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16.(ラチカと)クエストとルミエラ



 ルミエラという女神について。

 俺はそこまで詳しいわけではない。

 いや、それはもちろん。彼女と対を成すサリエナさんに対してもではあるのだが。


 やや浅黒い健康的な肌に、派手なロングの金髪。

 つり眉タレ目。背も高く、スーパーモデルのような体つきから、ギャル言葉を発してくるものの、本質的な部分では面倒見の良い人(神)――――という、表面的な部分しか分かっていない。


 というのも……、俺たちの実質的な上司はサリエナさんであり、ルミエラは更にそのバランスなどを管理する役職だから、実はあまりからむことは少ないのである。

 だから今みたいに。

 一緒に森のフィールドを歩いているのは、実はちょっと珍しいことだったりする。


「つってもリョーチン。サリエナとだって、そこまで一緒に行動してるワケじゃ無いっしょ~?」


 気絶したラチカを背負いながら、ルミエラはいつもの調子で言う。

 最初は俺が背負おうと思ったのだが、おっぱいが当たることを考慮してやめておいた。お姫様抱っこもそれはそれで……、彼女が目覚めたときに面倒になりそうだし。


「まぁそうなんだけどな……。なんつーか、地上側に来るのはほとんどがサリエナさんだったからさ」


 背負われているラチカは現在、ルミエラが元々羽織っていた上着が乗っかっているだけなんだよな……という邪念を払いつつ、俺はルミエラに平静を装いつつ答えた。


「そうだよね~。

 アタシもさぁ、こういうイレギュラーな事態がないと、上の神ども誤魔化して地上に来ることって難しいんだよネ」

「……きな臭い話か?」

「んにゃ全然。ただまぁ神って、人間(そっち)側とは違うルールがあるからサ。

 一人一人が王様・姫様みたいなもんだから、城から出るのに許可が滅多におりない……みたいなカンジ」

「ふうん……。なんだか大変なんだな」


 俺がぼんやりと同意すると、ルミエラは「そーなんだよー」と肩を寄せてきた。


「管理管理で面倒でね~。たまには息ヌキもシたいってカンジでさぁ」

「そ、そうなのかぁ……」


 あらいやだ。

 腕に、お乳様がおアタりになっておいでですわ?

 謎のお嬢様言葉を発してしまうくらい柔らかい。

 しかも重量を感じる。こう……、乳が詰まってます! という感じがイイね!

 げっへっへ、プリンプリンやでぇ……!


「うん? どうしたリョーチン? 急に頭を抱え込んで」

「……いや、思考回路がだいぶオッサンになったなと、ちょっと……、反省しているところだ」


 自分の思考回路に驚愕アンドドン引きするわ。

 身体は若返ってるのにネ……。その分ギャップで、更に老け込んでいるのだろうか。


「と、とりあえず気にしないでくれ」

「イイけどね~。おおかた全裸のこの子が気になったとかでしょ~」


 けらけらと笑うルミエラ。半分くらいアタリだな。


「リョーチンが頭悩ませるコトって、半分くらいはエロ関連だからねー」

「耳が痛いぜ……」


 残りの半分は何だろうか。……メア関連か?


「あー、そういえばメアとシャルエールなんだけど。良かったのか? ルミエラはこっちに来ちゃって」

「うん。あの調子ならもう大丈夫かな~って。

 メアっちはいつも通り。シャルっちも、インフレさせること(・・・・・・・・・)に成功したし。あれくらいなら余裕っしょ」


 ……何やらただ事ではないような言葉が聞こえたが。

 まぁ日々の定期報告でも元気そうだったし(日を追うごとにボロボロ度は増してたけど)、ルミエラがそう言うなら、たぶん大丈夫なのだろう。


「それに……、コッチのほうが相当ヤバそうだしね~」

「え、この学園のほうがか?

 今のところ、俺一人でも大丈夫なくらい余裕なんだけど……」


 メアみたいに、ラチカを育てながら攻略できるくらいには余裕がある。

 聞いた感じだと、出てくるモンスターなんかも、向こうのほうがよっぽど強いんじゃないだろうか。


「それがそうでもなくなっちゃったんだよね~」


 ルミエラは言って、ため息とともに言葉を続けた。


「ダンジョンを発生させてる武器。それがどうも、ヤバげなヤツみたいでさ」

「……ふうん?」


 ダンジョンが武器から発生するということは、以前サリエナさんから聞いてはいた。

 しかし、今回の原因となった武器の詳細までは聞いていなかったと、今更ながら思い出す。


「リョーチンがダンジョンの攻略を進めてくれてるから、魔力が表層化して分かったんだよ。そこは、あんがと」

「あぁそういうこともあるのか」

「そ。元から分かってることもあれば、調査の結果判明することもある。

 ――――そして今回判明したのが、かなりヤバめのモノっぽいんだよ」


 まだ詳しいことは分かってないんだけどねと、凄んだルミエラは続けた。

 ……なるほど。

 魔力量を感知した結果、かなり膨大なチカラを秘めた武器だと判明したと。


「ま、今のところ何も起こってないならそれで良いや。

 そっちも、ダンジョン潜るときに何か気づいたら教えてチョ」

「おう、了解だ」

「しばらくはアタシ、この学園の近くにいるからさサ。こっちもなんか分かったら連絡するネ☆」


 そう言ってラチカを一度地面へと寝かせる彼女。

 確認すると、授業終了時に集まる場所まで近づいていた。部外者であるルミエラは、姿を見せるわけにはいかないのだろう。

 ごそごそとラチカに何かをしていると思えば――――、何やらえぐい切れ込みのパンツを履かせていた。ブラもかなりオトナなものだ。


「アタシからこの子へプレゼントフォーユー。全裸よりはマシだろうからね~」

「……まぁ、いいけどな」

「ビッチみたいに見えるっしょ? よくね?」


 ビッチ状態って良ステータスなのか。

 ルミエラの考えはほんと分からん。


「じゃ、あとはテキトーに誤魔化しておきな。

 それと……、力に溺れるなかれって、この子に伝えておいて」

「あらましは全部見てたってことか。了解だ。……俺も肝に銘じておくよ」


 俺の言葉を嬉しそうに受けたかと思うと、中空に去ろうとする動きを一旦とめ、戻ってくる。


「へっへ、良い子良い子♪」


 何とも甘ったるい声で頭を撫でられる。

 おっぱいよりも下着よりも、めちゃくちゃ破壊力が高かった。


「そんじゃ、ま~たね~」


 そう言って今度こそ中空へと去っていくルミエラ。

 ふわりと綺麗な金髪が宙に舞う。

 どこかに身を隠すのだろうか。それとも、わざわざそんなことをしなくても大丈夫なのか。分からないが。


 なんにせよこれで、この学園には女神が二人、存在することになった。

 これが、どういうことを意味しているのか。

 事の重大さを、俺はまだ知らずにいた。






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