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写導戦隊カゲレンジャー8

『写導戦隊カゲレンジャー』8


・第八忍法「刀の魚」


 その日、カゲレンジャーの一同は変身して地下シェルターで耐久テストを行っていた。どれくらいの熱、寒さ、電撃、銃弾や刀による耐久性や水中での潜水時間等々……現代のテクノロジーでは到底敵わない機能を持っており「本当に神の領域に到達した物なのではないか?」と研究員達が感嘆の声を上げていた。

「カゲレンジャーと闇光師団の戦い……聞かされた時は信じがたかったですが、伝説は本当だったんですね……」

「まぁ、アンタ達は知らない伝説だったけどな」

「影の里……研究の為に立ち入らせてもらっても宜しいですか?」

「そこは族長様と相談してくれ」

 無一郎がそう言うと、政府は影の里を訪れた。族長は快く受け入れた。では何故今まで三千年の間身を潜めて来たのかと政府の人間達が疑問に思った。族長は「我々のテクノロジーを悪用する輩が現れないとも限らない。だが今の日本の政府と自衛隊、警察は信用出来るに値すると判断し、協力を承諾した」と言った。協力体制が取れた事に安堵した政府の人間達は影の里の民も東京に移り住む事を提案した。影の里の伝説を基にアンチ弾を研究をする為に。政府は住居を確保し、影の里の民を受け入れた。

 一方その頃、地下では闇光師団のメンバーが集まっていた。

「そろそろ私の出番かな」

「ノワール。お前に何が出来る?」

「オドゥン様。私は全てを切り裂く事の出来る部下を持っています。物理だけじゃなく、絆をも、ね」

「ほう?ならやってみせよ」

「はい。おいで、私の可愛い部下。ブレード」

「マザー・ノワール。私はここに」

「カゲレンジャーの絆を断ってきなさい」

「畏まりました」

 ブレードは地上に上がった。先日のニクボシの件で明かりが消えなかった建物、官邸横の建物に忍び込んだ。そして辺りを暗闇に包み込んだ。

 昼食を済ませたカゲレンジャーの一同はそれぞれの部屋でまったり過ごしていたがふと窓の外を眺めて「何か今日はやたら雲が厚いな……」と思った。ブレードは天井からカイトの背後に回り、一閃を描いた。するとカイトは「何かやられたか?」と妙な気配を感じ、振り返ったがブレードはその場から消えていた。次にブレードはミトリの絆の線を切った。その後、コン、無一郎の絆の線も切った。一同は「何だ?」と思った。違和感を覚えたカゲレンジャーは急遽集まり、会議を開いた。そこでカイトが開口一番に「俺に何かしただろ!?」と怒鳴った。それに対し一同は「お前こそ!」「アンタでしょ!?」と罵り合った。それに着いて行けず困惑する腕太郎。

「ね、ねぇ。どうしたの?皆」

「どうしたもこうしたもあるか!腕太郎!お前か!?お前が俺に何かしたのか!?」

「何もしてないよ?」

「嘘よ!そんなあっけらかんとして、一番怪しいわ!」

「そうだぞー!腕太郎ー!お前が悪いんだー!」

「腕太郎、お前は一体俺達に何をした?」

「な、何もしてないよ!?どうしたんだよ。皆!?何か変だぞ!?」

「変なのはお前だー!」

「そうよ!こんなに皆がおかしいって思ってる状況に、アンタだけどうもしないなんて有り得ない!」

「腕太郎!お前は何か知ってるんじゃないのか!?」

「そうだ。お前が一番怪しい」

「そんな馬鹿な!?皆どうかしてる!頭を冷やしてからまた集まろう!?」

「この問題を抱えたまま頭なんか冷やせるか!」

 その後もギャースカ叫び、罵り合う一同に腕太郎は嫌気を刺し、コッソリ抜け出した。

「何なんだよ?全く……皆どうしちゃったんだ……?」

 そこへブレードが現れ、背後から腕太郎の絆の線を切ろうとした。しかし、それは柔らかく、切れなかった。気持ち悪さを感じて腕太郎は振り返った。

「何っ!?」

「あっ!しまった!」

 ブレードはその場から逃走し、官邸外に逃げていった。それを見て腕太郎は未だに罵り合う四人の下へと向かった。

「皆!闇光師団だ!」

「闇光師団ー!?お前、何でもかんでも闇光師団のせいにすれば良いと思ってるだろー!?」

「違うって!こんな状況になったのは闇光師団が俺達を嵌める為にやった事だったんだ!」

「何でそんな事が分かるのよ!?」

「さっき見た!」

「腕太郎。お前が何か悪戯でもしたのを隠そうとしてないか?」

「違うって!」

「腕太郎、きっとお前のせいだ!お前が悪い!」

「あー!もう!分かったよ!俺のせいで良いよ!勝手にしろ!俺も勝手にするから!」

 腕太郎は憤慨しながら部屋を出てブレードを追った。

「闇光師団!」

「カゲブルー!貴様、何故絆の糸が切れない!?」

「?何の事だ!?」

「だが今はお前のみ!一番の若造が、この私に勝てる筈も無い!」

「それはやってみないと分からないだろう!?行くぞ!シャドウ変化!」

 腕太郎は変身した。

「カゲブルー!ドッグ!」

「出たな!?カゲブルー!」

「兄ちゃん、姉ちゃん、兄貴、オッチャンを元に戻せ!」

「断る!いざ尋常に勝負!」

「負けるか!」

 二人は戦った。ブレードは何度もブルーの背後に回り、絆の糸を切ろうとしたが、何度やっても切れなかった。

「な、何故切れない!?」

「何がだ!?」

「貴様らの絆の糸は固い!だからこそ切れ易い!なのに何でお前の糸は切れない!?そんなに絆が無かったって事か!?」

「……あぁ、そう言う事か。いいや、俺はいつだって皆を信じてる!信じてるからこそ、緊張の糸が緩んでいる!だから切れないんだ!」

「そんな馬鹿な!?」

「忍法、牙狼変化の術!」

 ブルーは狼の姿になり、カゲマルを口に咥えて横に回転しながらブレードに突撃していった。

「俺達の絆を……勝手に切り裂くなー!」

「うわぁあああああああああああああああああああああああああ!」

 ブレードの刃が真っ二つに割れ、四人の絆の糸が戻った。

「はっ!?俺達は一体!?」

「腕太郎ー!?」

 一同は官邸外に出た。

「はぁ……はぁ……はぁ……!」

 牙狼変化の術は体の構造を無理矢理変える為、体力消耗が激しい。今にも倒れそうになっているブルー。そこへブレードが第二の刃を取り出した。

「ならば普通の太刀で切るまで!覚悟!」

「……それはどうかな?」

「何?」

「ブルー!」

 カゲピンクがバードアローでブレードの太刀を撃ち抜いた。太刀を落とし、振り返った先でタートルファングを装備したカゲグリーンが渾身の一撃をかまし、吹き飛ばした。

「皆……!」

「遅れてすまない!」

「ブルー、よくやった」

「ありがとう。ブルー!」

「ここからは俺達に任せろー!」

「いいや、俺達はいつだって一緒だ!一緒に戦う!」

「よく言った!じゃあ行くぜ!?」

「うん!」

 一同はブレードに向き直った。

「人々を惑わす悪鬼妖魔!俺達が成敗致す!ライトアップ!」

 五人は影を投影した。

「カゲブルー!ドッグ!」

「カゲレッド!キャンサー!」

「カゲピンク!バード!」

「カゲイエロー!フォックス!」

「カゲグリーン!タートル!」

「写し、導く……ライトアップ!」

 再び光が五人を包んだ。

「写導戦隊!カゲレンジャー!登場!」

「来い!カゲレンジャー!」

「出陣!超忍法、影の舞!」

 あたりがライトアップされ、至る所にカゲレンジャーの影が現れ、無数に一斉に斬り掛かり、ブレードを粉々に切り刻んだ。

「ネギトロならぬ、ネギタチウオにしてやるぜ!」

 ブレードは倒れた。しかし粉々になった胴体は海に逃げ込み、太刀魚を集めて巨大化した。

「このまままた封印されてたまるかぁ!」

「カラクリメカ、出動!」

 カラクリメカを出動させカラクリ合体をしてカゲキングとなり、海で戦った。

「泳ぎで私に勝てるかな!?」

グルグルと泳ぎ、遠くへ逃げるブレード。ブルーは「ここは俺に任せろ!」と言い、カゲキングを犬搔きで泳がせ、ブレードに追い着いた。

「もっと格好良く泳げんのか……?」

「良いんだよ!オッチャン!速ければ!それ!」

 カゲキマルを咥え、高速で泳ぎながらブレードを三枚おろしにした。ブレードはプカプカと海の上に浮いた。ブルーは封印の石を取り出し、ブレードを封印した。

「これにて一件落着ぅ!」

 その瞬間、気が抜けて、ブルーは変身が強制解除されてその場に倒れた。グリーンが変身を解いて腕太郎を抱き抱えた。

「腕太郎!腕太郎!」

「……グ~……」

「……寝てるー」

「寝てるね」

「気を遣わせ過ぎたな。さぁ、帰ろう」

「良くやったわよ。腕太郎」

「ありがとな。腕太郎」

「俺がおぶってやるからな」

 無一郎は腕太郎をおぶり、官邸に帰った。一同は腕太郎を労いながら食事をし、風呂に入って寝た。

 一方で地下ではオドゥン・クリムジャがいつものように鼠を使って何かの探索行動をさせていた。


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