自身が蹂躙されているようで、気持ちが良い。
どこのだれかは分からないけれど、ありがとう。
どれくらいその『音』を聞いていただろう。
歓喜に震えるのをやめ、気だるい身体を駆動させて、立ち上がる。
それと同時、その反応は去っていった。
――――あぁ残念だ。今日も会えなかった。
光輝く空間に礼をして。
ワタシは今日の日課に取り掛かる。
そうして暫くして、深い眠りにつき。
また、足跡で目を覚ます。




